見出し画像

[プロ野球データ分析]球界を代表するバッターたちのパワーと選球眼から特徴を分析する

更新日:2020/01/01

バッターには早打ちするタイプと良くボールを見るタイプ、パワーヒッターやアベレージヒッターと特徴があります。
データからバッターの特徴が分かったら、どのバッターがパワーがあるか、実はそんなに長打力がないとか、以外とパワーがあるなど見えてくるかもしれません。
今回は、プロ野球両リーグのそれぞれトップ30位バッターの特徴をパワーと選球眼の観点から探っていこうと思います。

この記事は以下のような人に向けて書いています。

・データ分析に興味がある人
・セイバーメトリクスに興味がある人
・野球を違った視点で見たい人

今回の分析内容

プロ野球両リーグのトップ30位のバッターの成績をセイバーメトリックス指標を使って、各バッターのパワーと選球眼をみていきます。

データのソース元

データはNPBサイトからスクレイピングして、セイバーメトリクス指標を計算しました。

パワーと選球眼を測る指標

パワーと選球眼をデータから分析するためにセイバーメトリクスのIsoPとIsoDを使います。
IsoPはIsolated Powerの略で計算式は、

IsoP=長打率-打率=(本塁打x3+三塁打x2+二塁打)÷打率
長打の要素のみ抽出する式になっております。
IsoPの評価としては、
0.15以上で普通
0.20以上でパワーのあるバッター
0.25以上で一流のパワーヒッター

になります。


より細かい解説はウィキペディアさんやほかのサイトにわかりやすいサイトがあるので紹介しておきます。

IsoDはIsolated Disciplineの略で下の式で計算できます。

IsoD = 出塁率-打率
IsoDはフォアボールで出塁したパーセントになります。
IsoDの値で選球眼があるか、じっくりボールを見るタイプか早打ちの傾向にあるかを見ることができます。

IsoDの評価として、0.07~0.08でまずまずのレベルで、0.10を超えると一流選球眼の持ち主になります。

IsoDが高い選手の傾向は以下の特徴があります。
・選球眼が良い
・じっくりボールを見るタイプ

詳しい解説などはウィキペディアやほかのブログのサイトがわかりやすいので下に添付をしておきます。

IsoPとIsoDを散布図にして選球眼とパワーをグラフにして分析する

画像1

IsoPを縦軸にIsoDを横軸にとった散布図になります。


縦軸のIsoPには0.15に緑のライン、0.20にオレンジのライン、0.25にピンクのラインを引いてあります。
緑のラインとオレンジのラインにある人は、標準レベルのパワーの持ち主。
オレンジとピンクのラインの間にいるバッターはパワーのあるバッターになります。
そして、ピンクのラインより上のバッターは一流の長距離バッターたちです。

横軸のIsoDには0.07に緑のライン、0.10にピンクのラインを引いています。
緑とピンクのラインの間にいる選手は標準レベルの選球眼を持っていることになります。
緑のラインより左にいる選手は選球眼はよくないまたは、早打ちの傾向があります
ピンクのラインより右にある選手は選球眼が一流のバッターと言えます。

それではIsoPとIsoDの値の散布図から見えてくる特徴をピックアップしてみていきます。

長打も打てるし、ボール球も降ってくれない最恐のバッターはこの3人だ!

画像2

IsoPが0.25以上でIsoDが0.10の最恐のバッターは山川穂高(西)選手、山田哲人(ヤ)選手そしてブラッシュ(楽)です。
3選手全員本塁打が30本以上と球界を代表するスラッガーです。
IsoDも高いことからボール玉を誘っても振ってくれないという、恐ろしいバッターです。

アベレージヒッターは早打ちが多い!?


画像3

次は、IsoPが0.15以下、IsoDが0.07以下のゾーンバッターを見てきます。
単純にパワーもなく、選球眼もないという評価では短絡的に思えます。
なぜならセ・パの上位30位のバッターでもIsoPが0.15以下でIsoDも0.07以下のバッターは15人と25%もいます。
15人のバッターはどんなバッターでしょうか?

15人の選手の中には源田選手や大和選手、内川選手など長距離バッターよりかは首位打者に名を上げるアベレージヒッターが多いようです。
また、足が速い選手も安打になりやすいので多い傾向にあります。
ヒットを打っていくタイプが多いので早打ちや難しい球にも手を出すといえるかもしれません。(難しい球もヒットにしてしまいそうですが)

パワーヒッターはIsoDも高くなりやすい傾向がある!

画像4

IsoDはフォアボール率の値ですので選球眼の良し悪しの指標になります。
しかし、ホームランバッターはストライクゾーンで勝負をされにくいです。
ストライクゾーンで勝負されないので、フォアボールが多くなる傾向があります。
さらに、ホームランバッターになると敬遠や敬遠でなくても勝負をしない選択をされてフォアボールが増える傾向にあるので、一概にもIsoPの高いバッターに関してはIsoDが高いからといって選球眼がいいという評価はしないほうが良いです。
その代わりストライクゾーンで勝負されにくいバッターといえるのでわざとじっくり待たせることで相手ピッチャーを不利なカウントに追い込むこともできると言えます。
一方で松田選手は積極的に打っていくイメージがそのままデータに表れています。
IsoPが0.20以上と長打力がありますがIsoDは0.05よりも低く、どんなボールも打ってやるという気持ちが伝わってきますw
さすが熱男!!!!

ボールをよく見極めて粘り強いバッターはこの3人!

画像5

フォアボールが多く粘り強いバッターは、

中村 悠平選手(ヤ)、西川 遙輝選手(日)、近藤 健介選手(日)です。
日ハムに2選手もIsoDが0.10以上がいます。
近藤選手に関しては打率も3割以上とヒットも打てるし、選球眼も良く本当に厄介なバッターと言えます。
日ハムにはいやらしいバッターが2人いるのは、対戦相手からしたらいやでしょう。
IsoPが低くIsoDが高いので、長打力がない意味ではこわくないのにもかかわらずIsoDが高いということは、粘り強くフォアボールにする力が高いです。
本当にいやらしいバッターです(褒め言葉ですw)。

まとめ

本記事ではセ・パ両リーグのバッターTOP30のIsoPとIsoDの両方を散布図に表すことでバッターの特徴をみました。

IsoPもIsoDも高い最恐のバッターは、
山川穂高(西)選手、山田哲人(ヤ)選手、ブラッシュ(楽)選手です。

IsoPの高いバッターはストライクゾーンで勝負されにくい性質を持っています。

IsoDの高い粘り強くいやらしいバッターは、中村 悠平選手(ヤ)、西川 遙輝選手(日)、近藤 健介選手(日)選手でした。

セ・パ両リーグトップ30位のデータにセイバーメトリクスの指標を計算したcsv形式のデータを添付します(有料)。
興味ある方は、エクセルでもいろんな分析やグラフが見れますので分析してみてください。

ここから先は

48字 / 2ファイル
この記事のみ ¥ 100

よろしければサポートをよろしくお願いします。サポートいただいた資金は活動費に使わせていただきます。