見出し画像

セイバーメトリクス指標を簡単にまとめたメモ(投手編)

野球のデータ分析に触れると出てくるセイバーメトリクス。
最近ではテレビの選手の成績にも簡単なセイバーメトリクスが表示されるようになってきました。
セイバーメトリクスも指標の種類は一つだけではなく、複数あります。
この記事では、投手のセイバーメトリクス指標について、各指標の算出方法と投手のどのような能力を見ることができる指標かを簡単にまとめます。

セイバーメトリクス指標をまとめたメモ(野手編)はこちら

WHIP:Walks plus Hits per Inning Pitched

1イニングに何人の走者を出したかを表す指標です。
まず、投手の能力を見ると言ったらこの数値が出てくることが多いです。
算出式はシンプルで、
WHIP = (与四死球+被安打)/投球回
投手がどれだけランナーを出しにくいかを表す指標になります。
投手は自身が出したランナーを残したまま降板すると、後続の投手の結果により防御率が影響するので、WHIPはショートリリーフの投手評価に適しています。
一方で投手のスキルをすべて表せるものではないといった評価もあります。
それは、被安打は運の要素や味方の守備の影響を受けるからです。
ですが、投手評価にはよく使われますし、どれだけランナーを出さないかは失点が取られにくいかにもかかわってきますので、重要な指標でしょう。
数値の目安としては以下になります。

WHIP	評価
1.00	素晴らしい
1.10	非常に良い
1.25	平均以上
1.32	平均
1.40	平均以下
1.50	悪い
1.60	非常に悪い

K/BB

奪三振と与四死球の比率を取ったものです。
さらにシンプルな指標で、1回のフォアボールを出すまでに三振をどれだけとれる党首化を表す指標。
純粋な投手能力を測れる指標になりますが、奪三振と与四死球しか見ていないので、上手く打たせて取るような投手の場合、高い数値にはなりにくいとも言えます。
しかし、フォアボールで割ってあるそんなに低くもならないという絶妙な指標です。
奪三振とフォアボールと非常にシンプルですが、三振取れるボールを持っていますがコントロールが良くない豪速球投手などはK/BBはフォアボール数が増える分高くならないという意味でうまく投手の能力を表す指標になります。
有名なのは上原投手ですね。
ボールとしては140そこそこのボールにもかかわらず、伸びの良い球とスプリット、四死球を与えないコントロールで高い数値を出していました。

LOB%:Left On Base Percentage

投手が出したランナーの内、ベースに残った人の割合を表す指標です。
LOB% = (安打 + 与四死球 - 失点) / (安打 + 与四死球 - 1.4 × 本塁打)
で算出されます。
LOBが高いことはランナーを返さずに残塁が多いことからピンチに強い投手とみることができます。
一方でランナーを出す率が高いことから、0.80より大きい値を出す次のシーズンは防御率が高くなる可能性もあります。

DIPS:Defense Independent Pitching Statistics

具体的な算出式などではなく、手法の言葉です。
投手は運や守備の影響で防御率が変動するため、防御率、勝利数だけ見ても純粋な投手の能力を測ることが困難です。
そのため、守備の影響から独立し、運の影響が極力ない形で投手自身の成績を測る手法です。

FIP:Fielding Independent Pitching

DIPSによる投手の評価指標の1つです。
下記のように複雑な計算式になっていますが、投手のみに影響がある成績で構成されている点がポイントです。
被安打等はないのですが、防御率と大体似た数値になる特徴があります。
このFIPの存在により防御率とかけ離れた数値である場合は運が悪く失点したケースや運がよく点が取られなかったケースが考えられることなどに気づかせてくれる指標になります。
また、新の防御率と言われている部分もあり、投手の実力を測る指標としてよくテレビでも見ることの多い指標の1つです。

FIP={13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値
補正値:リーグ全体の防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回
(Wikipediaより引用)

QS:Quality Start

6回以上投げ、自責点が3点以内の投手に記録されます。
QSが多い投手ほど安定した先発投手と言えます。
よく使われる指標としては先発登板回数とQSの回数を割った、QS%で評価されることが多いです。
QS%では、先発投手が6回以上3失点以内の成績の確率が出ますので、先発を任せられるかの指標になります。

QS%=QS/先発登板回数

BABIP:Batting Average on Balls In Play

FIPとは逆にインプレーになった打球で安打を打たれた割合を表す指標です。
登板数が増えてくると平均は3割くらいに落ち着く指標になります。
BABIPが低いシーズンは防御率が低いことが多くなります。
その場合は、運が良く防御率が低かった結果と評価されます。
そのため、次のシーズンでは防御率が高くなるとみられます。
実際にリンク先の松坂投手の例でも、BABIPが低い年は防御率が低く2点台づすが、BABIPが3割に戻ると防御率が4点台です。

BABIP = (安打 - 本塁打) ÷ (打数 - 奪三振 - 本塁打 + 犠飛)

おわりに

投手のセイバーメトリクスを紹介しました。
セイバーメトリクスも日々進化して新しい指標などが出てくるでしょう。
セイバーメトリクスを見ることで一般的な成績からは見えない特徴を捉えることができます。
投手の成績を見る際はセイバーメトリクスに注目すると少し違った見え方がするかもしれません。

ここから先は

0字
マガジン購読のほうが5記事以上読む場合はお得になります。 野球を違った視点で見てみたい。 野球のデータ分析を見てみたい人に向けてプロ野球のデータ分析をしていきます。週1ペースで更新予定です。

プロ野球の選手やチームをデータ分析していくマガジンです。野球を違った視点で見てみたい。野球のデータ分析を見てみたい。気になる選手やチームを…

よろしければサポートをよろしくお願いします。サポートいただいた資金は活動費に使わせていただきます。