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データプロダクトマネージャーとは【データ用語解説】

データ用語解説の趣旨

データに係る仕事をしていて、まだまだデータ利活用に関する用語を誤解していることが多いなと感じています。

という事で、データ利活用に係るデータサイエンティスト、データエンジニア、ビジネス部門、業務部門の人たちが押さえておきたい用語を解説していきます。

今回は「データプロダクトマネージャー」について解説します。

データプロダクトマネージャーはデータプロダクトを創りビジネスをグロースする役割名として用いられます。

データプロダクトマネージャーはデータ人材の中の役割の1つで、日本に入ってきたばかりの役割でまだ固まっていない職種であるため、ここで書くのはそういう考え方もあるといった感じで受け取ってもらえればよいと思います。

データマネジメントについての情報

データ用語解説
データ用語の解説を書いてます。

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データプロダクトマネージャーとは

従来のプロダクトマネージャーとデータプロダクトマネージャーの違いは最終的なアウトプットであるプロダクトの強化のためにデータを使うのではなく、データが主となるプロダクトを使うという点である。

データプロダクトの定義は広範囲にわたり、社内向けに作成されたダッシュボード、分析レポートといったデータを可視化したものから、ユーザー向けに作成されたUber、tiktokといったデータをプロダクトに活用して新たな価値を提供しているものまで範囲となる。

今の日本的に言うとデータ活用によるDXを成し遂げる責任者と言えるだろう。

データ プロダクト マネージャーの役​​割

データプロダクトマネージャーの役割は、組織の戦略に沿ったデータのアウトプットを生み出す責任者である。

通常のプロダクトマネージャーのように主要な指標の定義や、その範囲内にある機能の優先順位の決定など、短期的および長期的な戦略の構築と実行を行う。

データプロダクトマネージャーはデータをメインとして扱う役割のため、従来はデータはあくまでもメインであるプロダクトから生成されるものでありサブの位置づけだったが、データをメインとしてプロダクトへ反映させるためのメインとして取り扱う点が違いとなる。

それ以外にも、データプロダクトという考え方は組織に浸透していないため、組織内のデータリテラシー向上を支援し、部門間のギャップを埋め、データプロダクトへの協力を得るために動く必要がある。

データプロダクトマネージャーが必要な理由

データプロダクトマネージャーが不在の場合、プロダクトの責任は個々のデータアナリストやデータサイエンティストとなる。

その事自体は問題ではないが、組織として長期的に見たときにデータ戦略との整合性に問題が発生する可能性がある。

例えば、各チームがデータを操作する方法が異なる状態であると、個別で見ると問題ないが、全体を見たときに不整合が生じてしまう。

不整合を無くすためにデータプロダクトマネージャーが全体俯瞰して監督し、チーム間の整合性を調整し、データプロダクトの長期的な成長にコミットする。

また、データプロダクトに取り組んでいるデータ人材ではないビジネスメンバーがいる場合、データプロダクトの成長させるための経験や教育を行い組織としてデータプロダクトを成長させる基盤を作る。

データプロダクトマネージャーに必要なスキル

従来のプロダクトマネージャーのスキルに加えて、データ活用に関する横断的なスキルが必要となる。

日本ではデータサイエンティスト協会がスキルチェックとして具体的に定めている事項が必要なスキルに該当する、データプロダクトマネージャーを目指す人は最低限★1レベルは網羅するとよい。

データサイエンスの概要
・RDBからデータを集計する
・データのビジュアライゼーション
・データ分析による顧客の課題と改善手段を特定する
・ビジネス指標の予測

データエンジニアリングの概要
・データパイプライン
・データモデリング
・ビジネス指標を計測するためのデータの管理
・データマネジメント

データマーケティングの概要
・ファネル分析
・コホート分析
・定性分析(インタビュー等)
・ABテスト

参考情報

本記事を書くにあたって参考にした記事

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。
ツイッター(@yoshimura_datam)でもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

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