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塚田女流初段による指導対局の振り返りと感想
昨日、あの塚田女流初段によるオンライン指導対局を受けてきました。
1時間6000円です。
1時間6000円って、キャバクラとかと同程度なのでしょうか?
いや、そういうとこ行かないから知らないけど。
本当に知りませんよ!
…だいたいそんなとこ行くぐらいなら新宿二丁目のバーに行くし。そっちの方が絶対に楽しい。(そういえば最近行ってないな…)
はい、で、ご指導いただいたのですが、手合いは二枚落ちにしていただきました。
初段は二枚落ちっていうのが相場ではないでしょうか?
二枚落ちとは、ハンデとして最初から飛車角なしにしてくれることです。
で、直前まで戦法は迷ってました。
居飛車の急戦系で行くか、四間飛車でじっくり囲ってから行くか、どちらかにしようとは思っていましたが。
どちらかといえば居飛車にして、さくさく対局を終わらせてもう一局してその時に四間飛車にしようかという気持ちだったのですが、気が付いたら四間飛車にしていました。
二枚落ちは、二枚落ち用の定跡があるのですが、平手と感覚が違いそうなのが少し嫌なので、なるべく普段と同じ戦法を使いたいと思っています。
ということで四間飛車を採用したのですが、
そのもろもろの諸事情を塚田女流初段にお話ししたら、「だったら四間飛車も普段と同じじゃないですね(笑)」的なツッコミをいただきました。
私は生粋の居飛車党ですからね。
さすが塚田女流初段。
的確なのは指し手だけではありませんでした。
■対局振り返り
将棋は駒落ちの場合、上手<うわて>(駒を落とした方)を、本当は先手番なんですけど棋譜の符号は後手番のように書きます。
で、下手<しもて>(私)は、本来は後手番ですが、棋譜の表記は先手番のように書きますので、以下のそのように書きます。
で、私の方針としては、"手堅く"です。
美濃囲いから場合によっては高美濃、銀冠と囲います。
四間飛車はバランスがいいので、その間上手は手を出しにくいはずです。
自由に王様を囲えます。
とはいえ、美濃囲いができれば十分ですので、じっくりと攻撃態勢を整えて仕掛けました。
66の銀が威張っているような感じがします。
上手に飛車角がないので、このあたりは塚田家顔負けの攻めっ気100%の駒の配置です(←たぶん意味が違う)。
以下7筋に飛車を振り、棒銀的な感じで攻めました。
上の図から飛車を7筋に振り、飛車+銀という超基本的な仕掛けを行います。
そのまま攻められたら面白くない上手は、△64歩▲同歩△同銀と、銀を守りに持ってきます。
なるほど、と思いましたが、▲65歩と弾いて以下△73銀と進みます。
ここから一気に銀を捌きに行きます。
上手は飛車角がないので駒を打ち込むスペースが多く、駒の交換は下手が有利そうです。
以下▲75歩△同歩▲同銀△74歩▲64銀△63歩▲73銀成△同桂で下図。
上手の83にある金が浮いています。のちのち72銀と打ち込むような手がでてきそうだと感じていました。
図から7筋を突破するのは難しそうと思ったので、飛車を6筋に振りなおします。
こういう飛車を自由自在に動かく感じ、好きです。
ちなみにソフト検証したら、この局面で68飛と振りなおすのは最善に近い手でしたので、自分を褒めたいと思います。
で、以下▲68飛△75歩▲74歩と打った局面。
塚田女流初段に、この74歩を褒めてもらいました。
褒められると嬉しい。
△同金は▲83銀で良さそうです。
△85桂は、どうだろう。ソフトは64歩や77桂を推していますが、どういう方針で指せばいいんでしょう。
聞いとけばよかった。
下手の感覚としては、歩と桂と持ち駒の銀で角頭と飛車のコビンを圧迫されて嫌な感じです。
本譜は△同金と取りましたので、以下狙いの▲83銀に△85銀と受けてきます。
あぁ、85銀は見えていなかった。
こちらとしては角頭にプレッシャーを掛けられるのは嫌なので、攻防に効いたさすがプロの手だな、と思っていました。
角頭のプレッシャーが何より嫌だったので▲74銀成△同銀と金銀交換しました。
銀には引っ込んできてもらいましょう。
これはこれで損していないので悪い展開ではありませんが、85銀のときに▲86歩と突く手がよいとご教授いただきました。
何度も書いていますが、私としては角頭に銀が来るのは嫌です。
でも実際に、例えば87銀成と攻められる展開になったとしても、79角とかわしておけば上手にそれ以上の攻めはありませんでした。
上手は7筋8筋に歩を打てないのが大きいです。
となるとこの歩突きは気持ちの良い手になりますね。
なるほど。
下手は上手に成駒を作られるのを、当たり前ですが嫌がります。
なのでそうならないように指します。
角頭なんてまさにそうなんですが、そのあたりが、今回は大丈夫だ、と読めるようになると、実力が付いたことになるのでしょう。
で、本譜は以下の局面になったわけですが、
飛車先の突破はできないと判断した私は、角のラインを活かした37桂~45歩の攻めを目指しました。
イメージとして、▲45歩△同歩▲同桂△同桂▲11角成のような展開になればいいなと思っていました。
この構想は、塚田女流初段にお褒めの言葉いただきました。
褒められると嬉しい。
局面は進んで以下の図
37桂~45歩で攻め込みましたが、11角成は実現せず。
やはり当たり前ですが、上手は細かいところで自分の読みを圧倒的に上回ってきます。
で、いろいろ駒がぶつかっていて、ぱっと見はなんかよく分からない局面です。
下手としては、一歩間違えると4筋のところからぽろぽろと駒をはがされてしまうのが怖いところです。
少し読みを入れました。(←たいして入ってない)
読み筋は、▲55歩△47歩成▲同銀△55歩▲同角で、44や53に駒を打ち込んでいったり、73角成と攻めてどうか、と思っていました。
上手も下手も駒をぼろぼろ取りまくるので、「取って取って取って取って取って、打って取って取って…」と呟いていたのがきっと塚田女流初段の耳にも届いたことでしょう。
取って取って…という展開を読むと、持ち駒に何があるのかがすぐわからなくなるので、何度も1から読み直さないといけません。
何度も呟いていました。
脳内は「こっち銀何枚になるんだっけ。よし、読み直そう。取って取って取って…じゃあここに打ち込めるから打ち込んでいけばいいか。でも上手って何か駒打って守れるんじゃ。何あんだ? えーと、取って取って…だからこれがある。じゃあ角成って、桂馬が入って、桂馬と銀とでうまく攻めれるかしら…、あれ、銀は何枚なんだったっけか? えー…取って取って…」といった感じです。
で、「取って取って…」の部分だけ声に出ちゃいます。
で、読み筋通りに指そうと思い、▲55歩△47歩成と進んで下の図。
さあ予定通り同銀かな、と思いましたが、▲同銀に△57金があることに気づきました。
飛車銀の両取りです。
これが怖くなり、予定変更。
さんざん「取って取って取って取って…」とぶつぶつ呟いてたくせに、いきなり手が止まりました(笑)
とはいえその手に気づいたので、シメシメと思っていました。
相手の攻めを事前に封じることができます。
△38と▲同金となった形は、安全そうなので、▲54歩と攻めることにしました。
塚田女流初段からは、上図からの▲同銀△57金は、一見嫌かもしれないけど怖がることはない、とのことでした。
両取り逃げるべからずで飛車を放置して攻めるのがよいそうです。
一応ソフトでも調べてみましたが、ソフトさんもその変化はマジで問題ナッシングだそうです。
確かに言われてみれば、68に金が進んだ局面は、その金が働いていなく、攻めるのには時間がかかりそうで、その間に下手が攻め切れそうです。
あの57金を見つけてそれはさせないぜとちょっと得意気になった私はアホのようです。
とはいえ、「へぼ将棋 王より飛車を 可愛がり」の精神で飛車大好きなので、そんな手は指せませんでした。
ていうかこのへん、感想戦でもっと長手数のいい感じの手順を言っていただいたのですが、ちょっと手数が長すぎて覚えていません。
感想戦しているときは符号だけで盤面を追うことができたのですが、もう忘れてしまいました。
画面共有とかしてもらえばよかった。
で、攻めあって以下の局面。
下手は、飛車が攻めに活躍していません。
角はうまく使えば大技が決まりそうです。
しかし持ち駒が少ないので一気に寄せるのは難しそう。
そこで私は、▲42金△同玉▲53銀△32玉▲42銀と、腹銀から33角成を狙おうと思いました。で、42金同玉まで進んで私はあることに気づきます。
△28金で詰むやん!
直前に「私カナ駒持ってますからね。うふふふふ」と塚田女流初段は素敵な笑顔を見せていましたが、そういうことだったか。気づいてなかったー(笑)
その前の手でたまたま王手していたからよかったものの、もし必至級の手とかを見つけていたら、間違いなく自信満々でその手を指していました。
どや顔していたかもしれません。
危ない危ない。
ということは、予定していた腹銀は打てません。打ったら死にます。
でも53銀は悪い手ではなさそう、と思い、銀を打ってからと金を払いました。
しかしその瞬間、ズトンと来ましたね。
ふんどしの桂です。
なんとまぁきれいに決まっていますね。
これはやらかしてしまったんではなかろうか、と思いました。
しかもこのとき持ち時間は使い果たして1分将棋になっています。
1分将棋の中であれだけ読めれたのは自分を褒めたいと思います。
まずどちらかを取られても自玉は安全であること。
まぁ角の場合は王手の筋があるので両取りヘップバーンには気を付けないといけませんが。
それと、▲33角成△同玉▲25桂△22玉▲33銀で、あと1枚銀が入れば後手玉詰みそうなこと。
銀は飛車先に落ちているので拾えば勝てそうなこと。
正確な詰み上がりまでの手順は読みきれていませんでしたが、まぁほぼほぼ詰んでるっしょと、思いました。
しかし、です。
しかし、大駒を2枚とも切るのはハイリスクです。
まさにハイリスクハイリターン。
ハイリスクハイリターンを辞書で調べたら、上の図が載っていてもおかしくありません。
で、おそらくそれで勝てると思って踏み込みました。
以下▲33角成△同玉▲25桂△22玉▲65飛△57角。
なんと、この57角は全く見えていませんでした。
13の地点を守っているので、下手したら詰まないんじゃない? と思いました。
さすがプロ…。
が、よくよく読めば詰みそうなのが分かりました。
上手からはこれ以上の攻めはなさそうです。
以下は鮮やかに決まったと思っています。
▲48金△65桂▲33銀△12玉▲13銀△同角▲同桂成△同玉▲31角△12玉▲22角成まで。
33銀から9手詰めですか。
実戦でこのぐらいの手数を読み切って勝つのは非常に気持ちいいです。
■感想とかいろいろ
一局を通して、中盤はやっぱり難しかったけど、なんとか上手の攻めを抑えて、攻め切ることができた。という感覚でしたが、上手側としては「成すすべがなかった」そうです。
ためしにこの辺怖かったな、という局面を反転して上手目線で見てみましたが、たしかにこれでは攻めのきっかけがなく、おもしろくないようにも見えます。
どうにかして攻めの拠点を作りたい、という感じでした。
私が必要以上に怯えていたようです。
まぁ、塚田女流初段は可愛い顔して可愛くない手を指してきますからね。
天使のような微笑みを見せて悪魔のような手を指してきますからね。
あたし普通の女の子なんですオーラを出しながらぜんぜん普通じゃない手を指してきますからね。
美しい花にはトゲがある、です。
で、私の指し手について、悪い手はなかったとのことでした。
多少の甘い手はありましたが、会心譜だったそうです。
ネットだとだいたい1級で指してますと言うと、初段はありますとのこと。
嬉しいですね。
棋力について今までは「だいたい初段ぐらいです」と言っていましたが、これからは「塚田女流初段お墨付きの初段です」と言うことにします。
今回は2回目のオンライン指導対局ということで、初回よりも自然な雰囲気で臨めました。
というか、今回ひそかに用意していた真の作戦は、対局中にぶつぶつと自分の読み筋を喋る、ということです。
数回ほど将棋実況をしてみた経験で、ある程度読み筋を喋りながら指すことができるようになりましたので、対局中もちょいちょい会話させていただきました。
オンラインマンツーマンだからこそできることだと思います。
で、最近は必ずソフト検証をしていることから、感想戦でもどこを検証するかというのがスムーズになりました。
あれ、もう感想戦終わりの時間っすか? ってくらい短く感じました。それくらいちゃんと感想戦ができていたのかと。
振り返りたいポイントがはっきり言える、というのはここ最近の取り組みで成果が出たことだと思います。
前回指導対局では基本無言で指していたので、明るい雰囲気とは言い難かったのですが、今回はおかげさまで、楽しい雰囲気となりました(前回が楽しくなかったわけではないですよ!)。
そんな塚田女流初段にはせっかく指導対局をしていただいたという縁ができたので、これから特に応援しよう、と思います。
んが、塚田女流初段が各棋戦でどれくらい活躍しているのか、ぜんぜん知らない…。
このことは猛烈に反省して、すぐに調べました。
直近の棋戦では、マイナビ女子オープンで本戦ベスト4まで行っており、タイトル挑戦した加藤桃子女流三段に敗れております。
それ以外の棋戦は…なかなか予選突破ができていない、といった感じでしょうか。
残念ながらトップ棋士といえる立ち位置ではないようですが、でも一般的な考えだとまだ若いので実力の伸びしろは十分にある、と思われます。
将棋界的にどうかは分かりませんが。
でも例えば折田四段が奨励会退会後に実力をつけてプロになった例を見るように、年齢で考えるともっと強くなって、タイトル獲得も十分に可能性のある話だと思います。
あの米永永世棋聖だって、デビュー年度は負け越していたくらいだし、人はいつ覚醒するかわかりません。
一ファンとしてノーテンキに応援していこうと思います。
最後に指導対局について、どのように活用していくかですが、これは前にも書いたかもしれませんが、指導対局を行うことで気力が向上する、とはあまり思っていません。
定期的に指導を受ければ違うとは思いますが、月一や数か月に一度とかいうレベルでは、どうなのかなと思います。
お金持ちではない私にとって1回6000円は気軽には払えないです。
では何に価値があるのかというと、人に指導してもらという人との繋がりを感じることと、やはりプロと直接コミュニケーションを取ってモチベーションが上がるということです。
普段は無機質なソフトを相棒にしていて、それはそれで面白いのですが、やはり生身の人とは当然違います。
それと塚田女流初段の場合、オンラインマンツーマンはZoomでお互いの顔を映しながらするスタイルなので(今は)、普段のネット対局よりも人と指している感じがあります。
はい。いろいろ言いますが、これらを一言でまとめると、楽しいんです。
将棋をしていることが楽しい。
指しているときも、指した後も楽しい。
それが一番だと思います。
最後の最後に、塚田女流初段から半年で三段になるのは可能、とのお言葉いただきました。
今回の指し回しをみての言葉だと思っています。
その言葉を信じて、邁進していきますよー!
最後の最後の最後に。
二枚落ちに四間飛車はおすすめです。
私、塚田女流初段に「二枚落ちの勉強なんてぜんぜんしてないっすよー」と言ったのですが、それ嘘です。
勉強してました。
高橋道雄九段の『駒落ち新定跡』という本を読んでました。
平手と同じ感覚で駒落ちも戦おう、という趣旨の本で、そこに書いてあった四間飛車を採用したわけです。
そしたら完勝したわけです。
分かりやすい本なのでオススメです。
以上。
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