見出し画像

【今すぐ使える英語授業プラン! YouTubeビデオで"考えて学ぶ"】Robin Greenfieldの30 Days of Wearing My Trash in Los Angeles

30 Days of Wearing My Trash in Los Angelesで学ぶ

今回授業で使うのは、米国の環境活動家、Robin Greenfieldのビデオです。
彼は、自給自足でゼロ・ウェイスト(zero waste)の生活をして、講演活動も活発に行い、social mediaでさまざまな発信をしています。
2016年に、New Yorkで、1か月間自分が出した全てのゴミを身につけて生活するTrash Meというプロジェクトを行って話題になりました。そして、2022年、今度はLos Angelesで同じプロジェクトを行っています。

以下の30 Days of Wearing My Trash in Los Angelesは2022年のプロジェクト報告ビデオで、その下のTrash Me with Robin Greenfieldは2016年のプロジェクトスタート時のビデオです。

どちらも2分以内の短いビデオでわかりやすく、我々が今日常的に考えることが多いゴミの問題を扱っています。

30 Days of Wearing My Trash in Los Angeles
5/21/22

Trash Me with Robin Greenfield
9/26/16

授業のねらい・活動時間

授業では、30 Days of Wearing My Trash in Los Angelesをメインの教材として使い、グループワークやディスカッションをします。比較的シンプルな英語で話しているので、キーワードや表現、文法も確認しながら内容を理解し、それに対する自分の意見をシンプルな英語で表現してクラスで共有します。

活動の準備として、まずTrash Meを課題で見てきます。受講生が初級レベルであれば、Trash Meだけで授業を行ってもいいと思います。

活動時間は、約30分です。大学の授業は90分、105分と長いので、1コマの1/3程度の時間を使います。

事前学習(課題)

Watch "Trash Me with Robin Greenfield."
Who is Robin Greenfield?
Trash Meを見て、Robin Greenfieldがどんな人なのか調べてくること。ビデオでどんなことを言っているかわかる範囲でメモしておくこと。

●ビデオの内容に関する質問項目
学生は、課題としてビデオを見て以下の質問の答えを用意しておきます。

  1. How much trash does the average person create per day?

  2. What is Robin Greenfield doing in this video?  

  3. Why is he doing this?

  4. How much trash is he wearing now?

  5. Do you think Robin's experiment is effective in making people think about the trash they create?

授業の流れ


■Warm-up

まずTrash Meをクラス全員で一緒に見て、experiment, trash, flyers, plastic bagsなどのキーワードを確認しながら、内容を理解します。

Trash Meのビデオでは、Robinが30日間毎日出るゴミを着る実験のスタート時点で話しているので、be going to / willが何度も出てきます。文法のポイントとしては、未来形の使い方を覚えるのに適しています。

課題のWho is Robin Greenfield? の答えは、オンラインチャットなど全員の答えが共有できる場所に一斉に書き込み、情報を共有します。(私の場合は、大学で導入しているPlatformがTeamsなので、意見交換専用のチャネルを作って利用しています。)その上で、Robinの活動や、このビデオの主旨をみんなで確認します。この時大事なのは、答えに自信があってもなくても、書き込むことを奨励すること、間違っていても否定せずに、みんなで意見を出しながら正しい情報を共有することです。

■Pair work: 30 Days of Wearing My Trash in Los Angeles
次に30 Days of Wearing My Trash in Los Angelesのビデオを見ます。まず全員で見て、わからないことは質問してもらいます。クラスによりますが、30人前後の学生がいる授業で質問を促してもなかなか出てこないことも多いのが日本の大学生の現状です。ただ、質問しやすい、質問した方が得だと思える環境を作ることはとても大事です。

その上で、ペアになり、ビデオを見て、協力して質問の答えを考えます。ペアで一緒にビデオを何度でも見て、答えを探します。この時、英語の字幕は見てもOKとしますが、YouTubeで使える日本語の自動翻訳字幕の利用は奨励していません。自動翻訳が正確でないということもありますが、それ以上に、目的は聞き取りに挑戦することで、正しい答えを出すことではないからです。学生たちには、チャレンジすることが大事であることを最初から明確にしておきます。ペア活動中、教員はグループを回って、理解の促進のための質問をしたりヒントを与えたり、学生の質問に答えたりします。

ペアで出した答えは、授業で使っているプラットフォームの共同作業スペース(例えばTeamsならClassNotebookのCollaboration Spaceなど)に2人で協力して書き込みます。クラスのレベルによって英語でも日本語でもOKとします。その後、各グループの答えを全員で共有してビデオの内容を確認します。

■自分の意見を発表・共有・ディスカッション
最後に、ビデオでRobinが投げかけている質問、
So what do you think? Is this ridiculous? Is it time for change?
に対する自分の考えをまとめます。
Robin is living a near zero waste lifestyle and asking you to join him.  Do you think you can join him?  If not, what do you think you can do?
といった質問を追加してより具体的に、Robinの活動についてどう考えて、自分ならどうするかを考えます。

このような問いかけをすると、「素晴らしい活動」「ゴミ問題を考えるいい機会になった」などと当たり障りのない肯定的な意見が並びがちですが、そうではなく、Robin の活動に疑問を感じたり、共感できないところがあれば、それも積極的に言ってもらいます。もちろん、肯定するにしろ否定するにしろ、意見をいう際には必ず理由を述べることを徹底します

この意見もチャネルに書いて発表したり、あるいは少しまとまったプロポーザルを作って、Flipにビデオをアップロードしたりして、全員で共有し、コメントしあいます。この部分は、次回までの課題としてもよいと思います。

機械翻訳、生成AIの活用について

自分たちの意見を英語にするにあたっては、Google TranslateDeepL そして、ChatGPTを活用することもOKとします。Google TranslateやDeepLの場合、まず翻訳する日本語の文を極力短くて、シンプルな平易なことばを使います。訳された英語で知らない表現が使われていたら、そのまま話さず、再度検証して、自分たちが理解して話せることばにします。長い日本語を書いてその翻訳をそのままコピペするのはNGとします。

ChatGPTを使うときは、自分で書いた英文を、「〜という意味で書いた文です。文法の間違いや意味の不明なところを指摘して、どこが違うのか、どうして意味がわからないのか教えてください」といったプロンプトでチェックしてもらうといいと思います。

機械翻訳やChatGPTを使った場合は、よりよい使い方を提案して、学生たちのAI活用のリテラシーを上げるために、何をどのように使ったか申告してもらうこともあります。

Google TranslateもDeepLも読み上げ機能がついていて、ChatGPTもChromeの拡張機能で音声でのやりとりができるので、話す時の発音やイントネーションのチェックも可能です。読み上げではGoogle TranslateやTeamsのイマーシブリーダーの精度が高いです。

●今後クラスで使うワークシート、関連情報リスト等も公開予定です。