ラブandベリーの、ベリーになりたかった
自分から見て左側の目元にある、星型のほくろ。
同じ位置にほくろを持つ私は、
この魔女のことがそれだけの理由で好きになった。
田舎に住んでいたために、少し都会にある祖母の家に行くときだけ連れて行ってもらえた百貨店で、私はラブandベリーに出会った。
特に私の好きな青色の髪をした、画面の中のクールなお姉さん、ベリーに憧れて、
お小遣いを貯めては何枚も何枚もカードを集めた。
ホログラムが施されたカードは、今でこそチープかもしれないが、いちばんの宝物で、
ゲームセンターすらない田舎に帰ったあとも、
ずっと眺めていられたほどの輝きがあった。
2008年まで稼働していたというこのゲームは、
15年後の今でも
思い出すだけで心の底に溜まっているきらきらをすくい上げてくれる。
最近、ベリーみたいな深い青に髪を染めた。
今までブリーチなんて全くしてこなかったけれど、鏡を見るたびに自分をちょっと好きになれる。
私のほくろは星型ではないし、
私は魔女にもなれない。
でも私の中のラブとベリーのように、
誰かの心のきらきらをすくい上げられる存在になってみたいと思う。
やさしくなくちゃね。
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