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データ系の職種で絡んだことある14職種の役割書く

はじめに

データの価値に目をつけ、実際に成果を出す会社も出始めてきた。
成果が出せると認知された結果組織は拡大し、専門職が生まれていっている。

データ界隈にいる自分が絡んだことがある職種についてどんな役割かを思い出しながら書く。

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データ系の職種一覧

分析職

データサイエンティスト

データサイエンティストは高度な数理的な知識を生かして、データを分析・解釈し、有益な情報や知見を得ることによって意思決定や問題解決を支援する。

論文を参照して最新の手法を勉強しつつ、それを実装するためにPython、SQLを駆使して実装する。ディレクター職と組んでビジネス成果を出すことが多い。

一方データサイエンティストの名前でデータ何でも屋さんを期待しているケースもあるのでミスマッチが起こりやすい。

データアナリスト

データアナリストはデータサイエンティストと同じくデータ分析によりビジネスに貢献する。数値的な知識とドメイン知識を掛け合わせて、プロダクトマネージャーと並走して実態に沿った分析・提案を行う。

分析する事業のドメイン知識と、分析するためのSQL、BIツールのスキルを駆使してビジネス部門と並走してデータ活用を行う。

データアナリストがレポート作成屋さんになってしまうと、ビジネス側もアナリスト側も成果に繋がらず不完全燃焼になってしまう。

エンジニア職

アナリティクスエンジニア

データを使って解きたい問いを持つ分析系のデータ職に向けて、分析に多くの時間を費やせるように、データの変換・テスト・ドキュメンテーションを行い、クリーンなデータセットを提供する。

バージョン管理や、継続的インテグレーションなどのソフトウェアエンジニアリングのスキルをベースに、分析とビジネス部門の橋渡しを行う。

データが分析にあたって足りない時はデータソースとなるシステム側に交渉することもできればよりバリューが出る。

機械学習エンジニア

機械学習を行いプロダクトに反映するためのデータ基盤、システムを構築する。ビジネス部門とデータエンジニアと協業してビジネス要件に適合するために必要なレスポンスを返す。

ソフトウェアエンジニアリング、インフラ、データベースなどエンジニアリングスキルと、機械学習、データ分析、統計などのデータサイエンススキルの両方が必要となる。機械学習を利用したビジネスの成功を達成する。

機械学習は手段なので、機械学習が成果の手段となる案件を見つけるのが一番のポイントかもしれない。

データエンジニア

データを集め、整理し、データ基盤を構築する。データソースから分析環境にデータを取り込むにあたってデータを整備し、分析者がデータを分析しやすくなる環境を提供する。

ソフトウェアエンジニアリング、インフラ、データベースなどの総合的なエンジニアリングスキルを基に、会社としてデータを活用して価値を生み出す源泉となるデータ基盤を構築する。

データエンジニアはインフラを担うため、他のデータ職からの依頼を受けやすい。職務的な内容であればいいが雑用みたいなのが増えてくると不満が溜まってくるので要注意。

ディレクター職

データディレクター

事業ドメイン内でデータ管理、データガバナンスを統括する役割を担い、ビジネス目標に合わせてデータの収集、保存、分析、活用を最適化し、データ利活用を成功に導く。

データ品質の確保、データセキュリティの管理など守りの領域と、データ戦略の策定、データアーキテクチャの設計、データ品質の管理など攻めの領域の両領域のデータガバナンスを行う。

特定ドメインの何でも屋さんであり、周りから大人気。いつも呼ばれてしまうのでタスクがスタックしやすい。

データマネージャー

組織内でデータ管理の責任を担い、ビジネス目標に合わせてデータ収集、保存、分析、活用を最適化し、データ利活用を成功に導く。
データディレクターと領域は似ており、より抽象的な役割を担っている。

データエンジニアリング、データベースエンジニアリング、セキュリティ、プライバシー、法令等の総合的なデータマネジメントスキルを駆使して、企業のデータ利活用を推進する。

データ何でも屋として分析でもエンジニアでもない隙間産業的な役割を担うとバリューを発揮できるかも。

プロデューサー職

データストラテジスト

特定の領域において、データのプロジェクト責任者。ビジネス部門と協業して要件定義から実際のリリースまで全工程のプロジェクトマネジメントを行う。

データ分析、ドメイン知識、プロジェクトマネジメントのスキルを駆使して、プロジェクトを成功に導く。

データのプロジェクト責任者になって成果に責任を持っている場合は良いが、コンサルになって成果に責任を持たないポジションだとうまく行かない。

データプロダクトマネージャー

組織の戦略に沿ったデータのアウトプットを生み出す責任者。主要な指標の定義や、その範囲内にある機能の優先順位の決定など、短期的および長期的な戦略の構築と実行を行う。

データサイエンス、データエンジニアリング、データマーケティングの領域について総合的なスキルを駆使して、データプロダクトを成功に導く。

今の世の中プロダクトマネージャーはより細分化されている上にデータの知識も必要になってくるので適任者ははぐれメタルレベルな気がする。

ビジネス職

データスチュワート

データ分析職に対するデータの案内人。ビジネスもしくは業務知識とデータマネジメントの両方の知識が求められる。データを理解するためにはデータを生み出す業務の理解が必要であるからである。

組織内のデータガバナンス、組織のもつデータを資産として管理するデータマネジメント、データを活用する専門家としてデータを自分の領域内で活用し、ビジネス的な成果を生み出す役割を持つ。

データスチュワードは人気者なので、教えて君になると放置されるのでしっかりメリットを提示して巻き込まないとダメ。

データオーナー

データを発生するサービスや業務を握っているデータの所有者。生成されるデータに対して決定権を持つ。データオーナーは業務とデータ利活用の2つの目線でデータをどうすべきか検討しなければならない。

データが生成される領域のドメイン知識と業務知識が必要であり、データを生み出すシステムについての上流工程を担えるスキルが必要になる。

データオーナーは主幹業務のことで忙しいので、まずは仲良くなる営業スキルが大切。

ガバナンス

チーフデータオフィサー(CDO)

企業内で攻めのデータガバナンスに関する最高責任者。データの戦略的な活用と管理を担当し、データの収集、整理、分析、セキュリティ、コンプライアンスを監督し、ビジネス目標と一致するデータ戦略を策定する。

データに関する総合的な知識と、特にリーダーシップが要求され、データに関する各職種を統率し、企業のデータ利活用を推進する。

CDOが守りに意識が行ってしまうと、CPOとの二代守りのオフィサーがいて全然進まなくなるのでそうなってしまったらその会社でのデータ活用は厳しい。

データプライバシーオフィサー(CPO)

企業内で守りのデータガバナンスに関する最高責任者。法令リスク、レピュテーションリスク、セキュリティリスクを総合的に評価し、データ利活用に関するコンプライアンスを確保する。

データ保護、プライバシー、法令等のプライバシーに関するスキルを基に、企業のプライバシーに関するリスクを排除し、ビジネス目標を達成する。

CPOが設置されているということはその時点で守りの意識が高い会社。リスクを管理できる人だと良いがリスクを排除したい人だと大変。

データガバナー

チーフデータオフィサー、データプライバシーオフィサーの配下にてデータガバナンスを推進する担当者。守りと攻めのガバナンスのバランスを取って企業のデータ利活用を推進する実行者。

データポリシーと規制の策定、データストラテジーの立案、データアクセスと権限の管理、データ品質の監視と改善、データセキュリティの強化、データ所有権の明確化などデータガバナンスの実現に向けて活動を行う。

CDOとCPOの板挟みにあいながら、全社ガバナンス組織と現場組織の板挟みに会う大変な役割。そのせいか機械的にタスクをこなすようになっていき、より憎まれている事もある。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

ツイッター(@yoshimura_datam)でもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

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データ環境より、セキュリティの観点であったり、プライバシーの観点であったりといった非技術者向けの内容が多く書かれている。
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実践的データ基盤への処方箋
データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。

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政府の出しているガイドラインよりも俯瞰的に読めるためデータプライバシーにかかわる人、データを使ったビジネスを推進する人は読んでおくとスムーズに業務が進められる。

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DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。


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