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運命と神さんに溺れる

作品を知ったのは、菅田将暉さん、小松奈菜さんの出てる映画化されたものをオンデマンドで視聴したのが最初でした。

火を使った神秘的な祭りと、海と山がとても近い神秘的な風景の田舎が出てくるとても不思議な雰囲気だったのと、運命とか神様とか欲望とかいろんな要素が入りまくってグチャグチャしているものを引き込んで魅せてるそんな話でとても引き込まれたのをよく覚えています。

原作を読んだきっかけは、映画化されているほうを先に見て試し読みコンテンツに冒頭があったからで全17巻という長さから映像化から漏れてる設定や話が絶対にあるというのをどこかで期待していたから。

自分のことに重ねると、幼いころに有無で溺れかけたことがある。

時化の直後で波が高い日に、引き潮の強い波に浮き輪が引っ張られ砂浜から岩場にグイグイと引っ張られていくそんな感覚がとても強く今でも思い出すと少し怖い。

本作品に出てくる”溺れる”は、そんな一般的な”溺れる”よりも複雑で高尚な何かを持っていて、コミックス単行本にありがちな作者からのメッセージ等が無い状態で没入感を楽しむことができる。

幼少期にあったはずの全能感はだれしもが持っているものなのだろうけれど、少なくとも今の私は持ち合わせていない。素直になれないあまのじゃくさは私も持ち合わせてるものなので、ほろ苦い後悔とともに経験と重ね合わせて作品を読み進み、その世界の傍観者として時には主人公に自己投影したりして追体験をすることによって少しだけ思い出すことができるそんな貴重な体験をすることができた。

当時少女漫画誌で連載していたということですが、雑誌ごとのコンセプトとか当時の連載状況や反響なんてものは正直なところどうでもいいけど、優れた作品が最近になって試し読みに出てきて購入欲を掻き立てるのはとてもいいと思った。

気温が暑い日は、冷房を利かせた部屋で読書や映画鑑賞に耽ってもいいなと感じる作品でした。

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