生まれて初めて推しのアクスタを手に入れたらあまりの質量に動揺を隠せなかった話
アクスタ、人気ですよね。気づけば二次元でも三次元でもだいたいグッズ販売の中にはアクスタの文字があり、一緒にお出かけをしている写真をよく見かけます。確かに、ブロマイドなんかよりも耐久力があるし、写真そのまま使えるのでアイドル界隈のグッズとしても良いものだと思います。イラスト系のグッズよりも推しそのままの神作画を持ち運べる、とても素晴らしい。そうは思いつつも今まで自分はアクスタに興味がありませんでした。というよりもアクスタやぬいなどのグッズを持て余す、部屋のどこかに放置してしまう、じゃあ買ったところでどうするんだ……という気持ちが強く、そういった方面での収集欲は皆無のオタクだったのですが、ついに、手元に届いてしまった……推しのアクスタ……。
正直、手に入れるまでは印刷面がアクリル板なだけであり言ってしまえばブロマイドと方向性としては変わらないと思っていたんですけど、そのアクリルのせいぜい3ミリの厚さがあんなにも「質量」としてこの世に存在していることにマジで動揺しました。グラムに換算したら魂の重さなんじゃないか本当に、21グラムってじつはアクスタの重さだった……?
ブロマイドなどの写真系のグッズには既に手を出していたので、先程も書きましたが概念としてはソレなはずなんですよね、「持ち運べて」「推しの写真が使われていて」そういうグッズです。別にトイストーリーじゃないから動かないし、喋らないし、厚みのある写真でしかない。そのはずなのに私は手にしたそのアクリルの重量に十分に動揺していました。切実に手の中に「いる」、なんかミニチュアの布団とか用意した方がいいのか、それより部屋を掃除するべきじゃないのか、いや机の上に堂々と立っている姿を前に正座をすべきなのか。そんな文字列が脳内を駆け巡って行き、とりあえずアクスタを裏返してみた私は確かに滑稽だったでしょう。当たり前に裏面は印刷のない白いシルエットでしかなかったのですが、透き通った靴紐の質感が恐ろしいほどリアルでそれはそれで怖かったです。
いや本当に初めてのアクスタとはいえ捻くれオタクなので「ふーん、まあこんなもんか」もしくは「やったー、グッズだー」くらいの感情で終わると思っていたんですけれども、たった数ミリの厚みがここまで私の情緒を乱してくるとは思わなくて、新鮮な動揺が脳髄を駆け抜けていく様は、この年にして新たな衝動を私にもたらしてくれるのでした。
ちなみに、枠からパーツを引っこ抜くやつで裏面に保護シールが貼ってあったんですけど。作法がわからないせいで保護シールをはがさないまま本体を引っこ抜いたら、こう人の形に透明のシールの膜が残って、それが得も言われぬ「誕生」感をだしていてさらに質感を増していてすごかったです……。
こうして「コンテンツ」「アクスタでこんなに感動している人初めて見た」などのお言葉もいただきましたがアクスタを手に入れてからの人生は楽しいです。持ち運び用のケースをせっせとシールでデコっている私を1年前の私が見たら大いに驚くでしょう、しかしその驚きが今の私の感情を上昇方向に持ち上げてくれるのでそうやって変わって行くのも悪くないのでした。ただ歴が短すぎるおかげの自意識がまだあるのでなかなか外でアクスタを含めた写真を撮るには至っておりません。今度私と遊んでくれるオタクはそんな私の何度目かの初めてを応援してくれると嬉しいです。
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