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判定に揺れるパリオリンピック 〜8月1日

体操日本の伝統を守ったのは初出場の岡慎之助選手でした。
一方で、今回のオリンピックは多くの競技で、審判の判定に揺れているようです。
そして、セーヌ川でのトライアスロンが行われました。

体操男子個人総合。
20歳の岡慎之助選手が金メダル。
おめでとうございます。
怪我の影響のため、エースの橋本大輝選手があん馬で落下するなど得点を伸ばせません。
もう一人の優勝候補の中国の張博恒選手も床で大きなミス。
そんな中、初出場の20歳の岡慎之助選手はミスのない演技で得点を積み上げて見事優勝。
張選手との差は僅か0.233でした。
男子個人総合では、ロンドンオリンピックとリオオリンピックで内村航平選手が連覇、東京オリンピックで橋本大輝選手と、日本選手が3大会連続で優勝してきました。
岡選手の優勝で、4大会連続で日本人選手が優勝したことになります。
橋本選手は6位入賞。

岡選手は、15歳の時に世界ジュニア選手権で総合優勝。
将来のエース候補として期待されてきましたが、一昨年右足前十字靭帯断裂の大怪我。
しかし、今年のNHK杯で復活の優勝を遂げてパリオリンピックの舞台に立つことができました。
NHKでは、岡選手が日本の体操の世界では「日本の宝」と期待されてきたと紹介していました。
まだ、20歳ですからこれからも期待したいですね。

ちなみに今回のオリンピックでは、日本が判定で泣かされるシーンが多く指摘されていますが、岡選手の場合は審判の的確な判断が優勝に繋がっています。
吊り輪で一度はマイナス評価だった技が、採点の見直しで本来予定していた評価が認められました。
この時マイナスのままだったら、金メダルは難しかったかもしれません。

柔道。
男子90キロ級で村尾三四郎選手が銀メダル獲得。
おめでとうございます。
決勝戦は東京オリンピック金メダリストのジョージアのラシャ・ベカウリ選手との対戦で、激しい攻防が繰り広げられる面白い試合でした。
ネット上ではこの試合に関しても疑惑の判定と騒いでいます。
両者が1本ずつ技を決めて残りの30秒のシーン。
村尾選手が内股でベカウリ選手を仰向けに倒しますが技は認められません。
その後、時間ギリギリで逆に技ありを取られて、ベカウリ選手が勝利、金メダルを獲得します。

村尾選手は、性格が淡白なのでしょうか。
投げ技をした後、すぐに相手から体を離して立ち上がります。
技ありがあったのではないかと言われるシーンでも、お尻から落ちて上半身がまだ起きているベカウリ選手にそのまま体を預けて完全に仰向けにしてしまえば、審判は技ありを宣言せずにはいられなかったかもしれません。
でも、村尾選手がすぐに自分から体を離して、主審の顔を見ながら立ち上がってしまいます。
実はそのずっと前、ベカウリ選手に同点となる技ありを取られる直前にも、小外刈りでベカウリ選手を仰向けに倒します。
この時もそのまま相手を巻き込むようにしていれば、技ありだったかもしれないし、技ありを取れなくても流れ的にその後のベカウリ選手の技ありも無かったのではないでしょうか。
でも、村尾選手の組み手にこだわらずにがんがん攻めて投げを打つ、日本人らしからぬ柔道好きです。
まだ、23歳ですからこの柔道を続けて、ロスアンゼルスでは頂点に立ってください。

女子70キロ級の新添左季選手は、準々決勝で前回銅メダルのオランダのサンネ・ファンデイケ選手に技ありを奪われて敗れます。
この試合でも、不可解な指導が2回。
NHKの解説者の穴井隆将さんも放送の中で具体的に指摘していました。
敗者復活戦に回った新添選手は、スペインのアイ・ツノダ・ロウスタント選手と対戦しましたが、指導3回を受けて反則負けになりました。
新添は、試合直後のインタビューで、「内定いただいて1年あったが、一年間本当に毎日苦しくて・・・」と、オリンピック出場が決まってからの1年間の苦しい胸の内を、涙なからもほんの少しだけ口にしました。
選手の皆さんは、オリンピックに出場することで背負うものや勝たなくてはいけないというプレッシャーの積み重ねが、体を固くし、本来の力を発揮できなくなってしまうのかもしれません。
私たちには想像できないものを心の中に抱えているのでしょう。
もちろん、そうしたことをプラスにできるアスリートもいますが、人それぞれです。
コーチや競技団体の皆さんは、周囲と一緒になって「がんばれ、がんばれ」と言い続けるのではなく、選ばれた選手全員が本来の力が発揮できるような環境作りをしなくてはなりません。
それは柔道に限ったことではありません。
彼らは十分に頑張っているのですから、「がんばらなくてもいいんだよ」
そんな声かけも必要でしょう。

男子バレーボール。
第1戦でドイツに敗れた日本が、アルゼンチンにセットカウント3−1で快勝。
しかし、この試合でも疑惑の判定が・・・。
第2セットの1点を争っている終盤。
アルゼンチンのアウトになったスパイクに、日本のタッチがあったのではとアルゼンチンがチャレンジ(ビデオ判定を求めること)をします。
映像では日本のブロックの指がボールで動いているのが確認できるのに、判定は覆りません。
さらにこれに抗議したアルゼンチンベンチにレッドカードが出されて、監督、コーチが退場になります。
これで、アルゼンチンの選手たちはモチベーションをすっかり失ったのか、この後は日本の一方的なペースに。
問題のシーンも1点差で争っている場面だったし、あれが無かったら、もっと厳しい試合になっていたかもしれません。
日本は次戦、決勝トーナメント進出をかけてアメリカと対戦します。
厳しい戦いが続きますね。

女子サッカー。
見事、ナイジャリア相手に3−1の快勝。
グループ2位で決勝トーナメント進出を決めました。
決勝トーナメント初戦の準々決勝の相手はアメリカ。
数多くの対戦がありながら、日本が勝ったのは2012年の1度だけ。
厳しい戦いが待ち受けています。
ところで、東京オリンピック金メダルのカナダが、相手チームのトレーニングをドローンで盗み見ていたために、勝ち点6を剥奪されたのをご存知でしょうか?
しかし勝ち点6を奪われたのにも関わらず、決勝トーナメントに進出してきています。

トライアスロン。
あの茶色く濁ったセーヌ川で泳ぐ、トライアスロンの競技が始まりました。
前日に予定されていた男子の競技は、環境が整わないという理由で延期になり、予定通り行われた女子と同日の開催となりました。
1日でそんなに水質が変わる?
選手たちの体は大丈夫なのだろうか?
リオオリンピックの時には、汚染の酷い川の河口での競技が行われるということで、上位の選手が何人も辞退したはずですが、今回は聞きませんね。
政治の力でしょうか?
それにしても、あんな茶色く濁ったセーヌ川の水を世界に見せて、誰も得しないと思うんですけど。

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