見出し画像

つらつら(トーハクで丸一日過ごした話)

4月上旬にトーハク(東京国立博物館)に行った。トーハクは日本・アジアの展示がメインで、日本美術が好きな私にはとても楽しい場所だ。

出不精の私が美術館に行くのは1年振りくらい。その頃軽い現実逃避に陥っていた私は、流石に起きなければと気分転換に、上野に足を伸ばしてみた。

日曜日の上野公園は、葉桜が見頃で、花見客や外国人観光客がたむろしている。TVでよく見るやつ画だわ〜と人混み嫌いの私は、躊躇うことなくずんずん足を進め、トーハクに到着。

時刻は午前11時前、当日事前に購入していたeチケット(1,000円)で入園。トーハクは常設展だけでも膨大な量で、特別展は小規模だ。特別展では「中尊寺金色堂」を開催していたが、夏のような気温と炎天下のなか、行列は外まで伸びていた。並ぶのも苦手な私は即決見るのを辞めた。

トーハクは、建物自体も歴史を感じられて美しい。正面玄関を入ると、石造りの中央階段の先にダビデの星みたいな装飾時計が壁に飾られている。(フォトウェディングのスポットにもよく使われているけれど、個人的に東京駅や丸の内よりもセンスがいい気がする。なんかミーハーな感じがダサいなって、擦れまくってる私は思うのだ。失敬笑。)ちょっとした休憩所や階段の踊り場さえ素敵で、文明開化・和洋折衷と私の心を踊らせるビジュアルをトーハクはお持ちだ。

アマチュアが語るトーハクの見方として、2~3時間程度の滞在を考えているなら、ちんたら見物してはいけない。常設展は日本の時代順、つまりは縄文時代、弥生時代、古墳、飛鳥…と並ぶので興味のないエリアはすっ飛ばして、余裕があれば戻るというのがセオリーだ。銅鐸だとか埴輪だとか土器だとかに興味があるならまだしも、展示順どおりに見ていたら、江戸時代に着く頃には椅子と仲良しこよしなのがオチだと思う。

私は最初から1日コースを決意していたので、自分の好きな服飾や、螺鈿細工、器や陶器、甲冑などをじっくりと見て昼過ぎまでホクホク過ごした。途中それでも疲れてしまって、中庭が伺える長閑な休憩所で軽くすやすや過ごした。

トーハクは本館に常設展と特別展があり、それだけでも見応えは十分だ。他にも東洋館、平成館、資料館…と別館が立ち並び、庭園や茶室まで園内にござる。全部見ようものなら、あれ?美術館巡りってもっとインドアな活動じゃなかったかしら…と概念と共に脚も打ち砕いてくれる。だからこそ、休憩がとっても大事。

今回実は飲食持ち込みスペースがあることを初めて知った。カフェやレストランはあるのだけど軽い空腹程度だったので、一旦退園してコンビニでおにぎりとサラダを買いに行った。再入園して、お腹が満たされたら、ふかふかの黒いソファを見つけてしまい、吸い込まれるようにすやぁとした。

午後は別館(東洋館で仏像を堪能して、とりあえず全館サラッと見て回った)を訪れたり、お庭をのんびりと散歩をしたりして、休憩所に戻ってネット小説を読んだりして過ごした。そしてソファがやっぱり気持ちよすぎて気付くと意識が飛んでいた。(ナニシニキタノカナ)

閉園時間も近づいて、体力も回復したし帰るか〜と大変満足した気持ちで出口に向かう。周りは家族連れやカップルが多いなか、こんな気ままな過ごし方1人でしかできないなあと、ニヤニヤしながら帰路に着いたのだった。

トーハクで丸一日ダラダラした話でした。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?