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蒸し問答 ととのうって実は難しい

近年のサウナブームで普段サウナに行かない人たちの口からも「ととのう」という言葉が聞こえてくるようになった。それと同時にサウナーであることを話すと「ととのうってどんな感じなんですか?」と聞かれることも増えた。

そもそも「ととのう」というのは言語化が難しいものである。

ある人は「マッサージのあとのふわぁっとした感じ」と言ったり、またある人は「頭がスッキリして思考がしやすくなる」と言っていたりする。かくいう自分も人に話をするときは「運動の後の心地よい疲労感」と言うようにしている。

「ととのう」という言葉を作ったとされるプロサウナー濡れ頭巾ちゃんは「ベストサウナ」という雑誌で次のように語っている。

サウナ入ってビール飲んでサガリ食べて…こんな幸せなことあるんでしょうか、みたいな話をしていて、この充足感や幸福感を表すには「キマった」とかそんな言葉じゃ全然足りない気がして。柔道の「一本!」みたいに、共通言語になるわかりやすい言葉があったほうがいいだろうということで「ととのった!」にしようと。

濡れ頭巾ちゃん ベストサウナ内インタビューにて

つまり本来「ととのう」という言葉は表現ができないような充足感や幸福感を表現するために用意された言葉ということだ。人によって「ととのう」の定義が統一されていないのは必然と言えるだろう。

これからサウナに挑戦しようとしている人がいるならば「ととのう」ということについては一旦意識しないことをおすすめする。大体最初の頃は自分のルーティンが定まっておらず、「これととのってるのか?」という状態になるはずだ。その疑心暗鬼な状態がサウナーにとっての最初の関門になる。

とりあえず「身体がポカポカして気持ちいい」くらいを続けていくといずれあなたにとっての「ととのう」に出会えるはずだ。


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