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【改訂版】寒空の下でも脱力はできるのか?その1

中から外へ

 暖房の効いた部屋をを出るとき、外が木枯らしだったら。廊下がひんやりしていたら。脱衣所からお風呂場が寒かったら。
想像してみて下さい、あのゾゾゾとくる寒さの感覚を。笑
その状況で筋緊張が生じないことなんてあると思いますか?

おそらく、筋緊張は不可避。

意思とは裏腹に立毛筋は収縮し、鳥肌を呈します。それは、熱が逃げないようにする仕組みだからです。
そして、カラダは丸く縮こまります。ガタガタと細かい振動は、失われた体温をつくりはじめます。無意識に合わせた歯がカチカチと音を立てていたりしますよね。

温度には逆らえない

ヒトは恒温動物なので、体温を維持しなければいけません。そのため筋の過緊張はやむを得ないのでしょう。

しかし、それで体調を崩してしまうわけにはいきませんよね。逆にどうすれば日常の緊張コントロールに生かせるのか?考えてみましょう。

1.過緊張したままにさせない。(対策)
2.逆に脱力に用いる。(活用)

1.過緊張させたままにさせない。

筋の過緊張がダメというわけではないのです。意味なく慢性的に続くことが問題になります。
筋が疲労し、力の受け皿となるような部位ダメージが蓄積することになります。縮こまる体勢が続くと、静脈は帰路を邪魔されるので「うっ血」し、いわゆる血流が運んでるものに関して供給減となってしまいます。(体温・O2&CO2・免疫細胞…etc)
慢性的な交感神経優位への偏りは末梢の血流の需要増と供給減を惹起して、その症状に拍車をかけることになります。
このように、長く続けば続くほどダメージが蓄積していきます。
なので、過緊張が続くことは好ましくないといえるわけです。気温や室温が寒い状態が続けば、筋の過緊張が続き、上記のスパイラルが生じてしまいます。そこで、3つの方法を提案してみたいとおもいます。

⑴部屋を温かくする、温かい場所に行く:そもそも環境を変える作戦です。家なら簡単だし、職場などでは周囲の協力を得なければいけません。
思い切った例としては、2月は寒くて調子が悪いという方に、有給休暇でのハワイ旅行を提案し、良い感想を得たことがありました。

⑵暖かい格好をする:これは皮膚にある温度感覚器に冷刺激を与えない作戦です。マフラーやタートルネックなどでよく首を冷刺激から守ります。
服や小物で調整できるので一番ラクかもしれません。
(日本生理学会のHP曰く、通常の体温維持システムと寒冷刺激などによりブルブルするシステムは別系統だそう。)

⑶運動する:自発的に熱を作るやり方。真冬のマラソンでも少し動いているうちにポカポカしてきた記憶は誰にでもあるはずです。
ただし、それなりの環境とやる気が必要なので、頑張れる方はどうぞと言った感じです。

⑴〜⑶どれも「そんなことか。」と思う内容だとは思いますが。大事なことは寒さを感じている時に過緊張に気付き、調整すること。能動的にコントロールし、繰り返すことは

気づき→行動変容→強化

という、行動変容法の基本的な流れを繰り返すことになります。さらに⑷があるとすれば、それがTCHコントロールで用いる瞬間脱力法を利用すると効果的です。
(こちらに関しては、現在準備中の「脱力生活マニュアル(仮)」に掲載します。)

「2.逆に脱力に用いる。(活用)」は次回に。

今回は、寒さで生まれる過筋張の問題点、そして、その対策に触れました。逆に温感を脱力技術に用いることもできると考えています。
その具体案に関しては次回「寒空の下でも、脱力はできるのか?その2」をお楽しみに。
https://note.mu/datsuryoku1116/n/nc5ab8f7b88bd

「寒空の下でも、脱力はできるのか?その1」 2019.Jan.22
最終更新2020/12/02
text by 斉藤ヒロユキ(Dentist)
illustrated by Moe Itoh(小児科専門医)

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