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八つ墓村 NHK BS金田一耕助シリーズ 落武者の怨念が惨劇を呼ぶ

あらすじ

大量殺人の過去を持つ村に名家の跡取りとして招かれた辰弥(村上虹郎)。
それが悲劇の発端だった。
祖父、異母兄…次々殺害される関係者。
辰弥の異母姉の春代(蓮佛美沙子)、分限者に身を寄せる美也子(真木よう子)は、苦しむ辰弥に思慕を抱く。
だが殺人はとどまるところを知らない。
やがて辰也の秘密を探り当てた金田一耕助(吉岡秀隆)だったが、当の辰弥は、たたりを恐れる村人によって鍾乳洞の奥に追い詰められていた。
「獄門島」「悪魔が来たりて笛を吹く」に続くNHK BSプレミアムドラマの金田一耕助シリーズ第3作。

感想など

村上虹郎演じる多治見辰弥は、状況の中で最善のものを選ぼうと積極的に行動出来るアクティブさと頭の良さとナイーブさを持つ狂言回しであり、もう1人の探偵役。
そんな辰弥を間に挟んでの春代と美也子の女の戦いは、迷信や血筋を重んじる旧来の価値観と利己的なまでに幸せを求める現代的な価値観の対立でもあり、2人の女性と2つの価値観の間で揺れ動く辰弥の戸惑いと葛藤は、現代人にも共感しやすい絶妙なアレンジ。
前作より探偵らしい洞察力を見せる吉岡秀隆が、ジェントルでクール。
秘めた恋心が切ない春代を演じる蓮佛美沙子、利己的な愛と野望に身を焦がす悪女美也子の切ない女心まで演じ切る真木よう子ふたりヒロインの演技が印象的なミステリードラマ。

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