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藪の中、誰が勇者を殺したか、薬屋のひとりごと 2023年10月31日

芥川龍之介の藪の中を読んだ。
「真相は藪の中」の語源でもある。インタビュー形式で色んな人に話を聞いていき、物語の真相に迫っていくが、信頼できない語り手がいるので話に矛盾が生じ、本当の事がわからないといった内容である。

1人の侍の死をめぐって、捕らえられた強盗、死骸の発見者の木樵り、強盗を捕らえた放免の話が語られる。また侍の妻は清水寺で懺悔をし、侍の死霊は巫女の口を借りて当時の有様を語る。しかしいずれも自分を中心に語り、話は核心部分で微妙に食い違う。真実は不明、すべては藪の中である。

wikipedia


最近、なろう小説で「誰が勇者を殺したか」というのがあるらしい。こちらもインタビュー形式で話が進んでいき、勇者を殺したのは誰かに迫るといったものだ。

魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。「何故、勇者は死んだのか?」勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ

KADOKAWA

というか、「誰が勇者を殺したか」の作者である駄犬さんが凄くて、
1年で5作品完結させて5作品とも書籍化決定という快挙?をしている人である。書籍化という一段階の夢が叶って、あとはベストセラー作家になるという野望を叶えるだけである。

それほど文章の構成と内容が良いってことなんだろうな。

実際のところ、純文学である「藪の中」から触発されて、「勇者を殺したの誰か」が書かれたのかとても気になる所である。おおよそ無意識のうちに書かれたのだろうけど、純文学のフォーマットを使えば、自分で物語を作る際にも使えるのかなと少し思った。
「藪の中」(インタビュー形式で話が進む)×「フリーレン」(勇者が魔王を倒した後の世界)=「勇者を殺したのは誰か」になる気がする~
まだ読んでないので何とも言えない。

「勇者を殺したのは誰か」を早く読んでしまいたいが、今は薬屋のひとりごとがある程度読み切れるまでは、取っておきたい。なろう小説というだけで異世界モノだけかよ、と下に見ていた部分があったんだけど、薬屋のひとりごとのおかげでかなり印象変わった。

薬屋のひとりごとも、いつの間にか23話まで読めた。後宮編の中頃まで読めている。アニメでやるのは後宮編までかなと予想。スラスラ読めて消費に回っている気がしてならない。どこかで内容をまとめなきゃと思うのだけどな。

困ったときのyoutube、自分よりアニメ愛が強くてまとめてくれている人が世の中にはいる。

 4話は猫猫の折檻シーンが最高に良かったな。折檻とはきびしく𠮟(しか)ること。肉体を苦しめてこらすこと。なのだけど、男女平等ビンタを侍女に食らわしたうえで毒(おしろい)の危険さを身を持って教えるところが滅茶苦茶に好きだった。今まで丁寧な言葉で人と接していたのに、注意のために言葉が荒くなるところもよかった。原作を読んでいるとわかるが、言葉遣いは荒い方が本来使っている言葉らしい。後宮ではおしとやかにふるまっているってことだよね、多分。

インターネットがあるだけで純文学から現代の最新小説、最新アニメが見れる時代は最高。




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