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創業期のスタートアップで1年働いて感じた自身の課題と、解決策として参加したCOM-PJの参加レポ(taliki社による3ヶ月の社会起業家支援プログラム)

こんにちは!ブイクックの吉川夕葉(@sayYESYY)です。

この夏、社会課題を解決するベンチャー企業に投資する、taliki社主催の「com-pj」に参加してきました。
7月〜10月の3ヶ月間で、この10月8日の最終発表をもって一旦の区切り。
ということで、参加レポを残しておきます。

先に結論を書いておくと、

  • 社会にもやもやすること、なんとか自分が解決したいな…と思っているトピックがあるけど、解決策に対してクリティカルな一歩は踏み出せていないと感じている方

  • スタートアップや団体に創業メンバーレベルで入ったものの、いまいち貢献できていない、代表や他メンバーとの目線の高さの差を感じている方

に、特に参加をおすすめしたいです。

COM-PJ LPより引用

👇今回の参加者一覧はこちら


そもそも、なんで参加しようと思ったの?

まず、私は起業家ではありません。
昨年5月に、2期目のスタートアップ「ブイクック」に創業メンバーとして転職した人です。
この1年事業を進めてきて、創業メンバーとしての自分の役立たなさ、情けなさに嫌気がさしていました。

そもそも、スタートアップ界隈とは縁がなかったし、前職は制作会社なので、プロダクト作りのプの字もわからん状態。
スタートアップとして成長していく定石を肌感覚として持てていなかったし、プロダクト作りもしたことがないのでなんの役にも立たない。

創業メンバーとして、これではいかん、と思いました。
創業メンバーとしてブイクック社の中に存在するのであれば、創業者(経営メンバー)と同じ目線で事業について議論できるようになりたいし、
プロダクト作りの定石的な流れも知っておきたい。

しかし、今から事業会社に転職するわけにもいかないし、創業者目線も学びたい。
……! 起業家が集まるプログラムに参加したらいいのでは!?

という発想で、COM-PJに応募してみました。

はじめましての集合写真!

当時の課題と仮説

社会人3年目でスタートアップに転職し、創業メンバーとして1年働いた私が、当時持っていた課題は
スタートアップ(事業作り)への解像度の荒さと、事業と組織をリードする人の目線に一歩、いや数歩辿り着けていないこと
でした。

解決策を探る中で得た仮説は、
「代表がいないところで、自分も事業をグリップしている人として、他人に事業戦略を話す場数を踏める機会」が必要なのでは、というもの。

この仮説が出てきた背景は、
この1年間、社内でのmtgなどで、事業や戦略にフィードバックを求められることはあれど、いまいち完全に理解できていないので身のあるフィードバックや質問ができていない、と感じていたことにあります。
事業や戦略にフィードバックするためには、まず自分の言葉で語れるようになる必要があると思いました。
ただ方針を聞いてるだけなのと、自分で作って人に説明するのとでは考えを巡らせる範囲が全然違います。

プログラム参加前は、代表の工藤くんが一つ上のレイヤーの課題に向き合っていることが多く(例、3-5年の計画、プロダクトロードマップ、など)、私は目の前のタスクや課題に対処することが多い体制でした。一つ上のレイヤーを考えたくても、戦略を完全には理解できていないので考えられない状態でした。

一方工藤くんを見ていた感じ、代表として投資家・VCに戦略を説明したり、他社の起業家と情報交換したり、メディアの前で説明したり、メンバーに説明したり、と、
’代表だから’ある機会が多く、自然とそこで事業について他人に話す機会が多いことでブラッシュアップされ、観点もどんどん増え、鋭い戦略になっていっているのでは、と感じていました。
そこで、「他人に対して事業戦略について語る機会が多いこと」がこの差を埋めるキーになるのでは、と仮説に辿り着きました。

このままいくと、’代表だから’の機会が多いので、どんどん差が開いていってしまう。「代表」と「そうでない人」という環境設定によって成長速度が全然変わってしまうのは悲しい。
なので、自らその機会を探し、飛び込まなきゃと思ったのが今年の5月です。

なぜCOM-PJを選んだの?

解決策として、下記の条件に当てはまったのが、「起業家支援プログラム」でした。

  • たくさんの人に事業戦略を当て、フィードバックをもらえる

  • 同じ目線で話せる人が多くいる

  • 自分の口で話す必要がある(代表とは離れた場所)

中でもtaliki社のCOM-PJに応募したのは、ちょうど募集がスタートしたから、というのが大きいのですが、

  • 工藤くん含めtaliki社のプログラム出身の知り合いが多く安心感があった

  • 出身者からの評判がめちゃくちゃいい

  • 出資してくださっているtalikiファミリーとの距離を縮められるいい機会かもと思った

上記の理由から、挑戦するメリットがあるなと思い応募しました。

オンラインとオフラインのハイブリット開催でした

COM-PJでは、3ヶ月何をしたの?

COM-PJは、3ヶ月後にMVPをリリースし、商売を始められる段階になることが目標として設定されています。

MVPリリースに向けてペルソナ設定からスタート、仮説検証を繰り返し、社会課題解決ビジネスを構築していくプログラムです。
3ヵ月後にはtaliki社主催のソーシャルイベント「BEYOND」にてピッチし、終了となります。

COM-PJ特設サイトより

カリキュラム内容はこんな感じ。

  • 週1回の進捗報告会&ゲスト講義

  • 週1回の1on1

  • 中間発表会

  • 最終発表会(ソーシャルイベントBEYONDでピッチ)

  • リーダーシップ研修(hal社)

運営メンバーのtaliki社の方、Kyoto Research Parkの方、hal社の方がメンターとして1名ごとについてくださり、週1ペースで1on1、
進捗報告会では1メンター4参加者ぐらいのグループに分かれ、進捗報告&相談をします。
グループは毎週シャッフルなので、色んなメンターさんの視点からフィードバックをいただけたり、多様な参加者の事業進捗を聞くことができます。
自社以外の事業進捗を聞けるのが一番楽しかったかも。
そんな進め方あるんだ〜と勉強になったり、もっとここ詰めた方が良いのでは?というところを自分からも質問したりフィードバックしたりと、とても実りある時間でした。

中間発表会の様子

目的は達成できた?

まず、下記の仮説はとても合っていた気がしています。
「代表がいないところで、自分が事業をグリップしている人として、他人に事業戦略を話す場数を踏める機会が必要」
毎週2回、自分の口で誰かに事業戦略や進捗、今の課題について話す習慣を強制的に作れたことがとてもよかったです。それにより、事業への解像度や、考えるべき項目への理解がかなり深まりました。

また、毎週改めて説明するので「誰のどんな課題を解決したいのか」を常にもち、問い続ける意識を身につけられたことも良かったポイントです。
「仮説検証」という行為への解像度も上がり、質も高まった気がしています。
どんな仮説をもち、それを検証するためには何をして、どんなアウトプットを出せば良いのか
毎週の進捗報告会や1on1ではこの話をする機会が多かったので、考える機会が強制的に増え、普段の業務にも活かせるようになりました。

  • 創業者目線を持つこと
    (スタンスについて)

    起業家の友達はたくさんできたので、起業家の思考トピックは知ることができました。
    そして、社会起業家(もちろんその他の、事業を前進させている方)がどれだけの想いで、なんとか解決策を生み出し、届けようと愚直に努力していることを知れました。
    それにより、自分自身の深いところのスタンスが変わった気がします。
    ゆる会社員出身だったのが、目線が引き上げられた気がするし、目的達成のためならそれくらいやるっしょ、みたいなスタンスになりました。

    解像度を上げるためには、やはりそのセグメントの人にたくさん出会い、話し、話を聞くことが近道かつ唯一の道だなと感じました。
    '会社'を経営していく、'事業'を回していく、ことへの解像度も、参加前よりも爆上がりしていると思います。

    (事業について)
    目線もかなり上げられたと感じています。
    具体的には、社内での定例会議やちょっとした相談で、事業戦略をもとにフィードバックができるようになってきました。
    自分でも根拠のある意見を持てるようになったと感じており、同僚の工藤くんもその変化を感じていると感想をもらいました。
    一方、長期的な目線をまだ持てていないと感じています。
    3-5年後のビジョン、それに伴う採用の必要性(最近ひしひしと感じ始めてる)をまだ実感値として持てていないので、そこが次のステップアップかなと思っています。

  • 事業作りの定石を知ること
    これは達成できた気がします。
    COM-PJでは、丁寧にこつこつ進めていくので、スタートアップのスタートの部分や事業立ち上げまでの流れをじっくり知ることができました。
    毎週の進捗報告会で他参加者の進捗も聞くことができるのがとても効いたなと思っています。
    他参加者の事業進捗を聞くことで、リアルな事例や進める中での課題を知ることができ、とても学びになりました。この機会は、アクセラなどでしか得られないのかなと思います。

    私の場合、今回のCOM-PJは、事業立ち上げまでの流れを丁寧に振り返る機会になりました。
    テーマにしていたブイクックスーパーは、今年の4月から課題発見の部分から関わり、解決策を自分で導き出して、それを正式に事業化していくフェーズでした。
    事業を作ってみるのは、去年リリースしたブイクックモールについで2回目。
    去年のブイクックモールは、何をしたらいいか分からんすぎて、とりあえず工藤くんの言う指示に従ってやってみる。
    でもこれは今後の何のためにやっているのかいまい分かっていなくて、とりあえず目の前のタスクやってみた感、で終わっていました。
    今回のブイクックスーパーでは、課題の発見から解決策の創出まで、自分主体で進められてとてもよかったです。
    ブイクックスーパーで実践しながら、(…..ああ半年前のブイクックモール立ち上げの時期には、こういう理由でこのアウトカムが欲しくてあのタスクをしていたんだな、あの問いをもっていたんだな)と腹落ちさせることができました。

👇COM-PJに参加しながら進めていた新規事業。プロセスまとめました。


BEYONDで終了!お疲れさまでした!

参加してみてどうだった?

なにより一番印象的だったのが、社会課題の解決に自分の時間を費やして真摯に向き合っている人たちが、こんなにもいるのかと知れたこと。
既存のビジネスや社会からこぼれ落ちている社会課題って、たくさんある。たくさんありすぎるが、そんな中、自分の人生の時間を費やしてなんとか解決しようと頭を使い、手足を動かしている人たちがいる。
これはすごい希望だと思いました。自分も励まされた。
苦しいな〜とか、めんどくさいな〜と思った時は、ユーザーの解決された時の笑顔と同時に、com-pjメンバーの楽しくもがいている姿を思い出して頑張れそうです。

そして、どのプロダクトも最高で、心から解決して欲しい!と思えました。
みんなが描く、解決された時の世界を想像できて、とってもわくわくしました。
その社会課題、私も気になってたあああ〜!解決してえええ〜!と思うことも多々。
3ヶ月を経て、最初のプロダクトとは全然違うものになった人もいましたが、それだけ課題解決したい人や課題に向き合ってガラッと変えられるのも、すごい決断だと思います。

参加者の大多数は、COM-PJだけでなく、他のアクセラにも同時並行で参加したり、今まで参加してきていたりしてる方が多かったです。
そんな、手を尽くしてやり抜こうとしている姿勢がとても素敵だなと思います。
口だけの‘意識高い系’ではなく、本気で向き合って解決しようとしている姿勢に感銘を受けました。

審査員賞をいただけました🙇‍♀️タカさんとのツーショット尊い….

プログラム自体への感想

さて、長くなりましたが、プログラム自体への感想も残しておきます。
1参加者目線ですが、今後参加を迷っている方の判断の一つになれば…!

まず全体的に、とても丁寧に進めていくなーという印象でした。
フェーズの解説を抗議してくださったり、ヒアリング項目を一緒にブレストしてくださったり、情報整理するためのシートを用意してくださっていたり。じっくりこつこつ着実に事業化していく、'しっかり仮説検証を回していく'のが大事、という運営からのメッセージをとても感じました。

一方、実行は結構ジャンプが求められる感じがしました。
(いや、私が甘いだけなのかもしれませんが….)

仮説検証=次の週までに何をアウトプットとして出すか考え、どうやって実行するか考え、実行する。
というのを毎週行うのですが、
「何をアウトプットとして出したら事業の前進のために良いか」の部分からアドバイスいただけると、とても助かると思いました。

なんとなくの印象では、そこは参加者がひとりで考えている印象(ここでジャンプが求められる)で、そこを間違えると検証の手立てとして方向性が全然変わるので、空回りな仮説検証になりかねないと思います。それを未然に防げたり、より精度を高くできるとより良いのかなと思いました。

強いなと思ったところ

  • HOWのアイデア出し

    • アクセラとしてもVCとしても、いろんなスタートアップの事例をご存知なので、いろんなパターンややり方を発散してくださる

  • これについてサポートして欲しい、知り合いを紹介して欲しい、と依頼した時のサポート力がすごい。早くて厚い。

  • ここに悩んでいる、と伝えた時の傾聴力・伴走がとても優しい

moreだと思ったところ

  • ゴールに沿った適切なアウトプットを目標設定しているか、の目線

  • 能動的なアドバイス

  • 参加者の出方を伺っている感じがしたので、メンター陣はもっと突っ込んでもいいのでは?と思った

みんなそれぞれ、COM-PJがなくてもどうにか自分で進められるポテンシャルがある人という印象を受けました。(アクセラってそういうものかもしれないが)
アドバイスをいただくというよりは、結構自立的に進めて、フィードバックをお願いできる相手、困った時に相談する相手の認識で参加すると、ギャップが少ないかもです。

とくにこの部分が助かった!ところ

  • 1on1、毎週の進捗報告会のおかげで、週に2回自分の口で事業の進捗を話す機会があった。その度に整理できて、フィードバックをもらえたのがよかった。

    • また、他参加者の進捗報告も聞けるのでとても学びになるし、自分もフィードバックすることでより勉強になった。

  • 先輩起業家の話を聞けること

    • ちょっと先の先輩の、あまりネット上に記事になる程でもない細かいことや外に出してない話を聞ける。

    • 腹を割って話してくださるのが、talikiとの関係性の良さに起因してるんだろうなと思った。

そろそろお気づきだと思いますが、
あんまり写真がないのでいろんな集合写真で誤魔化しています。

こんな人におすすめ

最後になりますが、改めて。
こんな人が参加すると、前進できる機会になると思います。

  • なんか社会にもやもやしていることがあって、自分が解決したくて、でも何からどうやって始めたらいいかわからない人

    • ちょっと進んでみたけど思うように進められていない人

  • 創業メンバーとして目線を上げたい人

    • いまいち貢献できていない、代表や他メンバーとの目線の高さの差を感じている方

    • 創業者が、伸びて欲しいメンバーに参加をお勧めするのもすごくいいと思う

    • そんな研修みたいな使い方していいかはわからんが。

長文を最後まで読んでくださってありがとうございました。
半年後、このnoteが参加検討者の背中を押していることを願って……!

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