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大村知事発言で思うこと

現在の名古屋市長と愛知県知事の関係ですが、いわゆる犬猿の仲になっています。しばらく前は仲良しで、ともに中部地区の発展のためには頑張ってくれていると思っていたのですが、どうも最近はズレてきています。例えば国際展示場。名古屋市が名古屋港金城ふ頭のポートメッセなごやの改修にもたつくなか、愛知県は常滑に巨大な展示場を作り、海外からでも人が呼べると豪語。イベントをやる側も双方に気を使いながら会場決めをしているような状況です。

また名古屋城問題は、いつも指摘している通り、市長の暴走状態にありますが、それに対して知事は明らかな批判をし始めました。それを面白くないと思っている市長が今回のトリエンナーレ問題では、過剰なまでの意見を出して知事を攻めたという側面はあると思います。市長は大衆ウケがどちらにあるかを体感し、十分に計算しての発言だったと思います(と思いたい。また深い考えなしの発言だったらなお勘弁してもらいたい)。また維新との連携もその背景にあるでしょう。参院選でも市長の意を受けた候補が維新から出ていますから(落選でしたが)。

知事は今回の問題を当初あまり知らなかったと思われます。事務方がきちんと伝えてなかったようにも思いますし、プロデューサーの立ち回りが県側にはつかめていなかったのではないかと。ただ、知事としては問題になった以上、早期の幕引きをして、火を消したいというのが本音だと思いますので、「最近の論調として、税金でやるならこういうことをやっちゃいけないんだ、自ずと範囲が限られるんだと、報道等でもそうことを言っておられるコメンテーターの方がいるが、ちょっと待てよと、違和感を覚える。全く真逆ではないか。公権力を持ったところであるからこそ、表現の自由は保障されなければならないと思う。というか、そうじゃないですか?税金でやるからこそ、憲法21条はきっちり守られなければならない。」と述べることを条件に、早期決着(撤収)をプロデューサーに納得させたとも考えられます。

大村知事ももともとは自民党の人ですから、思想信条的にはこの展示を快くは思っていないと思われます。とはいえ首長としては無難な落とし所を見つけないといけない。そして市長にも一撃を加えられるということで今回のスタンス表明になったのではないでしょうか。もし本音で述べた通りの考えであれば、展示を継続する判断はあると思いますが、そうはしなかった。まあ、展示を続ければ、さらに状況に対して火に油に火を注ぐどころか、跳ね返りが本当に火をつけかねませんが。

憂慮するのは昨今、実際に実力行使が起きかねないという恐怖です。おそらく戦前はそれを軍部がしたのでしょうけど、今は誰がするかわからない。その意味ではすでに今は戦前と同じ状況になってしまっているということを、今回の騒動が示していると思います。ただ、まだ少しはマシと思えるのは、少なくとも意識的な人の半分くらいは知事の言葉を評価していることでしょう。戦前のような、あるいは中国のような「選挙権もなく(女性には戦前、選挙権はなかった)」「発言も自由にできない」社会ではないのですから、今はその人達がそのまま居続けてほしい、と思うばかりです。そしてもちろん私も、知事の公的発言そのものは絶対的に支持します。

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