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分身ロボットカフェDAWN ver,βについて

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当店について、OriHimeについての記事です。
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記事一覧

できない事は、価値になる。

「おまえ秘書なんだから珈琲いれてくれよ」「じゃあ、それができる身体作ってくれよ」「それもそうだな」 20代の頃を共に働き、毎日語り合っていた今は亡き寝たきりの親友とそんな冗談話をし、その冗談を現実にしようと親友の身体としてガレージで人サイズの分身ロボットを開発しはじめた事をきっかけに、寝たきりでも働ける「分身ロボットカフェ」は生まれた。  「あなたは何ができますか?」 我々はいつも問われてきた。 他の人にできることができないとき、 「できることが当たり前だ」「他の人は

寝たきりの親友と語り合っていた「寝たきりでも誰かと出会えて、誰かの為に仲間と働ける未来」

たとえ寝たきりでも誰かと出会えて、誰かの為に仲間と働ける未来を作ろう   寝たきりだった亡き親友、番田雄太とOriHimeでそんな話をした。 寝たきりで社会人経験もないのに無理だと呆れられ、夢だと言われ、それでもやりたいんだと動き続け、5年半。   2021年6月、たとえ寝たきりでも働ける「分身ロボットカフェ」常設実験店がオープンした。 分身ロボットOriHimeを自宅や病院からリモート操作して働き、新たな働き方、社会参加方法を研究する実験カフェだ。 OriHimeを遠隔操

本気を出すと疲れるが、疲れずに生きのびるくらいなら本気を出し切って燃え尽きたい。

つかれた 本気で、疲れた しかし、いい疲れだった 10月28日、私達の「分身ロボットカフェ」は、本年度の応募総数2,431点、ACC日本最大の広告賞「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 2020(ACC賞)」、クリエイティブ部門でグランプリ(最高賞)を頂いた。 「寝たきりの先へ行く」 私が寝たきりのALSの患者さん達と出会って7年、寝たきりや外出困難の多くの仲間らと共に目指していた夢のひとつだった「分身ロボットカフェ」のコンセプトだ。 寝たきりの仲間

閉店してから「行きたかった」、亡くなってから「会いたかった」という後悔の苦み

最近、友人や知人の中に店を畳む事になった人が何人かいる。 その一人から聞かされた、「閉店しました。これまでありがとうございました。」とSNSにあげたところ、一度も来てくれなかった人達から「えー行きたかったのに!」とコメントがあり、「あんなに来てほしいと言ってたのに・・・」と感情の叫びの書き込みをぐっと我慢したという話。 私も期間限定イベントを企画したり手伝う事があるが、何か月もかけて本気で準備して全力で宣伝してみんな来てくれー!と呼びかけていたのに、全てが終わってから言われ

今は亡き寝たきりの親友と語り合い、実現させてきた現実と目指し続ける未来

私には番田雄太という寝たきりの親友がいた。 人生で最も影響を受けた3人を挙げろと言われれば彼は入るだろうし、最も影響を与えた3人を挙げろと言われれば彼が入るだろう。 4歳の時に交通事故による頸髄損傷となり、首から下を動かす事ができず学校にもほとんど通う事ができなかった番田が、2013年の冬に顎を使ってPCを操作し、OriHimeの研究をしている私に1通のメッセージを送ってきたのが出会いだった。 この文章を全て顎を使って入力していた事を当時の私は信じられなかったが、それまで

ALSと出会って7年。ALS患者の皆とつくり上げてきた可能性のバトン

今や「ALS」という病気は多くの人が知るほど有名になった。 アイスバケツチャレンジも話題になったし、ドラマにもなったし、有名漫画でも取り上げられ、世界初のALSの寝たきりの国会議員も登場した。 だが、未だ原因もはっきりしていない不治の難病であり続けている。 解っている事は、呼吸器を装着しなければ診断を受けてから個人差はあるものの2年~5年ほどで呼吸ができなくなり死亡してしまう事、感覚や思考には何の影響もないまま身体の動きが眼球などの一部を除いてほぼ動かなくなってしまう事、年

テレワークにより失われがちな用事のないコミュニケーションの方が人として本質で、非合理的な冒険こそ人生を前向きにしてくれる話

いま世界的にテレワークが増えているしこの状態はしばらく続くと思うけど、テレワークの真の課題は仕事ができるかではなく、出会いと仲間意識、承認が生身の時と同じように得られるかどうかだ。 同僚が隣にいて、話に頷いて貰える事、微笑んでくれたり視線を送ってくれる僅かなリアクションがどれだけ重要な事か。一見無駄な身体性、雑談のコスパの良さを、そろそろ多くの人が解り始める頃だ。 偶然の出会いや、働く中で人に喜ばれている”実感”をリモートの中でどう実装するか。いまは亡き寝たきりの研究仲間

ALSと出会って5年。私がやった事とこれからやる事。

少し長くなるけど、聞いてもらいたくて書く事にした。 【 ALSという病気と出会って5年 】   日本に9500人いるALS患者のうち、7割の人は延命、すなわり呼吸器を装着せず消極的に自死に至る。その事を「尊厳を守る死」と呼ぶ。 「尊厳」というのはマズローの欲求5段階説でいうと上から2段目だ。 日本はたとえ寝たきりになっても在宅介護ができ、障害者年金などで生きる事の最低限は保障される。だが、ひきこもり時代の私が生きる気力を失いかけたように、医療と安全、衣食住が保証されただけで

2010年7月7日に"OriHime"というロボットが生まれて10年。10分で振り返る10年の軌跡

2010年6月22日、当時22歳の私は一人ひそかに作っていたロボットに名前を付けて世の中に出す事にした。 オリィという私の名前を少し入れ、遠く離れて会いたい人に会えない織姫と彦星の伝説から。 カテゴリ名は何にしようか。 テレプレゼンスにするか、アバターロボットにするか、アルターエゴ、コピーロボット、ゴースト、リモートetc… 色々悩んだが、横文字だらけの優しくない世の中、年齢関係なくわかりやすい名前にしようと。 2010年7月7日、命名 分身ロボット 「OriHime」

【東京・日本橋】メディアでも話題!見た目はロボット、中身は人間!?分身ロボットOriHimeが接客する『分身ロボットカフェDAWNver.β』の魅力を改めてご紹介!

note担当のあーりん&くどぅです! 当カフェでは連日、大変多くのインバウンドのお客様にご来店いただいております。そこで改めて、より多くの方々へ当店の魅力をお届けするため、10言語に対応した訪日観光者向けの日本の情報WEBマガジンである「MATCHA」へ記事を掲載いたしました。 当店をご紹介くださる際などにも、是非ご活用ください。 今回のnoteは、掲載記事の日本語verをご紹介いたします。 初めての方もご常連の方へも、当店の魅力を改めてお届けできればと思います! さまざ

【私たちはAIではありません】 DAWN公式note 始まります!

みなさんこんにちは。 当店をご存じの方、いつも応援ありがとうございます! 偶然こちらのnoteを見つけてくださった初めての方、はじめまして! はじめましての方へ、突然ですが… こちらのロボットはご存じですか? 実はただのAIロボットではなく、遠隔地から人が操作しているロボットなのです! 名前を分身ロボット『OriHime』と言います。 そんなOriHimeたちが働くカフェ、『分身ロボットカフェDAWN ver.β』(以下、DAWNと称します)が東京・日本橋に常設実験店とし