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胃カメラのハードモード~鎮静剤なしでも検査に耐えられるのか~

オーストラリアで看護師をしているダッシュ(@AusnurseDash)です。

少し前にオーストラリアから日本に一時帰国をした時に人間ドックを受けてきました。

人間ドックの主役と言ったら胃カメラ・大腸カメラですよね?

妻は鎮静剤を使いましたが、ボクは「話のネタになるだろうなぁ」と思って薬なしで胃カメラ・大腸カメラに挑みました。

  • 鼻からカメラを入れて穴が1つになる

  • えずきすぎてカメラがでてきちゃう

  • 痛さでノタウチ回り医師と大喧嘩する

こんなことが起こったら面白いだろうと思っていたんですが、ほとんど痛みはなくスムーズに終わりました。これから受ける方は安心してください。

この記事は鎮静剤なしで胃カメラ・大腸カメラを受けた体験をまとめていきます。

ちょっと長い記事ですが、看護師だからこそわかる「検査中に起こっていること」や検査を受ける時の注意点も解説していきたいと思います。

これから胃カメラ・大腸カメラを受ける方で、どんな雰囲気なのか不安がある方に読んでもらえると嬉しいです。


海外在住アラフォーなんで一時帰国で人間ドックに行っとく

コロナも落ち着いてきた雰囲気があるので一時帰国することになり「ついでに人間ドックもやってみよう」という話になりました。

わが家はボクと妻の2人でオーストラリアに移住しました。詳しいプロフィールについてはこちらの記事をご覧ください。

幸運なことに、これまで2人とも大きな病気はしていません。

この歳になると健康への配慮も必要かなぁと思ってたんですが、なんとなく面倒なのと「結果が悪かったらイヤ」という想いがあってついつい先延ばしに。

ちなみにオーストラリアには人間ドックがなく、医師の指示なく採血、CT、胃カメラなどはできません。

何かあった場合はかかりつけ医に行って、そこで必要な検査を指示される感じ。

日本は色んな病院で人間ドックをやってくれるので、一時帰国のついでに見てもらおうということになりました。

気になるお値段は40,000円。人間ドックに保険は効かないので自費です。

大腸カメラでポリープが見つかると「検査」ではなく「治療」になるのでその検査だけ保険適応になるとのこと。

料金は高いけど安くするために「ポリープあってくれ」て祈るのもおかしいですけど。けっこういい値段しますよね。

ブロガーなら鎮静剤なしで!?

ボクは現在、介護施設で働いていますが日本にいるときはICUで働いていました。胃カメラ・大腸カメラは受ける方ではなく緊急で送り届ける方。

大抵の場合、緊急検査ですからスムーズに検査を行うために鎮静剤を使います。

でもせっかくブロガーとして活動しているので「鎮静剤を使わずに胃カメラ受けてみた」という体験談を書ければ面白いと思い挑戦することにしました。

オーストラリアに留学した経験をもとに留学の準備についてブログを書いています。

痛くても記事にできるし、痛くなかったら冷静に現場をレポートできるのでどっちに転んでもおいしい。

なんなら「記事のためならちょっとぐらい苦しんでもいい」と思っていました。

ちなみに妻は痛いのが嫌いなので鎮静剤を使って、眠っている間に検査をしてもらうと即決していました。

人間ドックの前日は食べちゃう前に寝る

検査内容にもよりますが、人間ドックの前日は夕食後に絶食になることが多いです。

よく「ご飯を食べてしまった」とか「デザートだけだから大丈夫」と食べ物を口にしてしまう人がいるようです。

検査が延期になることもあるので気をつけたいですね。

わが家は夫婦2人とも人間ドックだったので、お互いに気を付けられたという点で良かったです。

これがもし自分1人が絶食で、他の家族が目の前でお菓子でも食べてたらめちゃくちゃ耐え難いですもんね。

病院からの指示は「22時以降は絶食、水はOK」とのこと。口さみしくなったり、日頃の癖で無意識にお菓子を食べてしまう前にさっさと寝ました。

液体ばっかり飲めない…

人間ドックのクリニックに入って下のような検査をした後、いよいよ本日のメインイベント胃カメラ・大腸カメラです。

  • 血圧

  • レントゲン

  • 心電図

人間ドックではたくさんの検査をしてくれますが、どの検査が何を調べてくれるかわかりにくいですよね。

自分で検査項目を選べる病院なんかもあるんですが、医療関係の仕事についていないと何がどの検査だか分からないことも多いと思います。

そんな時は事前に調べてから検査を受けるともっとよくわかるかもしれません。

一通り検査が終わると胃カメラの準備が始まります。

ドン。と目の前の机に置かれたボトル。
(これが人間ドック名物の下剤か…スゴイ量)

この液体をコップ一杯分、10分毎に飲む。これを排泄物が完全に透明になるまで繰り返します。

味は賞味期限切れのスポーツ飲料みたいです。ちょっと甘くて人口的な味がけっこう強い。

ボクは大丈夫でしたが、妻はプラスチックっぽくて飲みにくいと言っていました。

この下剤が効き始めるのまでがとても長いんです。

妻はだいたい1時間30ほどで準備完了しましたが、ボクは待てども待てども効かない。

下剤を飲んでる間はスマホを触ったり、タブレットも用意されているので退屈に感じることはありません。

ただひたすら「さっさと出てくれ」と願うのみ。

結局3Lぐらいの液体を飲んでお腹はもうパンパン。だいたい2時半はかかりました。(なんとなくスタッフさんの無言の圧が気になる)

うーん。。何度も排泄物を人様に見てもらうのは苦痛ですね。

最初は「こんなもの他人に見せるものじゃないよな」と思いながら。

でもすぐに慣れて「OKをもらわないと検査できないし」と積極的に見せるようになります。人って簡単に変わってしまうんですね。

検査室の看護師さんは大変です。

さて、ボクも腸の準備が整ったので検査着に着替えていよいよ本番。

大腸カメラ本番!検査中は痛みなし

検査室に入ってから大腸カメラの流れはだいたいこのようになっています。

  1. 点滴用の針を刺す(ついでに人間ドック用の採血も一緒に)

  2. 鼻に液体麻酔のスプレー

  3. 細いチューブでちゃんと鼻に入るか確認(ゼリーの麻酔でスムーズ)

  4. 本番のサイズでもう1度確認(これが1番しんどい)

  5. Dr登場(スムーズな連係プレイ)

  6. カメラを十二指腸まで入れる

  7. 画像で確認しながら口まで戻る

1番ツラかったのは手順の4番でした。鼻の奥を突っつくので涙が止まりません。

でもこれを乗り越えると麻酔も効いてくるので本番のカメラは大丈夫。喉の奥、扁桃炎になる辺りを超える時にちょっと違和感があったぐらいです。

喉仏の辺りも構造的にしんどいかなと思ったけど、意外と平気でした。ここまで来ればもう心配なし。

と思っていたら、急にみぞおち辺りに違和感を感じます。胃をしっかり見るために空気を入れて膨らませるのですが、猛烈にゲップをしたい感覚におそわれます。

「ゲーーーップ」ってやりたかったんですが怒られそう。シーンとした検査室の中でアラサーのオッサンがゲップしてたらと思うとなんか恥ずかしくて必死に耐えます。

どうしても我慢できないのは唾液でした。ずっと口は開いてるし、カメラが入るのでどうしても唾液が出てくるのは止められません。

看護師さんの「積極的に出してください」という言葉に甘えて拭いてもらうことに。こんなに恥ずかしいものだとは…

検査中は看護師さんがずっと背中をすんごい勢いでさすってくれます。そっちに意識を持ってかれてるうちにドンドン検査がすすむ。これはいいテクニックだと感心しました。

色んな最新システムがあるけど、結局はこういう古くからあるテクニックが大事なんですね。

 検査の途中からは画面を見るほど余裕も出てきました。

「ちょっと赤いですね。最近食べ過ぎたりしてます?」なんて言われて、バレました。久しぶりの一時帰国で暴飲暴食しているのが。

それでも大きな問題はなしということで終了。

しかしホッと一息もつかぬ間に大腸カメラ準備が始まりました。

胃カメラに耐えたあなたなら大腸カメラは大丈夫

大腸カメラより胃カメラの方が10倍しんどいです。だから安心してください。

大腸カメラの流れはこんな感じです。

  1. 体勢を整える

  2. 潤滑油をお尻に塗って準備

  3. 大腸カメラを入れる(思ってるより細い。大丈夫)

  4. 盲腸の辺りまで入れる

  5. 画像を見ながら出口まで戻ってくる

胃カメラの達成感を感じて安心している暇もなく、大腸カメラが始まりました。

カメラはどんどん入っていきます。でも全然痛くない。

「何か所か大腸が曲がってる部分があるから、そこを曲がる時に痛いかも」という説明をされましたが、それもなし。

ドンドン入っていく。遠慮なし。一気に奥まで入って「これが盲腸ですよ」と言われるが他との違いが全くわからない。色も同じだし。

胃カメラのように膨らまして見ながら帰ってくると、ここでも感じたのがオナラをしたい感じ。空気入れてるからでしょうね。

さすがに出口がカメラで防がれてるから出ませんでした。(今したらやばいだろうなぁ。先生そこにいるし)

オナラに耐えているうちに「あとちょっとですよ」と言われてゴールが見えた安心感でほっとしました。

やっぱりここでも看護師さんの声掛けのありがたさを感じました。

「ハイ。終わりです。」

そうこうしてるうちに大腸カメラはあっけなく過ぎ去りました。

検査後に喉の違和感アリ

鎮静剤を使っていないので検査後はもちろん元気。

それでも胃カメラの時に使った麻酔が効いてたので、喉の働きが悪かったのが少し気になりました。唾液をのみ込もうとしても上手く呑み込めない。

気管の方に流れて行ってせき込んでしまうのが2時間ぐらい続きました。

これは高齢者がよく肺炎になる原因なので薬が切れるまでは唾液を吐き出していました。

他には鼻血がちょっと出てたぐらい。鼻からカメラを突っ込んだので仕方ないでしょう。

もう1つ気になったのはお腹がずっとグルグル鳴ってる感覚。下剤が効いてたんでしょう、次の日は続いていました。

大きな問題と言えるほどのことでもありませんが、検査後は全部終わった安堵感に包まれていました。

鎮静剤を使った妻は…

カメラ前の準備は全く同じでしたが検査室で「はーい眠くなりますね」と言われた後は何も覚えていないとのこと。

痛み・苦しみは全くなく、次に気付いたら担架の上で、少しずつ周りの音が聞こえてきたみたいです。

でもそこからなかなか薬が抜けず、人間ドックが終わった後にロビーで30分間待っていましたが、なんだかフラっとしています

そのあと家に帰るまで、なんとなく「心ここにあらず」な感じでした。

これから大腸カメラ・胃カメラを受ける方へ

わが家の人間ドックの経験をまとめていきます。これから検査を受けてみようと考えている方に役立つかもしれません。

前日は食べない
絶食の指示があっても食べちゃう人がいるようなので、できれば家族も同じようなスケジュールで動いてあげると失敗がなくなるかもしれません。

不安なら迷わず鎮静剤を使う
ボクは鎮静剤なしで検査してもらいましたが、不安が少しでもあれば鎮静剤使った方が楽です。ガマンする必要はありません。

ただ検査後のことを比べると鎮静剤ナシの方がスッキリしてるのはメリットです。

鎮静剤を使うなら家族のお迎えがあった方が安心ですね。少なくとも車の運転は絶対にダメです。

保温が大切
わが家が人間ドックを受けたのは11月の中頃。だんだん寒くなってきて水も冷たくなります。

そこに下剤のためにたくさん水を飲むと体温が下がるのでけっこうツラかったです。

下剤を飲んでる間や、検査後の保温は素早い回復のために大切になるかと。毛布を看護師さんに頼めばよかった。

検査後に温かい飲み物を頼んでみるといいですね。わが家は近くのなか卯で温かいうどんを食べて帰りました。

換えの下着
忘れていました。下剤と大量に飲んが水がまだ体内に残っていることを。

思わぬ拍子に力が入って「ピュッ」となりそうだったので、一応下着の準備はしておいた方がいいかもしれません。

鎮静剤なしで胃カメラ・大腸カメラいけるかも

今回の人間ドックでは試験的に鎮静剤を使わずに検査を受けてきました。

胃カメラ・大腸カメラってどんなことをするか、痛そうで不安ですよね?

しかしスタッフの方のサポートのお陰でほとんど痛みなくスムーズに終えることができました。

もし次回同じ検査を受けるとしても鎮静剤は必要ないのでは?と考えています。

これからカメラ検査を受ける方のハードルを下げることができて、少しでも多くの人に「検査を受けてみよう」と健康に意識を向けてもらえると嬉しいです。

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