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【提案】TCH的まくら選び2 (りゆう編)

多くの方が悩むまくら選びについて、自分が考えてきた方法を提案しています。
今回は前回の話を膨らませていきますね。

前回のおさらい

まくらの選び方において、あご周りの窮屈↔︎リラックスの感覚を基準にする方法を提案。
その際の手順としては

1.あごに力が入る感覚を覚える
2.まくらによってあごの感覚が変わるのを感じる
3.理想の脱力を作れるまくらを選ぶ
4.そのまくらを最大生かす乗せ方の確認と訓練

といった段階を踏む必要があると考えた。

今回は睡眠時にあごがどの程度の脱力感であれば良いのか考察しようと思う。

口が自然に閉まってしまうようではダメ、後屈しすぎて苦しくてもダメ。
あごが自然にリラックスできる高さを見つけることが大事なのである。

パターンA:まくらが高く、頭が前屈する。

まくらが高い場合、頭が下を向くような姿勢になる(下図)

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この場合は頭部が前屈するため、あごが窮屈になり過筋張状態となる。同時に5つの筋群の法則により「あご・顔・舌・くび・かた」が不必要に筋張することになるので疲労がたまるパターンとなる。

※5つの筋群の法則
https://note.mu/datsuryoku1116/n/n7fc68361da78
※2 筋張:筋緊張のこと。(造語)

パターンB:まくらが低すぎて、頭が後屈する。

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この場合は脱力しやすいが、舌根沈下によって気道が圧迫され苦しい。
場合によっては後屈しないように前頸部が過筋張になるため、パターンAと同様に疲労の蓄積が生じる。

パターンC:ちょうど良い頭の角度。

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この状態であるとあごには適度なゆとりがあり、上下の歯の間には安静時空隙と呼ばれるスキマができる。
5つの筋群の法則は脱力に関しても同様なので、疲労が最小になると考えられる。

まとめ

頭の角度によって体の筋張感が誘発されたり、脱力しやすかったりする。まずはそれを体感してもらいたい。
そして、それが睡眠の質や睡眠時の疲労蓄積に関与している可能性は十分にある。

さらに細かい脱力状態の判定法などに関してはTCH的まくら選び3(じっせん編)TCHコントロールにまなぶ「脱力生活」を参考にしてください。

おまけ

とは言え、まくら選びというのは「違和感がない」を目指しているのであって、それにより「積極的に何かをよくする」ものではないのではない。寝具に過剰な期待をしすぎるのもなんか違う気がするなア。


「【提案】TCH的まくら選び2(りくつ編)」最終更新 2019.Feb.01
text by 斉藤ヒロユキ(Dentist)
illustration by Moe Itoh(小児科専門医)

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