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なんだかたまに思い出す、青春みたいな老夫婦。

ある老夫婦のことを、たまに思い出す。
何年か前に焼き鳥屋に一人で行ったときのこと。

普段あんまり外食しないほうなんだけど、
ポイントが使えたかなんかで行ったことのない焼き鳥屋に行った。
その店にはその一回きりしか行ってないんだけど、
その時カウンターの一つか二つ空けた隣に後から老夫婦が入ってきた。

最初は大人しそうな、優しそうな老夫婦だな。ぐらいだったけど、
二人の声が聴こえてくると、もう意識はそちらに取られていた。

まずはおじいさんのほうが柔らかく、でもハキハキとした口調で
注文したりおばあさんに話しかける声が耳に入ってきた。
おばあさんは控えめに、おじいさんに寄り添うような相槌を打っている感じ。
二人の間には、窺うような感じや気を使うような空気が本当に皆無で
すげぇ温かい雰囲気がずっとあった。
その時点でもう惹かれるところはあったけど、
お二人に少しお酒が入ってからか、もっと惹かれていく。

おじいさんは、本当におばあさんに心を預けきってるんだなぁって感じで
楽しそうに話しかけている。
そしておばあさんはその話に対してめっちゃ笑う。声も出すけど周りに障らないボリュームで、でも多分おばあさんにとっては全開で、めっちゃ笑う。

二人の会話が温かすぎてチラッとそちらに視線を向ける。
おじいさんもめっちゃ笑ってる。めっちゃ楽しそう。
その穏やかさから、菩薩の如く。と言いたいが、
でも最高に人間らしく曝けきった笑顔。
自分史上、最アジャストの”微笑ましい”を見た。

大人ってさあ、夫婦だろうと元は他人で、
どっか窺ったり気を使ったりあるじゃないですか。
皆無なんですもん。この老夫婦。
ほんとに、人生で出会したことないレベルのほんわかさだった。

酸いも甘いも越えた大人が、青春してる若者を見守るような目で、
何十歳も上の方を見てしまってたあの光景。雰囲気。
憧れなのか、癒しなのか、時々この二人のこと思い出すんです。


そんな老夫婦がいたんですよぉ~。


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