見出し画像

【実録】あごが痛くなった話

脱力教室、齋藤です。
歯科大を卒業し、研修と同時に顎関節治療部に参加していたので自分のキャリアは=顎関節症治療歴だったわけです。
一方で、顎関節症やTCH(不必要に歯を合わせる癖)などの改善に夢中になれたのは…自分自身が患者の素養があったからかもしれません。
つまり、患者さんの訴えにも

「それ、分かる」

というものが多いということですね。
今回は人生で何度か陥った自らの顎関節症について(何回かある)話したいと思います。

起きたらあごが固まっていた。

ある朝。よく飲んだ翌日だったため頭がジーンと痛い。二日酔いの頭痛はアセトアルデヒドによるもの、とか脱水によるもの、とよく言いますが、明らかに緊張型頭痛の要素があり、側頭筋の耳の上あたりにある筋線維(↓写真の緑囲み)をコリっと触ると痛みの中心のような感じがするものなのです。

画像1

あくびをすると…

「あああ〜昨夜もだいぶやってしまったなあ」
と思いながらあくびをしようとすると、あごが硬直したような感覚と鈍痛を感じる。
顎関節症は動かすと痛みが強まり(生じ)戻すと治るという機能時痛という病態が典型的でなのです。

顎関節症Ⅱ型だ…

そう悟って、実は少し嬉しいような気持ちに。
顎関節症はリハビリ的に治すものなので、自分で治す体験ができるのである。幸いにも関節円板がズレて音が鳴るようなⅢ型の症状はないし、Ⅱ型でも靭帯を傷つけたようなジンジンする痛みはない。

おそらく相当の時間、飲酒後睡眠で増えるというクレンチング(食いしばり)や、うつぶせ寝であごを押し付けるように寝ていたのだろうと想像して見た。

診断はできたので、治してみよう。

早速、なるべく早く改善させてみよう、ということで立てたプランが↓

・消炎鎮痛薬を服用する。
・関節ポンプで血行を改善させる。
・大開口などの限界運動でストレッチ。
・ギュッハー。

の4本立てである。

消炎鎮痛薬はいわゆる痛み止めのこと。外来では日常的な服用を勧めていなかったが、実際に自分がなってみると頭痛や肩こりでついつい力が入ってしまうという感覚を覚えたので過緊張がさらなる過緊張を作らないようにポンタールという薬を服用することにした。

辛くない範囲であごや肩甲骨などの関節を動かし、関節ポンプの効果で血流の改善(主にうっ血)を行った。
この時点で可動範囲が広がり、固着した感じがだいぶ消えていた。

残っている痛みを無視して大開口させる。ギギギと軋みながら筋や靭帯が伸びていくような感覚を覚える。
繰り返していると、開口時の抵抗がなくなってきた。上下左右前後とあごを限界運動させると、前にアイーンと伸ばすときに筋のストレッチ感を感じたので繰り返す。
(逆にこの筋を過緊張させる動きをしていたのだと思う。)
終わるとあごがブラ〜ンとぶら下がった感じになった

これを症状を感じたり、過緊張しているように感じるたびに行い、最後にギュッと力を入れてふわぁ〜っと力を抜くようにした

結果発表!

症状の辛さは痛み止めが効いてきたこともあって昼には小さくなり、夕方から夜にはほとんど忘れていた。
翌朝はもういつも通りであった。

まとめ

その顎関節症は軽傷だったということもありますが、起きた時は

「あああ!これはヤバイ!まずい!」

と思うほどの症状だったので、いきなりこの症状が現れたら普通はビックリするでしょう。
今回はすぐに積極的に動かした事と、筋の過緊張を断ち切ったことは非常に有用だったはずなのです。
(普通は安静に…と言って真逆のことをしがち)

今回はそんな体験のお話でした。
うまく対処できていたと自分で自分を褒めたいです。

R2/12/9 H.Saito

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?