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【IWSEO 特別編】始まりは「下手の横好き」からでもいい。好きなものへの恩返し

はじめに

この記事は2023年の年末から2024年の1月にかけて行った企画「Inteview with Splatoon Event Organiser」(以下IWSEO)の過程で、ある方から「もう一本、私のために記事を書いてもらえませんか?」という提案を受けてお話を伺い、あかつきも「ぜひ書かせてください」と内容に共感を得たことで誕生することになったIWSEOの特別編となります。
IWSEO本編の方は以下のマガジンからバックナンバーをご覧いただけます。様々な大会主催・運営者の皆様の思いにも是非目を通していただければ幸いです。

さて、今回素敵な提案をいただいたのは事前に少し明かしてもいましたが#14でご協力いただいた「オレがAce」(以下Ace氏)さんです。
少し話はそれますが、拙作で以前以下のような記事を書かせていただきました。

まったくの偶然ですが、自分の中で今回Ace氏から伺った話の中には自分の考え方に通じるものがあるなと思い、先にも書いたように共感して書かせていただくことにしました。

オレがAce氏について

※画像は本人提供

・『Splatoon』(無印)から続く歴史ある大会「エリア杯」(現在の名称はAREA CUP)の現代表
・代表になる以前にはYoutubeへのSplatoon関連の動画投稿なども行っており、登録者数は6000オーバー
・大会の配信や観戦カメラ、時に実況などもマルチにこなす

以下、インタビューの本編となります

—―今回はユニークな提案をありがとうございました。どういった形でお話をすすめていきましょうか?

そうですね。まずは自分の略歴みたいなものから話をさせていただこうかなと思います。
私が今の大会運営の活動に力を入れるようになったのは、元々はスプラのプレイヤーとして一流になりなかったのですが、挫折を味わったのがきっかけなんですね。

—―ちょっと驚きました。Ace氏は年齢的にはまだお若い(インタビュー当時22歳)ですよね。なんなら、世代で言えば他のバリバリやっているトッププレイヤーに近い年齢層だと思います。そんな方から「挫折」というワードがでてくるとは…Splatoonは無印からやられていたのですか?

はい、始めたのはSplatoon1(無印)からでしたが、本格的にハマり込んだのは「2」で発売されてからです。当時は本当に朝まで遊んでは学校で寝るような生活を送るくらいでした(笑)
当時のSTPやエリア杯を見て、プロゲーマーになることに憧れてプレイしていました

STP…SplatoonTopPlayersの略、ドラフト杯などの企画、運営などで知られる。主催は本サービス(note)を提供されるnote株式会社でゲームディレクターを務められている須山 奏

(やり込んでいくほどに)周りのレベルの高さに悩みを抱えることが増えていきました。

—―あぁ逆に近い世代に今も実力を発揮されているような猛者が多かったからこそ、その差を嫌でも痛感すると……

最終的に(プロを目指すために)覚悟を決め、学校を辞めてアルバイトをしながら頑張っていましたが、結果として自分は「下手の横好き」に過ぎなかったと思い知ることになりました。

—―そこまでの覚悟で挑んだにも関わらず、それが身を結ばなかったという事実とその時の心境は察するに余り有るものですね……

それでも自分はなんらかの形でプロ(チーム/シーン)に関わりたいと思っていたので、次の手段としてチームを作って、それをプロデュースする形でそのチームをプロに押し上げてそこに自分も併せて売り込んでいく方法を模索しました。

—―すごいエネルギーだ……!

Splatoonというゲームのe-sportsとしての競技性を評価してもらうには大分苦労しました。それでも(その苦労が身を結んで)とあるプロチームのマネージャー拾っていただき、プロに関わる現場に身を置くことができました。

—―あのチームですね

はい。そうです
編集注:気になる方は氏の過去のポストなどをご参照ください

実際にマネージャーとして業務あたるようになって痛感したのは業界での(Splatoonの競技シーンに対する)認知度や評価の低さでした。
「大会なんてあったんだ」という言葉を聞いたこともあります。Splatoon以外に関わることを提案されたこともありました。
でもそういう現状を体感したからこそ、ならそれが正当に評価されるような界隈にしたいという思いを持つようになりました。
自分はプレイヤーとしては一角の存在にはなれず、コミュニティを沸かせるような貢献はできませんでしたが、大会主催者としてならコミュニティに貢献できるのではないかと思いそれを証明しようという新たな目標ができました。
そこから個人主催で大会を行っていたら、当時のエリア杯の主催の方にお声掛けいただいてエリア杯のスタッフになり…といった経緯で今の立場に至っています。

—―「挫折」というワードが序盤に出てきたのでこう表現するのは不適切かもしれないですが、ある種のサクセスストーリーというか、ご自身の熱意によって引き寄せ……いや手繰り寄せられたものを感じますね。

自分の好きな言葉に「道は好むところによって安し(易し)」(編集注:好きなものであれば自然に上手になれることを意味する諺)という言葉があるのですが(物事って)「好きなだけ」ではどうにもならない、何者にもなれないという壁を誰しも感じてしまうものだと思います。
でも仮にプレイヤーとしてトップレベルになることができなかったとしても、自分の居場所はそこだけとは限らないと思うんです。
だからこそ「好き」という気持ちを大事にして欲しい。ゲームが上手くなること以外にも目立つ方法はあるんです。大会をやってみたり、実況をやってみたり色んなことをやる中で(自分の中に)光るものが見つかる…なんてこともあるんじゃないかと思います。

—―成し遂げてきてことられたからこそ、重みのある言葉に思います。

そしてもし、これを読んでくださっている方がSplatoonというゲームが好きでだけどプレイヤーとしての腕は伸び悩んでいる……だけど好きだからなにかできたらと思っているならエリア杯の協力者として一緒に大会をやってみませんか?

自身や経験がなくても、このゲームが好き、もっと(Splatoonというゲーム)に対して貢献してみたいと思うならエリア杯はそんな人を歓迎します。
ぜひ、気軽に門を叩いてみてください。

—―このアイコンが目印になります。

オレがAceさんのXアカウント

—―最後になりますが、今のご自身について自分ではどう思われていますか?

大会運営や代表を務めさせていただきコミュニティを盛り上げていくことは自分の好きなものに対して『恩返し』できる。そういうものでもあると思っています。
それなら「やらなきゃ」という気持ちが自分の中にあるから続けられているんだと思います。

もし仮にプロになろうともがいていた頃の自分が今の自分を見たのなら
「いいところにいるじゃん」ってきっと思ってくれると思う

—―改めて今回は貴重なお話、そしてとても勇気をもらえるお話をありがとうございました。

(編集後記)
元のお話は1月の序盤にいただいていたにも関わらず、ここまで編集が遅くなってオレがAceさんにはお待たせしてしまい申し訳ございませんでしたというのがまず1つ。
それとは別で、先日(2024/1/20)に開催された「CANVAS CUP 1st.」はAREA CUPさんが主催される新イベントとしてこれからの盛り上がりを期待させる船出になっていたんじゃないかと思います。2月20日には第10回となる「AREA CUP 10th.」そして「CANVAS CUP 2nd.」も以下の日程で開催となるようです。
どちらも配信があると思いますので選手としても観戦としても楽しめると思います。大会運営に興味がわいたという人もそこから触れてみてはどうでしょうか。








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