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ハワイに行くつもりでした。

「ハワイに行ってきました」とか言っておいて「鳥取県羽合町(現在は湯梨浜町)」の写真をアップするみたいな所業は人類の有史以来1億回くらい繰り返されていますが、この記事はそういう記事のつもりでした。

全然関係ないですが、私はニューヨークに出張した帰りには餃子のニューヨークによく訪れます。自己満足です。

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今のご時世でハワイに行くのは不可能ではないにせよ心理的なハードルが高いので、安心して訪れられる、日帰りで行けるハワイに行ってきました。

先に書いておきますが、今回は鳥取の「はわい温泉」を心の底まで満喫しようと意気込んで出かけたのですが、諸般事情で20分くらいしか滞在せず、内容的には鳥取観光をしてきたというだけの記事になります。

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まずは飛行機で羽田から鳥取空港に訪れました。鳥取便の普段の搭乗率はあまりよく知らないのですが、結構ぎっちり席が埋まっていて、コロナが落ち着いてきたせいか飛行機需要はだいぶ戻ってきているように感じました。それでも一つ隣の席は空けて、という感じではありました。

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鳥取空港は「鳥取砂丘コナン空港」という色々盛り込み過ぎな通称になっていますが、空港にもコナン関係の展示が豊富です。コナン好きな人には良いかも。

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はわい温泉は、鳥取の代表的な都市の倉吉から至近。倉吉駅からバスで20分程度とかなり便利な場所にあります。公共交通機関だけでも問題なく回れそうなので今回はレンタカーを借りずに訪れました。

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こちらがハワイです。
はわい温泉は東郷湖の西側に位置する、景勝豊かな温泉地です。温泉が湧いたのは19世紀になってからと、比較的歴史の浅い温泉地のようです。
もちろんここは観光地だと思うのですが、この日はバスを降りる客は私以外にはおらず、近隣で開いている店や、歩いている人を探すのも難儀する感じでした。今回は平日に休暇を取って訪れているので、それも閑散としてる理由だったかもしれません。

はわい温泉では「日帰り温泉」に力を入れているようで、多くの旅館や温泉施設で共通で使える「湯巡り手帳」という回数券なども発売されているようです。こちらを旅館で購入し、複数の温泉をハシゴし一日過ごす、というのが今回の旅行の算段。

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まずは千年亭という旅館に訪れました。湖の突端に位置し、温泉からの景観が抜群なのではと期待。「日帰り温泉」を入口から全力でアッピールしているのでクオリティも期待できそう。

さっそく旅館に入るも、お客さん含め人の気配がまったくない。何度かフロントで声をかけると係の人が出て来たので「日帰り温泉に入りたいです」と伝えると、「本日は団体客貸切のため、使用できません」とのこと。おや?
いやいや、でも入口には日帰り温泉の大きな看板も出してるし、「○○団体様歓迎」的な看板も特に置いてない。そして失礼ながら旅館の中には人の気配がほとんどなく団体宿泊客がいるようにはとても思えない。そもそも日帰り温泉施設って貸し切ったりできるの?
というような事をまくしたてる事はなく細々と係の人に伝えたのですが、先方は事情を説明するというよりは「申し訳ございません」の一点張り。

つまり、かなり高い確率で、「人を見て」、温泉への立ち寄り、旅館への立ち入りを拒否された、ということだと思います。いわゆる「UG客」扱いです。そんなに変な格好してなかったと思うし、こちらの話し方や受け答えも普通だったと思うのですけどね。
千年亭さんは風情もあって景観も良さそうでしたし、そもそも今回の旅行は日帰り温泉に入ることが唯一の目的でそのためだけに3時間かけて東京から訪れて、色々買ったり食べたり体験してささやかながらお金を落とすつもりだったんですが、私は招かれざる客だということで致し方なしです。

他の旅館にも訪れようとも思ったのですが、出鼻をくじかれこの件がトラウマになり、他の旅館でも同じ対応されそうで怖かったので、そそくさと「はわい温泉」を後にしました。足湯があったのでそれにだけは浸かりました。旅館の塩対応を想起させるような、とてもぬるめのお湯でした。

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ということで、着いてから20分後に倉吉駅に戻るバスがあったので、そちらでとんぼ返りです。

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人は裏切っても自然の景観は裏切りません。はわい温泉周辺から眺める東郷湖の景色はとても素晴らしかったです。逆にいうとこの景色が見れれば、それ以外はこの地に未練はないです。三朝温泉に行っておけば良かった。

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はわい温泉以外全く他の旅程を計画してなかったのですが、白バラ牛乳を飲んで気持ちを切り替えます。
倉吉は白壁の土蔵群がとても有名なので、そちらを訪れようとバスに乗り込みました。

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しかし、途中の停留所で「二十世紀梨記念館」なる施設のアナウンスがあり、無類の梨好きの私は条件反射でボタンを押し、下車してしまいました。

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入り口はこちら。倉吉パークスクエアという大きな施設の一角に記念館がある、という感じのようです。「鳥取二十世紀梨記念館」というのが正式名称だと思いますが、「なしっこ館」という可愛らしい名称がついています。
入場料は大人300円です。

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いきなり謎の巨大な置物が出迎えてくれます。表情。

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この施設では実際に使われていた巨大な梨の苗木が展示されていたり、梨農家の生活について再現するような展示があったり、かなりお金がかかっていて内容もバリエーションが豊富でした。

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リアルなロボットが昔の梨農家の生活を再現するという寸劇を披露。

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精巧な梨農家のジオラマが展示されており、収穫など見たいアクティビティをボタンで選択するとモニターに人形のアニメーションが表示される。梨農家の一年がとてもわかりやすいですし、映像のクオリティが高い。

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インスタ映えしそうなおしゃれな展示もありました。世界中の梨の陳列展示だったり、様々なアーティストが梨をテーマに制作した作品群だったり。

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梨への理解を深めるような真面目な展示も多かったです。梨は桃など他の果物とは果実の生育の仕方が異なるようで、普通の果物は子房が大きくなるようですが梨は花床が肥大化して出来上がるものらしく、こういう果物は「偽果」と呼ばれているようです。
梨の独特のひんやりした甘さは「ソルビトール」という天然の糖アルコールが多く含まれているからとのこと。

他にも、梨の食べ比べができるスペースがありました。二十世紀梨をはじめとして三種類の梨の味比べができる場所。追加料金なしでいただけるので、入場料はここで元が取れる気がします。
個人的にはいずれの梨も美味しかったですが、昔ながらの味わいという意味で二十世紀梨がやはり一番好きですね。
あらためて、美味しい梨を作り上げてくれる農家の方々に感謝です。

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こんな子供向けのスペースもあるので、小さいお子さん連れでも安心です。全体的に造形物が異様にクオリティが高い。
係の方の対応も親切で、とても安心して過ごすことができました。

当初の旅行の計画上は全くノーマークでしたが、二十世紀梨記念館は全般的にとても楽しかったです。自分たちが大事にしている文化を奇をてらわず正面から捉え、愚直にでもまっすぐ形にしてくれたほうが、伝わる人には伝わるし、内容も印象に残ると思います。
個人的にはこの施設はお金がかかりすぎているような気はして、その辺は少し気がかりです。良い施設が末永く維持されるよう、みんなもぜひ訪れましょう。

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ちなみに、二十世紀梨記念館で時間を大量に浪費してしまったため、白壁土蔵群には訪れることができませんでした。記念館のすぐそばにあったのですが…。改めてリベンジします。

その後は、帰りの飛行機までの空き時間を有効活用すべく、爆速特急の「スーパーはくと」に乗車し鳥取駅まで移動。定番中の定番の鳥取砂丘に訪れました。ああ、砂がたくさんあるね、という感想。

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短時間で鳥取駅と砂丘とを往復した後、空港バスの待ち時間で「喜楽」というお店でおそばをいただきました。このお店では「皿そば」が名物とのこと。

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皿そばは鳥取というよりは但馬あたりの風習らしいです。小さい小皿に一口分のおそばを取り分けていて、わんこそばみたいな風情です。
美味しかったですね。おそばの美味しさはもちろん、薬味やとろろ、うずらの卵などで味変をしながら様々な風味でおそばをいただけるのが良いです。卵と絡めるのに小皿のおそばはちょうど良いサイズで、美味しさのバランスが取れています。
私が訪れた時は私しか客はいませんでしたが、壁にはたくさんの有名人の色紙が飾られていて、やはり人気のあるお店なんだなと思いました。

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お土産には定番の「とうふちくわ」を購入して帰宅。

そんな感じで、慌ただしい日替わり旅行で、かつ最初の目的がものの見事に裏切られてしまいましたが、一つくらいあてが外れても問題ないくらい鳥取は色々な魅力が詰まった場所なので、とても満喫できました。
東京からも飛行機で1時間ちょっとで来れる場所で、意外と市内の交通の便も良く、気軽に日帰りで来れる場所です。また訪れたいです。

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