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タイカイサポート利用のすすめ(主催者向け/正式.Ver仕様)


はじめに

この記事は2023年12月13日に正式版がリリースされたアプリ『Nintendo Switch Online』内の『Splatoon3』用ゲーム連携サービスの機能である「タイカイサポート」について、実際に触れてみた結果「大会主催者」目線で先行バージョンからの変化点や運用する際にしっておくと良さそうな知見をまとめています
なお、先行リリース版に関しては以下の記事でまとめていますので、そちらを一読いただくると変化点などがよりわかり安いかもしれません

例によってお忙しい方向けに『忙しい方のためのまとめ』をこの項のあとに記載してますので、読むのにお時間がない方はそちらだけでもどうぞ

忙しい方のためのまとめ

※最低でも太文字部分を読めばわかる(多分)
1.シングルイリミネーション式のトーナメント予選リーグありのトーナメントリーグ戦に対応!ただしリーグ戦は最大で10チームまで、トーナメント戦は最大512チームまで予選リーグは1組最大4チーム(最低3)

2.大会へのエントリーはURLからのエントリーとQRコードからのエントリーに対応。よりシェアしやすくなっています。ただし、QRコードの個別保存(タップすると画像保存できる)には非対応のため使用する場合はトリミングなどの必要がありそうです
とはいえエントリーがほぼ自動化大会作成と同時に窓口開設できるのはメリットといえそう

3.対戦表は自動作成!作成後に編集も可能。リーグ戦もグループ組み合わせを変更可のため抽選して振り分けを決めるなんてこともできるかも!?
リーグは順位確定条件が5段階(勝利試合数 > 勝利バトル数の多さ > 負けバトル数の少なさ > 直接対決の結果 > エントリーナンバー順)まであり、自動で順位付けされるため集計などの作業はなし!

4..参加者のメンバー(プレイヤー)名はゲーム内の名前!そのため連絡用にDiscord鯖やX(Twitter)アカウントなどでやりとりをする場合は他サービスとの名前の紐づけをやっておく必要がある。逆にやっておかないと大混乱になる可能性があるので大会規定などに組み込むことを検討すべきかも

5.対戦結果報告は勝敗にかからず両チームから必要!ただし、運営サイドで任意の編集は可能(正式版で編集回数が次のラウンドに進むまで/次の対戦合相手が確定するまで無制限に!

6.ラウンド進行(1回戦、2回戦などのくくり)は手動と自動を設定可能。自動進行はあらかじめ設定することで決勝まで自動化も可能。ただし!勝敗編集のタイミングがシビアになるので利用は慎重に

7.設定上はルールは半固定(準決勝、決勝の勝ち抜け数は別途設定可)部屋の親はルール(エリア、ヤグラなど)を変更可能。自動で複数ルール採用は現状不可

8.対戦の部屋に参加できるのは運営(タイカイサポート上の主催、共催、観戦カメラを指す)とエントリーされたメンバーのみ!(先行版ではフレンドが乱入可でした)

もう少し詳しく

1.率直な感想

およそ1か月で無理しない範囲で新機能の追加と先行版での「かゆいところ」にテコ入れをしてきてくれたなという印象でした。
ただ、無くなったことで逆に融通が利かなくったものもあるようでここはある種評価が分かれるところだと思います

2.変化点

大きな変更点の一つ目は、「リーグ戦」機能が追加されたことです。
またこれにともなってトーナメント形式の大会にも「予選リーグ」の有り無しを選択可能になりました。
ただ、リーグ戦は現状最大10チームまでなので、コミュニティで求められている規模を満たせているかというとやや微妙な気もします(国内のスポーツと照らし合わせると決して少なくはないと思いますが)
一方で予選リーグは3もしくは4チームからなるリーグを設定できます。(サッカーのW杯みたいなことができるわけですね
これは特に不満とかはない気がします。予選でそれ以上のチーム数だとかかる時間が莫大になるので……

もう一つは運営による勝敗の編集が無制限で行えるようになったことです。
これは先行版を使った各運営のテスト大会などでも先行版では1回のみしかこれが行えなかったことについて改善を期待する声があったように思いますがしっかり対応してくれてました

画像は公式の使い方から引用
画面左は参加者側の画面なのですが、運営側でも同様に「取り消す」のボタンが追加されました

そしてさらに個人的に大きい変化だなと感じたのが、大会を主催してから次の大会を主催できるようになるまでクールタイムが設けられた点です。
時間にして12時間ですが、これのポイントは自身が主催したものだけでなく共催者だった場合も同じ適用を受ける点です(おそらくロールに関係なく)
先行版ではこの制限がなかったため、私が行った魔剤杯の様に進行中に別の大会を作る(魔剤杯では勝利側トーナメントと決勝トーナメントで分けるためにこれを利用していました)ことができたのですが、正式版では制限が付きました。
これに関してはイカ研側もタイカイサポートを乱用することはガイドラインを軽視した大会が行われるリスクが高まると考えての対処なのではなかと推測しています

それ以外で、主催者によっては不便になったと感じるかもしれない点はエントリーしたメンバー以外のユーザーはタイカイサポートで作られた部屋に入れない仕様になった点です(主催、共催者が観戦設定で入った場合を除く)
先行版当初は、大会に直接関係ないプレイヤーでも通常のプライベートマッチと同じく通知欄などから合流できるいう仕様があったのですが、修正されています。ちなみにこれは魔剤杯(2023/12/09実施)時点でこれに影響を受けたと思われるトラブルがあったため、おそらく正式版のリリース以前のアプで修正(サイレント?)されていたものと思われます

またラウンドの自動進行が設定できるようになったのも変更点です。
自動進行を採用した場合、設定したラウンドまでは主催者の操作なく自動で対戦相手を決めて進めていくことができます

公式のポストより引用、「自動進行ゾーン」を左右に動かすことで進行する範囲を変更できる

これは決勝まで完全自動化ができるのですが前述の試合結果の編集は次の対戦相手が確定した時点でできなくなる仕様があるので、自動進行を採用した状態で勝敗にトラブルが生じた場合、かなり編集対応にスピード感が求められます。これに関してはどこまで利用するかについて意見が分かれそうです。個人的にはトラブルメーカーになる可能性があるので利用しないかなという感じがしました(スタッフが適切に確保できてればありかも)

3.変わらなかった点

正式リリース版で改善を期待していたのに特に変化がなかったものとしては
・ダブルエリミネーションの対応見送り
・大会ルールに複数のバトルルール採用(エリア→ヤグラ→ナワバリなどのローテ)
・ステージランダム時の使用済みステージの自動消込(いわゆるおまかせロスト)
目立ったのがこのあたりでしょうか。特に1つ目は対応されるという噂をなんとく聞いていたので個人的には期待していただけに残念さを覚えてしまいました。
2番目3番目については技術的にはできてもおかしくない気はするのですが、タイカイサポート自身というよりゲーム側にタッチするべき修正なのでイカ研側が対応しきれていないという可能性が高いように思います

もう一つは主催者に連絡する機能はノータッチのままである点でしょうか。
先行版の記事でも触れた通り現状は一定のカテゴリしか連絡内容がなく、
細かい状況を把握するには別の媒体で連絡を取る必要があります
入力用のテキストボックスを置いてくれるか、カテゴリをもう少し細分化するだけでよかったのですが開発元がある程度運営の実態を調査されているのか、多くの大会ではDiscordなどの連絡ツールを採用していることを把握しているのかもしれず見送られています

4.リーグ戦機能について

予選リーグも含めてリーグ戦の追加は結構面白いと個人的には思います。
予選リーグでは勝ち抜けチームを1~2まで設定可能です。
勝敗数が同率で並んだ場合の順位決定の優先条件についてもおよそ一般的あるいはコミュニティに則したものと言えそうです。ちなみに優先順位は以下の通り

(勝利試合数 > 勝利バトル数の多さ > 負けバトル数の少なさ > 直接対決の結果 > エントリーナンバー順)

予選リーグの対戦表イメージ。オレンジのチームが勝ち抜け。
これだとA2とA8は同率チームがあるが前述の条件に従い勝ち抜けが決まっている

界隈ではまだまだトーナメント形式が主流のためリーグ戦はそこまで採用されていない印象です。ただ実際に行われている運営さんはいらっしゃるのでそこを拾ってくれるような今回の対応は嬉しく感じます。
ただやっぱり最大10チームなのはちょっとネックじゃないかな
12時間ルールのおかげで同時にいくつか…みたいな運用もできないし
リーグ機能については今後少しテコ入れが入ってくれると嬉しいなという感じです

5.欲を言うなら

おじゃまさせていただいたテスト大会では最大512チームまでしかエントリーできないのは少ないという意見もありました。
確かに、オフラインの大規模な大会ではこれ以上のチーム数がエントリーされるケースもあります。ちなみに高校野球の激戦区と呼ばれる地区でも参加校は200チーム以下だったりするのですが、優先順位はともかく見直しがあるといいなという印象はありました。

あとはチーム名の変更がもう少しカジュアルにできても良い気はします。
とはいえもしかしたらイカ研(あるいは開発サイドのはてな)は固定チームの文化を(意識的か無意識に)後押ししている可能性があるのでプレイヤー名と同じルールなのは受け入れられなくもないです。
ただ変更時の反映が既にエントリー済みの大会だと反映されなかったりするのは先行版での勝敗編集機能のように1回だけなら任意で変えれるとかの措置あるとよかったなぁという印象はあります。

6.(追記部分)許諾周りの対応

自分が小規模しか開催できない弱小なので今更気づいたのですが大会作成時にガイドラインの規定を超えた人数になることが明らかな場合、メッセージが表示される仕様になったようです

試しに開催最大規模のイカップル杯さんと同規模で作成しようとして確認

これに「閉じる」を押したあと、許諾番号を入力するボックスにフォーカスされて入力を促すようになります。当然ですが存在しない番号を入力すると「入力した番号が間違っています」と表示され進めなくなります

適当に打ってもだめ

おそらく正しい形式の番号を打つときちんと認識されるようです。許諾番号事態をアプリがどこまで認識しているかは不明ですが、これでタイカイサポートを利用した場合はガイドラインで認められていない「虚偽の許諾番号を記載する」ということはできなくなっていると言えると思います

最後に

今後の更新

イカ研究所の極秘レポートを信用するのであれば次は年明け1月に更新が入る見込みのようです。それ以降対応についても発表されています。
ゲーム本編より対応サイクル短いけど大丈夫そ?
予告されている次の更新内容では大きな目玉と言えるような変更は無いように感じますが、少なくともここまでは期待と予想を(比較的いい意味で)超えてきてくれているので。サイレントでダブルエリミネーションに対応したりしないかなと個人的には期待しています

まとめ

タイカイサポートは正式リリース版をもってさらに機能が充実してくれました。先行版からの改良もいくつも見られますが、やはり運営手法がしっかり固まっている大会運営ではコストの大きさこそあれ独自のやり方でそのまま運営した方がやりやすいという点があるように思います。
これについてはどちらがどうという話ではなく本機能は一般的な大会を開催する上でのテンプレートをローコストで実装、運用できるという点が既に大きなメリットがあるのでコミュニティに対する貢献度は非常に高いものだと感じます。本当にイカ研とはてなには頭が下がる思いです。ありがとうございます。

新たな運営者の芽を芽吹かせる可能性をこの機能は十分に持っています。
何より参加者目線では非常に楽な点が多いのが魅力のひとつです
もちろん利用にあたってはきちんとガイドラインを読んで守ることがなにより重要ですが、この記事を読んで大会運営に興味が出た方は(まずガイドラインを熟読の上)タイカイサポートを使ってみてください。
その先にはプレイヤーとはまったくことなる楽しさが待っています。

結びに検証の時に「決勝で棄権したらどうなるの?」を試したくなってやった結果ついた不名誉な戦績をお見せして笑いを取って終わっておきます(笑えるか?

棄権を選んだ瞬間相手は優勝になりました。不戦優勝と不戦準優勝…

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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