「異日常」1/37
「混!沌!沌!あらよっと!混!沌沌!混!よっ!混!沌!沌!あらよっと!混!沌沌!混!よっ!お囃子みたく鼓動する心臓を、幸福の葉っぱで包みました。脳に拍手。それから医学書に生ハムとチーズを挟んで食べる貴方を、象に頼んで永い鼻で絞め殺してもらいました。象の鼻を滴り落ちる貴方の漆黒の血液が大蛇となって私を強襲。余りにミゼラブル、そう諦観しました私はハンマーヘッドシャックにおやすみのKISS。電光石火で陸に上がるや、ピンポンパンポンのリズムで近親相姦。何もかもが恐ろしくなって、全てをリセットする為に大地を引っ剥がす。超越後悔。全く景色が無くなるということが、こんなに悲しい音なんて。ぽぽぽ。かくして私は乾坤一擲、足元に大きな大きな地球大キリストの絵を敷くことにしたのです。人・類・総・踏・絵!嗚呼、誰か、誰でもいい!こんなにも罪深い私を、どうか、額縁に入れて下さい!額縁に入れて下さい!額縁に入れて下さい!額縁に入れて下さい!、、、」
ここで俺は、目覚まし時計を消した。いつ聞いても悪趣味な音声だ。昔の女がくれたものだが、いわゆる声を録音してアラーム音に設定できるって代物。捨ててしまえばいいんだろうけど、どうも俺は貧乏性でいけない。お陰で毎朝目覚めは最悪。マイナスからのスタートだ、、、
「ねぇねぇママ聞いて?今日友達から『貴様は頭蓋骨でボジョレヌーボーを燻らす醜いアヒルの子だ!』って言われたの。悔しくって悲しくて、思わず恐山でヤッホーしたよ。それから当然押し寄せてきた猛烈な尿意に、手の平に三回『尿』と書いて飲んだんだ。でもでも全然我慢出来なくって、つい禁じ手である黒尿道様を口寄せしてしまったの。すると威風堂々現れたのは黒尿道様ではなく、犯罪予備軍『永久恋愛』のメンバー。無駄にえびす顔の奴らは、ナッドサット言葉で叫ぶんだ。『中華包丁でヘアカット、辮髪専門店アルよ!』『起立!気を付け!レイプ!着床!キャハハハハ!』ねぇねぇママ聞いて?Didn't mean to make you cry!ママ聞いて?ママ聞いて?、、、」
ここで俺は、スヌーズを消す。スヌーズはスヌーズで別の音声に設定してあるところが憎い。大好きな二度寝でさえ幸せが半減してしまう。そういえば、スヌーズってどういう意味だっけか。何故だか自殺のスーサイドが頭に浮かんで気分が悪い。この目覚まし時計も、いい加減捨て時なのかも知れない。
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