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強くなるためのカタンマガジン#14「コラム:1ターン後に負けるカタンについて真面目に検証してみた。[無料記事]

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先日こんなツイートを見かけました。

分かる〜めちゃくちゃ分かるぞこれ〜!wwwwと笑っていたのですが、ふとこれって結構難しいんじゃ?と思い始めました。印象的にはすごくあるあるなんですけどね。今回のコラムではこのトップ目と交渉してしまって3点取られてしまう現象はあり得るのかを検証してみました。真っ面目〜!

まずは状況の把握をしてみた

まず今回のストーリーで一体どんなことが起こっていて、どんな状況だったのかを想定・検討してみました。

まず今回のツイートされた画像には「1ターン後に負けるカタン」というテキストが添えてあります。つまり1ターン後(今回でいうBCD3名の手番が終了し、Aにターンが回ってきたタイミング)には7点だったAが3点獲得し、勝ったということです。A目線でこの1ターンでどんなことが起こったのでしょう。実際に考えてみました。

1、Bがダイスを振って資源が産出
2、Bと交渉(Bは都市化)
3、Cがダイスを振って資源が産出
4、Cと交渉(Cの行動は不明だが交渉の末加点行動をしたとする)
5、Dがダイスを振って資源が産出
6、Dと交渉(Cの行動は不明だが交渉の末加点行動をしたとする)
7、Aがダイスを振って資源が産出8、Aが加点行動し、10点勝利

こんな感じになります。更にAは7点でトップ目なので、他のプレイヤーは6点以下ということになります。話をわかりやすくするために「きっとこんな感じだっただろうな」と盤面を作成してみました。

スクリーンショット 2020-06-08 19.06.34

<4人のポイント状況>
A:7点
B:6点
C:5点
D:6点(伏せ1枚は1ポイント)

1ターンで3点取られるパターンを考える

最初に言っておきますのと、1ターンで3点プラスするのは結構難易度が高いです。加点のパターンとしては以下の4通りになります。

<1ターンで3点プラスするパターン>
1、都市化と開拓地とポイントカードを組み合わせる
2、道王にプラスして都市化・開拓地・ポイントカード
3、騎士王にプラスして都市化・開拓地・ポイントカード
4、道王と騎士王同時獲得

今回の盤面においては既にBが道を7本ひいており、道王の獲得は難しいです。また、騎士王は自分で持っているので1ターンで3点プラスするのはパターン1しかありません

また、1の「都市化と開拓地とポイントカードを組み合わせる」の中でもさらにパターンが限定されます。現在のAの建設状況では他プレイヤーと交渉したとしても開拓地は建てられても1軒と想定されるからです。

都市化と開拓地とポイントカードでプラス3点する
1、開拓地1点+都市化1点+ポイントカード1点
2、開拓地1点+都市化2点
3、開拓地1点+ポイントカード2点
4、都市2点+ポイントカード1点
5、都市1点+ポイントカード2点
6、都市化3点
7、ポイントカード3点

この7パターンですが、1ターンに2枚以上ポイントカードを引くのは難易度があまりにも高すぎるので省きます。すると残るは4パターンのみ。更にこれらを必要資材別に見ていきます。

1、開拓地1点+都市化1点+ポイントカード1点
→開拓地&道:木2枚、土2枚、麦1枚、羊1枚
都市化:鉄3枚、麦2枚
カード材:鉄1枚、麦1枚、羊1枚
合計:木2枚、土2枚、鉄4枚、麦4枚、羊2枚(計14枚)
2、開拓地1点+都市化2点
→開拓地&道:木2枚、土2枚、麦1枚、羊1枚
都市化2回:鉄6枚、麦4枚
合計:木2枚、土2枚、鉄6枚、麦5枚、羊1枚(計16枚)
4、都市2点+ポイントカード1点
→都市化2回:鉄6枚、麦4枚
カード材:鉄1枚、麦1枚、羊1枚
合計:鉄7枚、麦5枚、羊1枚(計13枚)
6、都市化3点
→都市化3回:鉄9枚、麦6枚
合計:鉄9枚、麦6枚(計15枚)

中でもポイントカード引きにかけた1、4はポイントカードが引けるかどうかは完全に運なので勝率も落ちます。なので今回は現実的な「2、開拓地1点+都市化2点」「6、都市化3点の2パターンを基本に考えていきます。

この2パターンの資材が手に入るのは現実的なのでしょうか?まずは交渉のことを考えないで条件が整うダイス目は存在するのかを考えてみます。最初に検証したA目線でこの1ターンでどんなことが起こったのかをもう一度見てみます。

1、Bがダイスを振って資源が産出
2、Bと交渉(Bは都市化)
3、Cがダイスを振って資源が産出
4、Cと交渉(Cの行動は不明だが交渉の末加点行動をしたとする)
5、Dがダイスを振って資源が産出
6、Dと交渉(Cの行動は不明だが交渉の末加点行動をしたとする)
7、Aがダイスを振って資源が産出8、Aが加点行動し、10点勝利

ダイスは計4回振られています。また、Aは既にターンを終えているので手の内には何もできない資材が残っていることとします。例えば「土、鉄」みたいな感じです。今回はこれを手札として話を進めます。加えて、先ほど検証した必要資源枚数を確認します。

2、開拓地1点+都市化2点
→開拓地&道:木2枚、土2枚、麦1枚、羊1枚
都市化2回:鉄6枚、麦4枚
合計:木2枚、土2枚、鉄6枚、麦5枚、羊1枚(計16枚)
6、都市化3点
→都市化3回:鉄9枚、麦6枚
合計:鉄9枚、麦6枚(計15枚)

ではもう一度今回想定している盤面をみてみましょう。

スクリーンショット 2020-06-08 19.06.34

4回振ったダイスがオレンジにかなり有利なように出たと想定します。例えば、8・8・8・5などです。この資源産出は「鉄6枚、麦2枚」です。最初に持っていると想定している素材を合わせると合計は「土1枚、鉄6枚、麦2枚」です。先ほどの想定した1ターンに3点取られる2パターンからこれらを差し引きで足りていない素材を確認します。

2、開拓地1点+都市化2点
木2枚、土2枚、鉄6枚、麦5枚、羊1枚ー土1枚、鉄6枚、麦2枚=残り必要枚数「木2枚、土1枚、麦3枚、羊1枚(計7枚)」
6、都市化3点
鉄9枚、麦6枚ー土1枚、鉄6枚、麦2枚=残り必要枚数「鉄3枚、麦4枚(計7枚)」

今想定しているパターンでは枚数が圧倒的に足りません。交渉すればいいじゃん!と思うかもしれませんが、交渉に出すための材料も必要なのでやはり足りません。また、これだけの内容の資源を出すくらいなら普通は自分で都市化したり開拓地を立てます。なので今想定しているパターンでは不可能なようです。

資源枚数が圧倒的に足りないことがわかりましたので、1ターンで3点獲得の中でも必要枚数が少ない運要素のある「ポイントカード1点引き」で考えてみましょう。

4、都市2点+ポイントカード1点
鉄7枚、麦5枚、羊1枚ー土1枚、鉄6枚、麦2枚=残り必要枚数「鉄1枚、麦3枚、羊1枚(残り5枚)」

運要素を絡めたこのパターンでもやはり足りません。

どうやら今回想定していた盤面では「都市化と開拓地とポイントカードでプラス3点する」では1ターンで3点取られて負けることはないようです。この事実から、今回はかなりイレギュラーなケースが起こったと考えることができます。

イレギュラーな3点の取られ方

1パターン目道王と騎士王同時獲得の可能性です。そうなると今回の想定している盤面ではありえませんので、もう少し違う盤面になります。また、中盤〜終盤にも関わらず誰も道王を取っていない状態だったということになります。

2パターン目3枚カードを引いて3枚ともポイントカードだった場合です。レア中のレアケースですが資源枚数9枚で獲得でき、これは十分ありえます。

3パターン目は7点と表現されているが、実は伏せカード1枚が存在したというパターンです。ただし、この伏せカードで有効なのは1ポイントか街道建設だけです。先ほど検討した時に足りなかった資源枚数はだいたい5枚〜7枚です。そのほかのカードではそれを補うことができないからです。

<伏せカードの中身について考える>
・騎士→効果ほぼなし
・ポイント→あと2点で勝ちとなる
・街道建設→開拓地を建てる場所を確保できる
・発見→開拓地や都市化に使用できるが、資源枚数は足りない
・独占→開拓地や都市化に使用できるが、先ほど想定したダイス目が出た場合には資源枚数は足りない

残った可能性はこの3パターンです。きっとこの3つのどれかが起こってしまったのでしょう。なかなかなレアケースです。

Cの発言「1位でもまだ7点だし」についての検証

これまでの検討から、今回の1位のあがりはかなりイレギュラーだったと思われます。ではCの発言してる「1位でもまだ7点だし」と考えて交渉に応じるのは本当に正しいのでしょうか?

結論から言いますと、やめたほうがいいです。というのも、今回はあくまでツイートにあった状況である「1ターンで3点を獲得すること」を前提としているのでイレギュラーなケースしかないね、という話になっていますが実際はそうではありません。次のターンがあります。1ターンはしのげても、2ターン目で負けてしまう可能性が高いでしょう。

まず、交渉というのは相手が加点するための行動です。自分が加点しないのに交渉するなんて人はいません。交渉では自分だけが美味しい思いをしている!と勘違いしてしまう人がいるのですが、相手も徳が必ずあると思ってください。トップ目との交渉することはトップ目を押し上げる行動であり、余計に自分が苦しくなってしまいます。先ほどのBCDの立場からみて、どう苦しくなるのかを考えてみましょう。

スクリーンショット 2020-06-08 19.06.34

<トップ目以外のプレイヤーの思考>
B(6点)
→メインの道王はもう獲得しているので盤面で4点獲得するのに時間がかかるので、できるだけゲームを長引かせる必要がある。
C(5点)→あと5点獲得するのに時間がかかる上、騎士王をAから奪いたいがカードを2枚引いた上で2枚めくる必要がある。
D(6点)→あと4点獲得するのに時間がかかる上、騎士王をAから奪いたいがカードを2枚引いた上で2枚めくる必要がある。

つまりゲームを長引かせなければいけないので、トップ目が10点にいたるまでの時間をできるだけ伸ばす必要があります。なので、トップ目との交渉は加点行動の加速行為であり、10点までの時間が短くなってしまうのでやるべきではないのです。ただ、トップ目がもし6点だった時は交渉するのはまあまあアリです。ちょっと10点まで余裕があるからですね。それでも率先してやるほどではないと思いますが…。

この3人はどうすべきだったか?

これまでの結果から、一体この3人はどうすればよかったのでしょうか。交渉はしないとして、それだけで勝てるのでしょうか。ここで重要なのが、ゲームを長引かせるという発想です。

例えば、騎士王ですがAが持っていると結構な確率で早いタイミングにAが勝ってしまいそうです。では今騎士を2枚めくっている最下位のCだとどうでしょうか?では実際にCに騎士王を取らせてみましょう。

スクリーンショット 2020-06-08 18.58.57

<騎士移動後4人のポイント状況>
A:5点
B:6点
C:7点
D:6点(伏せ1枚は1ポイント)

こうなります。同じ7点でも、こっちの方が少し安全です。というのもCの盤面のほうがAより弱いからです。Cが騎士獲得あと、AとDはもちろんその騎士を追いかけるためにカードを引いてきます。3人はカードの引き合いで時間が消耗され、結果としてBには時間の余裕ができます。ちなみにDに引かせてしまうと8点になってしまうので、これはあまり意味がありません。

このように自分が10点に行くまでにどんな風にゲームが進行すれば自分が有利に傾くか、これを考えて行動する必要があります。これは今取れる1点のことばかり考えていると見逃してしまいがちです。広く広くゲーム全体を捉え、考える力が必要となります。

まとめ

今回はツイッターで見かけた画像についてより具体的に細かく検証してみました。結構なレアケースだからやればいいじゃん!と思われるとちょっと悲しくなるんですがwまあでもだいたい2ターン目3ターン目で負けてしまいますので安易にトップ目とは交渉しないようにしましょう!

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