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喜びなのか、失意なのか。 8月7日

パリオリンピックもいよいよ終盤に入ってきました。
毎日いくつも生まれるアスリートたちの悲喜交々。
そして、勝ち負けに一喜一憂する私たち。
そんな日々も今日を含めてあと5日になりました。

レスリング。
グレコローマンスタイル60キロ級。
文田健一郎選手が金メダル。
おめでとうございます。
東京オリンピックで銀メダルだった文田選手は、準決勝で去年まで世界選手権を2連覇していたキルギスのゾラマン・シャルシェンベコフ選手を退けて決勝進出。
決勝では世界ランキング2位の中国の曹利国選手相手に序盤にリードを奪いますが、後半2ポイント差に迫られながらもなんとか逃げ切っての勝利。
グレコローマンスタイルでは、日本人として40年ぶりの金メダルだそうです。
それってレスリングが日本のお家芸と言われていた時代ですね。
「東京オリンピックで自分の胸に金メダルをかけたのが本当に悔しくて。その悔しさが金メダルをかけてくれた」と語っています。

グレコローマンスタイル77キロ級では、世界ランキング1位の日下尚選手が、1回戦、2回戦に勝利して準々決勝進出を決めています。

レスリング女子68キロ級。
尾崎野乃香選手が銅メダル。
おめでとうございます。
金メダルを期して望んだ尾崎選手でしたが、2回戦で東京オリンピック銅メダルのキルギスのメーリム・ジュマナザロワ選手に逆転負け。
敗者復活戦に勝利して準決勝に出場すると、東京オリンピックで銀メダルのナイジェリアのブレッシング・オボルドゥドゥ選手を破り、銅メダルを獲得しました。
メダルを胸に泣き笑いの笑顔が輝いていました。

女子50キロ級。
東京オリンピックの金メダリストの須崎優衣選手が、インドのビネシュ・ビネシュ選手と対戦した1回戦で、残り20秒からの相手の攻勢に同点を許し逆転負け。
信じられないという表情で、なかなかマットから立ち上がれなかった彼女の姿は印象的でした。
須崎選手は敗者復活戦から銅メダルを目指します。

二人の選手が続けて決勝にも進めない展開は、黄金期が続く日本の女子レスリングにとっては、予想外のスタートと言えるかもしれません。
相手選手も日本の選手を破るために、トレーニングや研究を重ねてきている中で、相手の方が上回ることもあるはずです。
自分たちが何かが足りなかったわけじゃない。
気持ちを切り替えて、続く試合に向かってほしいですね。

スケートボード。
女子パークで、開心那選手が最後のラン(演技)で会心のトリック(技)を見せて2位に食い込み、2大会連続の銀メダルを獲得しました。
おめでとうございます。
開選手は、東京オリンピックで日本選手最年少の12歳11ヶ月で銀メダルを獲得しています。
あの時、ちっちゃくて可愛らしかった女の子は、3年間で身長が20cm以上も伸び、力強く安定したライドを得意とする選手に変貌していました。
最後のランで、開選手を逆転して金メダルを獲得したオーストラリアのアリサ・トルー選手と、銅メダルのイギリスのスカイ・ブラウン選手は、共にお母さんが日本人。
3人は仲良く、喜びを分かち合っていました。

この種目に出場した日本の3選手の内、初出場の草木ひなの選手は8位、東京オリンピックで金メダルの四十住さくら選手は、残念ながら決勝に進むことはできませんでした。
予選で思ったほどポイントが伸びず予選突破のボーダーライン上にいた四十住選手が、決勝進出がその後に選手の結果待ちの状況に、
「他の選手の失敗を望みたくない」と語ったのが印象的でした。

この種目が開催されたのは、フランス革命の中心地と言えるコンコルド広場。
中継の映像でも、角度によっては広場内のオベリスクやエッフェル塔が背景に見えていましたね。

陸上競技。
女子1500m。
日本の中長距離のエース、田中希実選手は、5000m走の予選に続いて、1500m走でも11位で、トラック上では決勝進出の6位以内に入れませんでした。
救済によって準決勝に進むことができましたが、最後の1周、周囲のペースに付いていけなくなった田中選手に、救済が適用されたのは幸運だったのではないでしょうか。
5000m走では一緒に走った山本有真選手が、ラストの3周くらいまで独走し、彼女が後退すると、それに代わるように田中選手がトップでレースを引っ張りましたが、最後は周囲のペースアップの中で競り負け9位でゴール。
この日の1500mでは、スタートから先頭に立った田中選手がレースを牽引しますが、終盤の他の選手のペースアップに付いていけずに大きく後退します。
救済の対象となった接触も、ペースの上がらない田中選手と周囲の選手とのスピードの差から生まれたものです。

田中選手のレース後のインタビューには、なんとも言えない敗北感のようなものが滲み出ているように感じました。
彼女が勝ち取った出場権で走った彼女のレースで、彼女がどんなレースをし、どんな結果でも構いません。
負けたとしても、もっと堂々とグッドルーザーいてほしい。
笑顔で「次、頑張ります」と言って欲しい。
ぜひ、救済で得たチャンスを活かしてください。

男子槍投げ。
12年ぶりにオリンピックに出場したディーン元気選手は、1投目に82m48の自身のシーズンベストをマークしたものの、予選通過記録の84m00には届かず決勝に進むことはできませんでした。
2012年のロンドンオリンピックに出場した時は、日本人として28年ぶりの決勝に進み9位。
その後の世界の槍投げを牽引するとまで言われたディーン選手でしたが、度重なる怪我で槍を投げることもできない時期もありました。
そのディーン選手が、一昨年の世界陸上で9位、昨年はアジア選手権で優勝するなど国際舞台に復帰し、12年の時を経てオリンピックに戻ってきました。
今回は残念な結果でしたが、「ロスも目指してやります」と言ってくれているそうです。

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