暁の手記 その22

私がNCT127にハマったのは2020年の中頃だった。ちょうど『英雄』という曲でカムバック(平たく言えば音楽活動をすること)していたのを姉に見せられた。見せてもらった。
姉はどうしても私にこのグループにハマって欲しかったらしく、とんでもないことを言い始めた。
「あの子、宮ちゃん(Snow Manの宮舘涼太くんのこと)に似てるよね?!
そう言っておすすめされたのがメインボーカルであるドヨンくんだった。初期の感想といえば「別に似てはないけどかっこいいね、歌上手いし」である。その時私はビジュアルならダントツでドヨンくんが好きだったが、歌声は天下のトリプルメインボーカルの一人、テイルさんも好きだった。
こうして実は意外と構造が複雑なNCT界隈に入って今に至る。
関わってきて分かったことだが、ドヨンくんはとてもファンに誠実である。インスタ、bubble(一方的に近いがアーティストとやりとりができるアプリ)もめちゃくちゃ更新する。
しかしここで欠点が現れた。bubbleはいわばLINEのようなもの。ドヨンくんは日常のこともたくさん共有してくれた為、毎日通知が来るのに私が耐えられず、今はちょっとお休みしていた。
私は彼の繊細優美で芯のある歌声が大好きだ。色んな曲を聴いてきて、彼が必要じゃなかったことなんてなかった。トリプルボーカル(テイル、ドヨン、へチャン)は代打はできても誰一人かけてはならないことに私は今回のツアーで気付かされた。
先日、私は127のドームコンに行ってきた。でもそれには決定的な違いがあった。テイルさんが不在だったのだ。何故かというと、昨年仕事終わりでバイクで帰宅しようとしたところ横転し、大腿骨を折ってしまったのだ。NCTの全体コンにも出れず、127のツアーにも回れなかった彼はどれだけ悔しい思いをしているだろう。
テイルさんは音域がクソほど広いボーカリストである。高い音から低音まで完璧に余裕を持ってこなす姿がかっこよくて好きだ。
さて、この欠けたボーカルラインを支えたのは主にドヨンくん、へチャン、悠太くんだった。(一部の曲はマークなどが担当した)
ドヨンくんの張り上げはもの凄くよくて、へチャンでは高音が出過ぎて突き抜けてしまうから、テイルさんと同じように音域が広いドヨンくんでこその色んなフェイクやパートがあった。
正直、とてもプレッシャーだったと思う。あんな音大にサラッと受かってサラッと卒業しちゃう歌においてめちゃくちゃ優れている人の代打を務めるということはとても大変だったと思う。
ここ最近は色んなグループにハマって少し距離を置いていた。でもそれも雪解けてもいいのかもしれないと思った。
姉が聞きたいと言った曲まで耐えて倒れたこと、ずっと傍で支えてくれたこと。たくさん気遣ってくれたことは感謝しかない。
基本的に一人でコンサートに行けない人間なのでこうして根気強く付き合ってくれる姉の存在はかけがえのないものだと思う。
今回は色々あったけど楽しかった!!!ドヨンくん、またbubble、取ってみるね。
やっぱり、お月様と一緒に歌う貴方が一番すきなの。

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