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【スプラトゥーン3】「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で済ませていいことではない【ガイドライン話】

序章

任天堂が出した「ゲーム大会における任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」が発効を迎えてから3か月が経過した。
皮肉にも私という人が色んな方の目に留めていただけるようになったのはこれに触れた記事をいくつか公開してからだったと認識している。

例えばこれや

こちらの記事などが該当するものだ

特に後者の記事に関しては非常に反響が大きく色んな方の反応を目にさせていただくことになった。前者についても大会運営をされている方から見解を問われたりとご相談をいただくこともあった。

じゃあ、「ガイドラインネタで名前が売れてよかったね」で終わっていい話なのかというとまったくもってそういうことではない
ハッキリことわっておくと現在の自分の状況はあくまで副産物に過ぎない。
こうなることを狙ったわけでも望んだわけでもない。というか誤解を恐れずにいうなら「全然目的には届いていないし、今の反響の程度では明らかに足りていない」とまで言ってもいいのだが、そこらへんは今回書きたい本質から脱線するので割愛する。

じゃあなんで今またこのテーマを掘り起こしてきたのかと言えば「そろそろ認識が甘くなり始める」ころだと思うからだ。
タイカイサポートがリリースされて以降情報収集不可能な内内のものまで含めて「コミュニティ大会」と定義できるものはおそらく爆発的に増えていると思う。
タイカイサポートは便利なもので、大会運営を単純にやるだけならものすごい恩恵を受けることができる。その一方で「便利」であることばかりが独り歩きし過ぎていて、「なぜ」これが作られるに至ったのかについてはもはや頭の片隅から消えている人もいるのじゃないだろうか?
いや、むしろ断言するが。絶対いる。既に「あぁそういえばガイドラインなんてものあったね。懐かしいね」ぐらいの認識に薄まっている人が大半だろう。あるいは「タイカイサポートって便利なんだね。で、ガイドラインって何?」ってなっている人すらいそうだ。人は自分に都合のいいように認知を改ざんしがちな生き物だ。私だってそうだ。だから改めて触れることにしている。「何一つ終わってもいないし、なんなら目下地獄行きの列車に道連れにされかない状況が続いてるぞ」とじゃあその列車を走らせてしまったのは誰なのか?任天堂?イカ研?いや違う。紛れもなく我々ユーザー側だ

よくよく考えれば前例は既にあった

とはいえ恥ずかしながら私自身も「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を既に起こしていたことをこの記事を書く前に思い出した。
この記事を読んでいる人は覚えていただだろうか。昨年の5月、そして9月に任天堂が発信した以下のツイートがちょっとした騒動と変化をコミュニティにもたらしていたことを。

これ自体は結論から言うと任天堂からの措置が実際にあったわけではない。
しかし自主的にいくつかの当時有能とされたアプリが開発を止め、配信を取り下げるという事態になった。
あの時アプリを利用していた多くのユーザーが任天堂側の対応を批判したように思う。実際当時流通していたアプリには本家よりも優秀と評されるアプリがいくつもあったからだ。(実際にそうなのかはここではさておき)
ここで注目してもらいたいのはそれらの流通していたアプリに悪質な行為を働いているものがあったのかどうかということではない。
不正なアクセスがあった、なかったについてはさておきこれまで不問とされていたことに対して、公式が見解を示し、最終的には措置をとることを表明したという流れ、コミュニティ大会が今置かれている状況に似通ったものを感じませんか?
この流れの結果、これまで存在していたアプリたちがどうなっていたかは現在のストアを見ていただければわかる通りです。

アプリは開発者達が自発的に引き下げました。実際に問題が顕在化する前にです。おそらく実質的には問題を抱えてないアプリはいくらかあったのでしょう。とはいえ「どこまでが不正かどこまでがセキュリティ的に許容されないもののか」を開発者目線で考えた時にどう進退をとるかを考えた末の結果だったのでしょう。つまり結果として問題があるものもないものも一掃されたことになります。

そうではない面もあることは理解しつつも、あえてこう表現します。
現状のままであればコミュニティ大会についても同じような末路。つまりコミュニティ大会の開催自体がされなくなる。あるいはできなくなる。そういう結果が待っている可能性があると私は考えています。
そうですね、最も効果的な手段をイカ研、あるいは任天堂がとるとしたら「プライベートマッチ自体の閉鎖」でしょうか。システム的には実現できなくもないと思います。

守るべき指針は正しく示されている

前述のアプリの件とコミュニティ大会の件で明確に異なる点があるとすれば、コミュニティ大会の開催についてはきちんと「指針」が提示されていることと言える。そう、ガイドラインのことだ。
ガイドラインに関してはわかりにくいとか、書き方があいまいだとか、ネガティブともとれる感想が公開当時から散見されている。これはある意味事実だし、そうでもないと言える。
そう言われる理由の一つは「その感想を抱いた人がちゃんと読んでいないからだろう」そしてもう一つは「その感想を抱いた人がちゃんと読んだからだろう」どういう意味かわからないかもしれないが、こういった指針や規約や法律といったものはちゃんと読まないとある程度までは理解できないし、逆にちゃんと読むとそれを適切に理解しようとするのにはわかり難くもしくは言葉の足りない表現で書かれているということだ。

私は職業柄たまに規則、規定、法令、法律を目にする機会がある(一応断っておくと法の専門家ではない。あくまで業務上読む機会触れる機会があるという話だ)のだが、今回のガイドラインもそれに似た性質を感じる部分があるように思う。
それはなぜかというと明言しない余白を残しておくことで、これを制定する側にも守る側にも多少の自由や裁量を与えるためだと思う。
そして難解であるのはある意味では篩(ふるい)にかけるためだと思っている。ちゃんと読んでいれば(個々で検討が思案が必要な余地が残るにしても)最低限遵守しなければまずい内容についてはわかるように書かれている。
一見してわからないというのは自然なことで、本来こういったものは必要に応じて何度も読み返すぐらいでちょうどよいぐらいのものだと思う。
それでいて先に書いたように一度ちゃんと読んでいれば最低限遵守しなければまずい内容はわかるようになっている。
逆に言うと一度上から下までちゃんと読んでおいてそのポイントが抑えきれなかった人は少し自身の読解力を疑った方がいいかもしれない。
よければ冒頭に示した私の記事を再読いただければ幸いだ。手前味噌なことは重々承知しているが必要なことはある程度説明できていると思う。

さすがに量が量なので、任天堂側だって一度読んですべてを理解してもらえるとは思っていないと思う。だからこそ都度読み返して自分のやろうとしている企画が問題ないかを照らし合わせるべきなのだ。
少なくとも私は自分の企画を立てる際には常にそうしている。読み合わせた上で企画をボツにした場合もある。
読んでもよくわからないから適当にやりました。もしくは読んでません。守ってませんという大会主催者は申し訳ないが「自分はバカです」あるいは「ルールを守らない無法モノです」と自己申告しているのと変わらないと思う。
ガイドラインは誰でもいつでも読める形で正しく提示されているのだから、読めばいいし、理解できなければ人に聞けばいいし調べればいい。
それを怠るのは怠慢と言われても仕方がないと個人的には思う。

じゃあなぜこれまでは特に締め付けが無かったのに急にこんなものができたのか、それは無法地帯や無関係を公式側が貫いていたことをいいことにいくつかのゲーム大会(この場合はスプラに限らない話だが)で目にあまる内容もしくは問題が実際に起こっていたからだと思う。
それでも即座に「開催は全面的にダメ」という判断を任天堂がとらなかったのはコミュニティが側の善性をまだ信じているからだと思う。
その点で言えばガイドラインとは指針でもある一方で警告の第一段階でもある。
これがあまりにもないがしろにされるのであれば、さらに厳しい対応や強い態度を任天堂はとることになる。そしてそれはスプラトゥーン3の今の環境だけではなく(仮に4が出たと仮定して)今後にも確実に響くことになる。
まさに今我々はまだ信じてもらっている許されている状態と言えるんじゃないだろうか。だからこそ個人的に知る範囲では明らかにガイドライン的にまずいと思われる大会でも中止を言い渡されたという話を3か月経っても一度も聞かないのじゃないかと思う。任天堂がサボっているだけじゃないと思いたい

改めて言わせていただく、今の内にちゃんとやろう。ちゃんと守ろう

主催者だけの話ではない(と思う)

ここまで書いておいて結構誤解されているように思うので触れるが、個人的には「主催する人だけがきちんと守ってればよくて参加する側のプレイヤーには関係ないよね」と思っている人が多いと思う。

これも明確に否定するが、そうではないと私は考えている。

まず、単純にガイドラインを守らない大会が今後も開催され続けることはコミュニティの首を絞めていく結果につながりかねない。冷静に考えて欲しいのだがルールが守られなかった場合、そのルールが守られないからという理由で撤回されることはない。守られないのなら守らせるためにルールが厳しくなるか、守られないならそもそも禁止にされるという対応になるからだ。

問題はそのどちらの対応が取られても、今頑張って大会を開催してくれている人たちは苦しくなるということだ。大会運営はほぼすべて例外なく無償のボランティア活動のようなものだ。やりづらくなれば開催しないという結果に流れていく
ガイドラインに則していない大会に出場し、開催させてしまうことは廻り巡って優良な大会をつぶすことになりかねないということをどうか頭の片隅にでも記憶して欲しい。

そうならないためにもできれば大会主催なんてしないしなという人にもガイドラインに触れる機会を作って欲しい。
何度も宣伝みたいで申し訳ないがきちんと読める自身がないのなら私の書いた記事でも構わない。知識を持っておくことは必要だと思う。

もう一つ、ガイドラインにあるとある記載を見て欲しい。以下だ。

これは飛躍した考えの可能性もあるが、気になったのは「出場者になる場合もガイドラインの対象になる」という表現である。
このガイドライン自体は基本的には「大会を主催する方」に向けたもので出場者側を対象にした記載はほぼほぼ見られない。
なのにこのQAでは出場者側も対象になるという記載がされている。
つまりガイドラインについては出場者側も守られていることをきちんと意識する必要があるのでは?と考えている。法人、団体に関するQAの何気ない記載ではあるがガイドラインは主催者だけの責任ではないということかもしれないのでこれも頭の片隅に置いてもらいたい。

私刑になっては意味がないが自警は必要だと思う

この記事を書いた理由はガイドラインの存在を改めて意識してもらうこととそれを風化させないことだ。
今後もできれば何かの折に触れていきたいと思っている。
何よりきちんとした対応をとっている運営の方々はこれを守って開催することの苦労を既に感じさせない形で創意工夫をされている。
その陰には無償の熱意と努力が隠されていることをどうか忘れないでいただきたい。その人たちがいるから今の大会シーンの盛り上がりがある。

そして決して私刑になってはいけないということを前提とした上で、ガイドラインを守らない運営者の大会には参加しないという方針をとることをどうか考えてみて欲しい。
あえて悪しざまに言うが、ガイドラインを守らないくせにタイカイサポートの利便性だけ享受している輩も結構見かける。
なおも言うならいまだに賞金を出そうとしているような人すらいる。そういった人ほど無邪気に悪意なくやっていたりする。ガイドラインが軽んじられている証拠だと思う。

そういった大会を見かけた時、もしくは身近な方がそういった企画を起こしていた時、どうか正しい知識を持ってそれを指摘してあげられるようになって欲しい。
誰だって自分の行動がコミュティにとどめを刺すことになるのは嫌なハズだ。「まさか自分なんかが」なんて開催する人は思うかもしれないが、「NO」が下されるきっかけがどこで訪れるかなんてこちら側にはわかりはしないのだ。たまたまガイドラインに違反した大会を開催していたらそれを任天堂が見つけて、悪い例のサンプルとして取り上げられてそれが廻って締め付けの厳しくなる要因になる。なんてことは十分ありえる。

怖い話だが、大会を開催する以上は任天堂側に把握される可能性、注意される可能性、それがコミュティの印象になり止めを刺す可能性、すべて存在している。

だからこそ出場するだけのプレイヤーであっても最低限の知識は有していて欲しい。そしてもし怪しい大会があれば勇気をもって声を上げて欲しい。
無碍な対応を取られても正しいのはあなただ。支持されるべきもあなただ。
直近の時事ネタで告発したことが不幸につながるような構造がフューチャーされることがあったが、少なくとも私は味方になる。なんなら声を上げるべきか迷った時、声をあげる勇気が持てないときは相談してきて欲しい。必ず力になります

最後に

ガイドラインにはこれからスプラトゥーンを使って大会を開催していく、参加していく、観戦していく上で切っても切れないものだ。
タイカイサポートだったそうだろう。大多数の運営者の方にはもうおいそれと切り離せない便利なものだ。
でもそうであるからこそ「喉元過ぎれば熱さを忘れる」なんてことにならないようにそれぞれがそれぞれにガイドラインに、大会に向き合っていただければと思う。

コミュティのために」なんて大それた思いまでもって望む必要はない。
せめてあなたのフォロワー、隣人、友人、大切な人が守るべきことを守れていなかったらそっと注意してあげられるくらいには知識を持っていて欲しい。それが結果的にコミュティのためになる。きっと自分のためにもなるはずだ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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