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IBCSの話

Introduction

この記事では、ビジネスコミュニケーションにおける可視化のガイドラインであるInternational Business Communication Standards(IBCS)について説明します。

IBCSとは

International Business Communication Standards(IBCS)は、ビジネスレポート、プレゼンテーション、ダッシュボードの設計と作成に関するガイドラインで、各種チャートの視覚的・知覚的デザインについての指針を提供します。
デザインの一貫性と明確さを通じて、情報の解釈と理解を容易にし、効率的な意思決定を支援します。ビジネスコミュニケーションの「質」を改善することで、全体的なパフォーマンスの向上を目指します。

理想的な情報デザインは、伝えたいメッセージが読み手に可能な限り最大限に伝わるかどうかで評価される("An ideal information design is judged on whether the message to be conveyed is actually conveyed to the recipient as well as possible.")

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IBCSの主要なルール

IBCSは「SUCCESS」と呼ばれる7つのルールによって構成されています。「SUCCESS」は各ルールの頭文字をとったもので、詳細は以下のとおりです。

  1. SAY:メッセージを伝える
    メッセージのないレポートはただのデータの集まりにすぎません。明確なテーマと、そのメッセージを裏付けるエビデンスが必要です。

  2. UNIFY:共通の表記方法を採用する
    同じ意味合いを持つアイテムは、同じデザインを採用するべきです。これは用語、記述、分析、ハイライトなど、すべてのコンテンツに適用されます。

  3. CONDENSE:情報密度を高める
    情報を理解するためには、できるだけ1ページに収めるべきです。そのためには、スペースを効果的に活用し、小さくても認識しやすいオブジェクトを使用する必要があります。

  4. CHECK:視覚的な整合性を維持する
    情報は、誤解が生じないように、そのままの形で表現すべきです。不適切な拡大や縮小(スケール)、操作された表現、誤解を招く可能性のあるビジュアルは避けるべきです。

  5. EXPRESS:適切な可視化を選ぶ
    オブジェクト(図、表、画像など)は、基本的な事実を直感的に認識できるものを選ぶことが求められます。

  6. SIMPLIFY:乱雑さを避ける
    複雑すぎるもの、冗長なもの、邪魔なもの、単に装飾に過ぎないものなど、これらの構成要素は避けるべきです。

  7. STRUCTURE:コンテンツを整理する
    コンテンツは論理的な構造に従うべきです。配置する要素は、重複がない、一貫性を持つ、そして網羅的であることが求められます。

サンプル

以下は、IBCSに準じた可視化ツールを提供しているZebraBI社による例です。
このデザインはシンプルでありながらも、ビジネスにおける重要な意思判断を行う際に必要となる情報を一目でわかりやすく把握できるように作られています。それぞれの情報は明確に表示され、混乱することなく直感的に理解できるように配置されています。このように、情報が整理されているため、迅速な意思決定を支援し、ビジネスの効率性と生産性を向上させることができます。

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