見出し画像

タイカイサポート利用のすすめ(主催者向け/先行.Ver仕様)


はじめに

この記事は2023年11月16日にリリースされたアプリ『Nintendo Switch Online』内の『Splatoon3』用ゲーム連携サービスの機能である「タイカイサポート」について、実際に触れてみた結果を「大会主催者」目線で知っておくといい知識や、実際に大会に参加する際に意識しておくと良いことを書かせてもらっています。
なお、先行リリース版に関するものなので、内容についてはその点をご認識の上でお読みいただくようお願いいたします
大会参加者目線での記事はこちらにありますのでそちらもよければご確認ください

ちなみに全部読む暇がないほど忙しいよって方は『忙しい方のためのまとめ』をこの下に置いておくのでそれだけでも目を通してください

忙しい方のためのまとめ

※最低でも太文字部分を読めばわかる(多分)
1.「タイカイサポート」はひとまず今後に期待できる仕上がり!先行リリースでも十分な機能や配慮がなされています。しかしながら既に一定の運営手法を構築している運営さんにはかゆいところに手が届かない状態と言えるかもしれません

2.大会のエントリーはURL発行によってほぼ自動化!参加者側でも招待URLを作成できるためエントリーの手間はとても省力化されました。
加えてメンバー変更も参加者側で対応可能かつ、主催者側でも履歴を確認できるという新設設計です。

3.対戦表は自動作成!かつ任意で編集も可能!対戦表は公開するまでは編集可能で公開時に参加者に通知が届きます。公開後は編集ができませんのでその点だけ注意!

4.参加者のメンバー(プレイヤー)名はゲーム内の名前!そのため連絡用にDiscord鯖やX(Twitter)アカウントなどでやりとりをする場合は他サービスとの名前の紐づけをやっておく必要がある。逆にやっておかないと大混乱になる可能性があるので大会規定などに組み込むことを検討すべきかも

5.勝敗報告については運営側で編集と確定が可能!ただしできるのは1回だけなので問い合わせ対応などで勝敗が変動する可能性がある場合は十分に確認をした上で実施することを心掛けた方がいいと思います

6.ラウンド進行状況はは対戦表上で目視可能!(ラウンド=1回戦、2回戦などのこと)同一ラウンド上は自動進行ですが1回戦→2回戦のようにラウンドが次に移行する時はすべての対戦結果が確定している上で主催者側で次をはじめる(進める)手続きが必要となります

もう少し詳しく

1.率直な感想

「先行リリース版でここまでやってくれてるんだ!」という一定の感動がありました。厳しい目で見ていけば色々と物足りない要素も見つかるものの、きちんとコミュニティを意識と配慮した作りにおおむねなっていたように感じます。開発元のはてなの人絶対どっかの大会とかにこっそり参加してたでしょ。あるいはしれっと運営のお手伝いしてませんでした?
イカ研(任天堂側)からしても「これを使って欲しい」というメッセージが込められたものであるように個人的には感じています。「以前の大会設定をコピーする」機能があるなど、公式サイドがコミュニティを見てくれていると思える作りなのは嬉しいですね
あと、ある運営者さんも言われていましたがこれによって「自分の開催する大会名がSplatoonのフォントで表示される」というのは運営側ならではの感動ではないかと思います。私も思わず「おお…」と感慨深く感じました。

2.実際に利用する上で

まずは当然ながらですが「ガイドライン」を遵守していることかと思います。おそらく今後は「タイカイサポートで大会を作る」→「告知や募集ページなどを作る」→「開催を告知、参加者を募る」ような流れになると思うので大会を作ろうとした時点で改めてガイドラインを意識する必要があります。タイカイサポートのUIでも大会を作ろうとした際にまずそれを促す画面が表示されます。
次に、現状ではまだ「既に安定して運営できるシステムを構築している大会には逆に足かせになってしまう」点があることです。例えばルールの設定は大会作成時には特定の1つしか指定できないことや、エントリーがタイカイサポートで完結する都合参加者のアカウントが他の連絡媒体と紐づけづらいなど正式リリース版で解決する可能性があるものもありますが、場合によっては「タイカイサポート用にこれまでの手法を見直す(あるいは曲げる)」もしくは「これに頼らない運営方法を継続(構築)する」必要が出てくるようにも思います
一方で「これから大会を初めてやってみたい」という方にはとても優しい仕様になっているとも言えます。

3.運用上で気を付けること

個人的な意見ではありますが「大会用のDiscordサーバー」は別途用意しておいた方がいいと思います。というのもアプリ内にバトルに問題があった時に参加者側には「主催者に連絡する」という機能があるのですが、この機能は現状「問題があったこと」「どんな問題かのざっくりした概要」しか連携できません。よって主催者が判断を下すためには詳細をヒアリングする必要が出てくるのでそのためのコミュニケーションスペースとして鯖があった方が良さそうです。
なおもいうなら大会規定に「それぞれのケースの場合の対応方法や連絡経路を記載する」ことをしておくと安心と言えるように思います
次に「エントリーされたプレイヤー名はゲーム内の名前である」ことについては念頭に置いたうえで他の連絡用アカウントなどとの紐づけを行っておいた方がいいでしょう。
例えば事前にDsicord上でチーム名を連絡してもらうようにしておくとか、協力が得られるならそのサーバー内ではわかりやすいようにニックネームを変えてもらうということもありだとおもいます(ニックネームの変え方はこちらの「ニックネームの変え方」を参考)
それぞれのアカウントで名前が違うということはよくある話なので、連絡を取る際にこのあたりが混乱を招くもとにならないように事前準備をしておいた方が良さそうです
また、現状ではルールは全体を通して固定かつシングルエリミネーションのみしか開催できないことは知っておくべき事項です。
(※超労力をかければ実現できなくはないです。詳しく聞きたい方は別途聞いてください)

4.募集で気をつけること

まずは期間設定です。募集期間については一度終了を過ぎてしまうと引き延ばせません。逆にいうとそれまでは変更が可能です。申請期限を延長する場合は事前に設定した期限を迎える前に行いましょう。
そしてろれに関連しますがメンバーがそろっていないエントリーは自動的にキャンセルされるという機能が備わっています。つまり4対4のルールで募集とかけた場合に参加者が4人すべて大会にエントリーしないと正式に参加は確定しないということです。公式のオンライン予選などでもエントリー周りについてはトラブルがありましたが、これはタイカイサポート上でも十分類似の事例が発生する可能性が考えられます。
エントリー済みのチームがきちんと規定数メンバーそろっている状態かは運営側でチェックやリマインドしてあげる方がいいかもしれません
ちなみにキャンセルが出た場合、キャンセル待ちのチームがいれば自動で繰り上がりますがこれも揃ってなければキャンセルのキャンセルが起きると思われます。
ちなみに募集期間終了後にエントリーしたチームを失格措置にすることができますが、失格措置を受けたプレイヤーは同大会においては別のチームにも参加することができないという仕様になりますので失格機能の利用については注意が必要です(まぁそんなトリッキーが動きする参加者普通いないと思いますけど)
あとメンバーの変更自体は募集期間終了後にも可能なので変更があった場合は連絡を受けて履歴を確認するなどの仕組みはあった方がいいかもしれません

5.進行で気をつけること

まずは「勝敗報告をきちんとおこなってもらう」という点です。設定した勝利数をどちらかが収め、部屋から抜けたとしても勝敗報告が上がってくるまでは部屋は残りますし、対戦表情の結果も確定しません。特に負けたチーム側はそれを忘れやすいと思いますのでその点きちんと周知しておく必要があると思います。
ちなみに「運営側で結果を編集(確定)する」という権限もありますが、これは「共同主催者も含む主催者全体で各対戦について1回のみ」行使できる権限になるので、報告がこないからとバンバン権限を行使して進めようとすると実はトラブルが起こってて再戦する必要があり結果が変わったなんて時に進行にめちゃくちゃ支障が出ます
なので基本的には参加者にきちんと勝敗報告をあげてもらうことかつ、なにかあって権限を行使する必要がある場合は十分状況を整理、決着つけた上で行使するということを意識した方がいいと思います。
あと「使い方」の表現がややわかりづらくしていますが、「自動進行ラウンド」というのは1回戦、2回戦などの各段階をそう呼んでいるため例えば「1回戦が終わったら2回戦の進行が自動で開始される」というものではありません。おそらく結果などの報告から進捗状況が更新されていくためこれをそう表現しているのだと思いますが「1回戦から2回戦へなどラウンドが進行させるときは主催者が『n回戦を開始する』を実行」する必要があります。
そしてもう一点、主催者や共催者(スタッフなど)は対戦表から任意の試合を観戦することができますが観戦する場合は観戦者もアプリでチェックインしないとバトルが始まらないので注意しましょう。ちなみに「親として観戦する」とした場合は部屋のルールを変更できるためそこも注意点です。

ちなみに現状ではフレンドであれば参加者でなくても作成された部屋に合流できてしまうという問題があります。悪意を持って利用すれば事前エントリー以外の参加者を替え玉として投入できるというものです。
おそらくこれは正式版の際にパスワード機能がつくなどすると思われますが考えようによっては有効活用できると思うので知っておいて損はないと思います。

あとチェックインやバトルの進行も含めて時間がかかっている場合はその通知がアプリ上でポップアップされるのでここは便利です。

長引いている場合の表示、地味に助かる


そもそもタイカイサポートはブラウザでも見れるというありがたい配慮があるので主催者側でこちらを開いて進行状況を把握するのもいいでしょう。ただし操作性についてはスマホ上の方が現状操作しやすい気もします(悪くはないんですが微妙に操作感に戸惑います)

6.問題への対応について

参加者は「主催者に連絡する」機能から問題発生時に問い合わせ送ることができます。ただし、この機能はあきらかにまだ最低限の機能であるか他コミュニケーションアプリとの併用を意図しているものです。
というのも、この機能には「ざっくりした内容の4項目(厳密には5項目)しか選択肢がない」からです。詳細を把握しようとすると別媒体でやりとりをする必要が絶対的に発生します。
そして参加者側に勘違いさせがちですがこの機能は「主催者に問題が起こったことを申告する」のみであるため、詳細は別途連絡する必要があることを意識させきれない作りになっています。
そのため大会の規約を作る際には本機能を利用した連絡と別媒体での詳細報告を盛り込んでおいたほういいと思います。ここに関しては明らかに「タイカイサポート」上だけではなんともなりません。


参加者側の連絡機能画面。もうちょい充実して欲しいが…

最後に

細かく書き出すと不満や改善して欲しい点はあるのですが、先行リリース版でこれだけやってくれていることとこれが公式から提供されているという点を見ても「タイカイサポート」はめちゃめちゃ有能な機能です。
個人的にはさっさとめちゃつよ正式版がリリースされて「あかつきさんの記事の内容もう古すぎて使えねー」ぐらいになってくれればと思います。正式版がリリースが非常に待ち遠しいです。
リーグ機能やダブルエリミネーション、予選リーグで決勝トーナメントにも対応してくれると聞いています。かゆいところに手が届くになってくれることを期待しています。
強いていうなら
・勝敗報告は勝者のみでOKに設定できる
・試合結果の編集を無制限にするか、回数を増やす、あるいは共催者と主催者でそれぞれ行使できるようにする
・大会用のユーザー名をアプリ上で設定できるようにして、マッチ参加時に自動的にセットされる
なんてものを追加してくれたら感謝の正拳突きを1万回するか、任天堂様とはてな様のある方角に1日3回祈りをささげるめちゃめちゃありがたいです。頼む、読んでる人!この記事を拡散して開発元に届けてくれ!

「タイカイサポート」はコミュニティの盛り上がりを後押しする私は感じました。今まで興味があったけど大変そうだから無理かもというプレイヤーさんにも大きくハードルを下げるものとなったのではないでしょうか?
個人的には様々な方様々なアイディアを出して色んな大会が現れることを歓迎したと思います。もちろんそれは色んな問題を起こす可能性もありますが、運営を経験することで今いる著名な大会の運営者の方々がどれだけ頑張って大会を開催してくれているかを知る人が増えると思うからです。それは引いてはコミュニティ自体の成熟にもつながると思います。
乱立するのはよくないとも思いますが、なり手がいなくて負担がどんどん偏ってくよりはずっといいです。
ですがもちろん「ガイドラインを遵守して行う」ことが大前提です。先日の参加者向けの記事やガイドラインの説明記事と合わせて、この記事がまだ見ぬ新進気鋭の主催者を生み出す一助になれば幸いです。

※本記事について質問や誤りの指摘などあればX(Twitter)の方にご連絡ください。運営に関するご相談も可能な範囲で対応させていただきます


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?