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文学的原点的な何かを掴むために書いている



自分は劇作家志望でノウハウがなかったので小説を書き始めた。文学の専門的な手ほどきは受けたことがない。この間、小説の講座を受けたが基本的なことを習っただけで具体的な構造論は習っていないし、文学部でもないから体系的に歴史たどって文学を読んだことはない。唯一能楽を稽古してきた時代に芸能の歴史や芸能とは何かを学んだことがあるくらいだ。戯曲で読んだことがあるのはシラーの群盗でその時は難しすぎてわからなかった。シェイクスピアもマクベスやリア王を読んだが、劇としては観たことがない。昔おむすびころりんや詐欺被害防止の脚本を書いて上演したことがある。その時は平井堅さんの瞳を閉じてをBGMにするなど結構凝った演出をした。その時に自分はプロデュースの力が少しはあるのだと思った。今は昔ほど頭が働かないが小説も熟達してきて映画のようになってきた。最近花束みたいな恋をしたの脚本を読んだ。よくありがちなことをちょっとだけ誇張して遊びを入れながら書くユーモアに胸を打たれた。スニーカーの話やイヤホンのLとR、ミイラ展、天竺鼠、Googleアースetc...どれも平成から令和にかけてのあるあるだ。サブカルチャーと恋愛とデジタル化の現象をうまく捉えているから日本アカデミー賞で何冠も獲得したのだと思う。Awesome City Clubのインスパイアソング勿忘もよかった。あそこまで起承転結やストーリー展開を工夫するのは相当な技術と考えの蓄積が必要だと思った。原作者が描きたかった世界は日記のようなものだと語っていた。令和になって日常的な普通の出来事が逆に新鮮に映る現代人芸能人化現象が起きていると思う。私は現代人は全員芸能人だと思っている。SNSで発信し、いいねをもらい。一人用のスマートフォンというテレビでメッセージを送るのはまるで対談のようでもあるし、大喜利大会のようでもある。こうして文字を打っている間にもドルビーアトモスの最高水準の音質の最新アルバムを聴いている。昔はお金持ちしかできなかったものが現代日本人は全て手に入れている。あと欲しいのは知名度と愛くらいだろう。テレビ番組を見ていてもカメラを向けられても誰も文句を言わないで堂々と映る。そして自分の意見を自分だけの言葉で語る。エンターテイメントの役割はなくなるどころか益々増えていく。YouTuberの考察や解説は作り手さえも唸るものになっている。プロフェッショナルとアマチュアの差が埋まりつつある今、お金をもらうプロフェッショナルにできることはなんだろうか。それは一言で言えばプレミアムな付加価値の提供だと思う。アマチュアには出せない完璧さや抜け感は消費者は求めていない。想像を上回る感動、カタルシスを欲しがっている。日常ではない非日常の体験。それをお金を払って観る映画や音楽に求めている。見ている側も運さえあればいつでもテレビの内側に入り込むことができる。しかし、それをしない人が大半なのは映像媒体の作り手は別の世界線にいると思っているか憧れただけで終わって行動はしないからだと思う。それは政治批判はするけど政治家にならないのと同じだ。芸能人のことをあれこれ語るが芸能人にはならないのが普通の人生だ。それにもかかわらずプロフェッショナルとアマチュアの差が縮まっているのはなぜだろうかともう一度問いたい。万引き家族は観ただろうか?万引きをすることで食いつなぐ歪な家族の話だ。この映画は日常をニヒルに見つめていて現代的だと思った。この一本の映画にはさまざまな社会風刺が詰まっている。貧困、犯罪、政治批判、隠蔽、誘拐と虐待、高齢化、社会保障など。挙げればキリがない。万引き家族のように万引きで生計を立てていなくても同じような場面を見たことがあると思えるように作ってある。当事者性が高いのがこの映画の特徴で監督の視点で観覧者は映画を見ている。派手な演出は少ない。だが怒りや涙が湧いてくる。楽しかったんだよねという安藤さくらのセリフ。ここに万引き家族の本質が集約されていると思う。すいみーの目にならなきゃダメなんだよと子供に言われているような気がした。脚本を書くならこのように社会的な価値ある作品を書く必要があると思う。まだ脚本を書いてはいないがLGBTQIAの問題を取り上げるような作品を書きたい。LGBTQIAは差別の温床だと思うからだ。りゅうちぇるとペコが離婚した。これからはパートナーとしてやっていくという。ここにもLGBTQIAの問題が絡んでくると思う。公に出ている人が行動を起こすのは大切だ。h&mのセッションでLGBTQIAの話をして記事にもなったが誰でも自由に性の価値観をタブーなしで語れる時代が来るべきだと思っている。文学の原点は差別なのではないか?差別をすぐ解消するのは難しいが問題を啓発するのも文学の役割の一つだ。目日見えない物も含めて社会問題を炙り出す作品をこれから書いていきたい。

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