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エーリッヒ・フロム「悪について」

最後に、バイオフィリア(生への愛)の発達を促す重要な条件は、自由である。しかし政治的束縛「からの自由」だけでは条件としては不十分である。生への愛が発達するものであ るならば、何かを「するための」 自由が必要となる。 創造し建設するための自由。驚嘆し、思い切ったことをするための自由。そのような自由を得るには、個人が積極的に責任を持つこと、奴隷や機械の歯車にならないことが必要である。

まとめると、生への愛が特に発達する条件は次のようになる。 品位ある生活をおくるための基本的な物質的条件が脅かされないという意味での安全、誰もが他人の目的 のための手段になってはならないという意味での公正、各人が社会の活動的で責任の ある一員となる可能性を持つという意味での自由。  

最後の自由は特に重要だ。安全と 公正のある社会でも、個人の創造的で自主的な活動が思うようにできなければ、生への愛が育たない可能性はある。人が奴隷でないというだけでは十分ではない。社会的条件によって自動人形(オートマン)が増えるばかりなら、その結果は生への愛ではなく死への愛になってしまう。

わ〜い!😄