見出し画像

『弱虫ペダル』ファンによる辛口感想

先日、ついに84巻が出版された本作。表紙はとうとう目が赤くなってしまった御堂筋翔くん。

※本編だけで無く、『SPARE BIKE』、劇場版アニメ等のネタバレも含みます。
※ファンですが、敢えてダメ出し多めの辛口な感想を書いています。


0.はじめに(飛ばしてOK)

本作にハマったのは、今年の初めとつい最近である。存在自体は10年程前から知っていた。たまたまテレビのチャンネルを回していたところ、アニメ放送が目に留まり、「おー弱ペダじゃん、懐かしい」と軽い気持ちで観ていたら、「え、めっちゃ面白くね?!」と気付いてしまったのである。
確か、その時観たのは御堂筋くんリタイヤ直後で、今泉から背中を押された小野田が真波を追い掛ける場面。2年目IHの最終局面だった。唯一知っているキャラクターが御堂筋くんだったので、「御堂筋くんぶっ倒れているんだが???」とかなり驚いた。

そこからNetflixで全話視聴し、漫画も絶賛愛読中。これは辛口感想を書く理由だが、2年目からは徐々にストーリーよりキャラ萌えでしがみつく様になってしまった。
所謂箱推しに近いが、巻島最推し、次点で御堂筋くん、石垣、鳴子、といったところだろうか『SPARE BIKE』も最新巻まで読んでおり、本編では特にノーマークだった金城、荒北も好きになりつつある。

ちなみに、筆者は腐女子でも夢女子でも無い。かと言ってそういった文化を否定するつもりは無いし、原作漫画を読んで「BLじゃん!」と思う事も「も、萌え〜!!!このキャラと付き合いたいんだが?!」と思う事もある。
本作に関しても、いくらでも萌え語りは出来るが、"女オタクさん"としてでは無く、一介の"オタク"として、1年目IH以降を中心に敢えてダメ出しをしまくろうと思う。

1.道路交通法の神に背きし者 川田

連載当時も一部地域で炎上したそうだが、5chの本スレでは未だに叩かれている川田編。私も「これはダメだろ」と思う。
そもそも何の意味があったのか分からない、ただ作品のオワコン化を進めただけの不要なストーリーだが、川田の存在自体は肯定した上で感想を述べる。

まず、「杉元に勝てたから小野田もイケるだろw」という流れにしたかったのであれば、杉元が自らタイム差のハンデを提案して、道路交通法違反、それでようやく川田辛勝、くらいにしないと、杉元がこれまで積んできた努力が一気に水の泡である。
杉元というキャラクター自体は好きでも嫌いでも無いが、2年生の時はこれまでの態度を改め、IHメンバーを狙おうとしたところは素直に応援していた。流石に僅かなショートカットだけで初心者同然の川田に負けてしまうのは可哀想である。3年目もIH無理じゃん…。

また、「小野田が事故に遭う危険性を明確に意識した上で勝負を挑む」というのは問題があり過ぎる。そこまで下衆なら、真っ向勝負(と言っても小野田はちゃんと練習した後なのでハンデ付きだが)で大差をつけられ小野田に完敗、じゃないとモヤモヤする。

レギュラーメンバーに下剋上するキャラというのは悪くないし、突飛な発想では無い。多少事情は違うが、『SLAM DUNK』の三井みたいなパターンもある。
しかし、川田はあまりに性根が腐っている。三井の様に、元々実力者という訳でも無い。ロードレースとしてのルール違反どころか、法律を犯しているのは、フィクションとは言え、現実のスポーツに則している作品としてやってはいけない描写だと思う。"漫画のキャラ"である事を理由として、ヒールな部分を強調する為に違反行為をさせるならば、それなりの制裁を受けなくてはならない。そういった因果応報が、本作では全くと言って差し支え無い程、描かれていない。

更に、川田の回想シーンも何一つ同情出来ない内容。人一倍努力した訳でも無く(本人はそのつもりらしいが)、テニスやロードが好きな訳でも無く、単に「周りから注目されたい」という馬鹿みたいな動機でスポーツに取り組んでいる事が判明する。「あんな凄いプレーが出来る選手になりたい」じゃないのかよ。承認欲求自体は悪いものだとは全く思わないが、他人を巻き込むレベルの承認欲求オバケは腹が立つ。なろう系読んでシコってろ。

私はスポーツ全般苦手で、観戦する興味も無いのであくまで憶測だが、スポーツ選手と言うのは「目標を達成したい」という気持ちが一番強いんじゃないか?
プロになれば、仕事なので「ファンからの期待に応えたい」という使命感も芽生えるだろうが、中高生くらいならば周りからの評価どうこうより、自分との戦いや目標に主軸を置くものなんじゃないだろうか。そしてその為には、監督や先輩のアドバイスを率先して求めるものなんじゃないだろうか。

試合に負けた=目標を達成出来なかった癖に、周りからの意見に全く耳を傾けず、挙句うざがっているのは意味不明。百歩譲って「注目されたい」という動機に共感するにしても、注目されるには上手くならないとダメだろ。ひたすらマジレスしているこちらが恥ずかしくなってくるくらい頭が悪い。その上、子供の頃から一貫して人間性が終わっている。それを強調するだけの回想。

そしてあれだけ酷い事をしておきながら、オチは小さい数コマで頭下げているのが描かれるだけ。結句、そのまま部に居座るという謎ムーブ。私だったら、部員全員の前で土下座して退部するが…。頭も性格も悪い上に、面の皮まで厚い。
最悪、心を入れ替えて自転車部に籍を置きたいのであれば、事の次第を顧問に報告して、「部活動は認めるがレースは無期限出場停止」という処分を下されるくらいでは無いと、他の真面目にやっている部員からしたら堪ったものじゃないだろう。

2.ゴッドハンド 福富

先にも書いたが、本作では違反者に対する因果応報が描かれない。福富と金城の件はゴッドハンドとネタにされ、こちらも未だに叩かれている。
何であんな事件が田所のワンパンと温泉饅頭で解決しちゃうんだよ。歴とした違反行為であり、ラフプレイでは済まされない、未必の故意による殺人未遂を犯しているのに。
その点を何故か有耶無耶にしてしまう総北側にも問題がある。杉元もだけど、「負けたのだから黙っているのが男の矜持」みたいなノリは何なの?黙っている方が恥ずかしい、おかしい事だろう。

現実であれば、福富のあの行為は箱学、総北両サイドの監督から運営に報告し、箱学は部活停止になるような事件である。
しかし、そうすると箱学が使えなくなってしまいストーリーに支障を来すので、「焦りによる福富の無意識の落車に金城が巻き込まれた」程度にしておくべきだった。この件を除けば福富は魅力的なキャラクターなのに、自分の違反行為を隠して主将を務めるという厚顔無恥なキャラになってしまった。「俺は強い!」じゃあ無いんだよ。
本作では、どこの高校も顧問や監督といった大人の存在がほとんど現れないので、その弊害でもあるだろう。

3.アニメではカットされた陰のイカれ野郎 浦久保

こちらはアニメだと一瞬出て来ただけで、問題のシーンは全カットされたキャラクターなので、アニメ版だけの方はご存知無いだろう。広島代表・呉南工業高校のイカれ暴力野郎である。
私は、浦久保というキャラクターも、彼が仕掛けたロガー賭けも、回想も何もかも不愉快だったので、アニメスタッフの英断に拍手を送りたい。尺の問題もあっただろうが、IHという大舞台で「センサーチップを賭ける」というのはやり過ぎ、即刻出場停止だろう。

原作では、これに応じてしまった事で手嶋の株も下がった。仮にもキャプテンだろ、お前。こんな違反者のせいで大切なダチ・青八木の脚を使うなよ。
あと、これは浦久保だけでは無く『弱虫ペダル』あるあるなのだが、賭ける内容が極端で、賭けた時点で結果が分かってしまうのだ。浦久保は躊躇無く手嶋のセンサーチップを捨てるだろうから、手嶋が勝つんでしょうね、といった具合に。

回想もたっぷりあったが、川田と同じレベルで同情出来ない。
川田と違う点は、浦久保は庭妻を喜ばせたいという気持ちがあった点。とは言え、「勝って喜ばせたい」という目的の為にラフプレイをしまくって、結果として庭妻に迷惑を掛けている。
もう一点川田と違うのは、完全なる故意で待宮に大怪我を負わせている点。頭が、おかしい。そしてそれを気にも留めず、IHメンバーにしてしまう待宮。頭が、おかしい。

4.IH2年目の展開がほぼ1年目の焼き直し

一番残念なのがこれ。渡辺先生は『弱虫ペダル』を描くまで辛酸を舐めていたそうだから、ここまで人気が出ると思わず、1年目に総北が勝ったのはまあ仕方無い。それでも1年目は本当に面白かった。漫画として荒削りな部分もあるし、ツッコミどころはあるのだが、それを上回る魅力があった。
これは2年目も楽しみだな、とワクワクしながら蓋を開ければ、2年目も総北優勝て。2年目も小野田が総合優勝て。
個人的には、福富の「箱学、総北、京伏という3強の時代が来る」発言で楽しみにしていただけに残念。その予言通り、2年目は京伏が優勝して欲しかった。今となっては後の祭りだが、理想という名の「ぼくがかんがえた さいきょうのよわぺだ」は、

1年目
→1位 箱学、2位 総北、3位 京伏
2年目
→1位 京伏、2位 箱学、3位 総北

だった。まさか2年連続同じとはね。夢にも思わないよね。ところがどっこい……夢じゃありません……!

2年目IHを思い出せる限りで振り返ってみる。かなりうろ覚えなので所々違うと思いますが、ご了承下さい。

まず1日目、ゼッケン1を着けた事で、他校から徹底マークされた小野田が後ろから先頭まで追いつく。
その後の流れは覚えていないが、確かスプリントは銅橋VS青八木・鏑木で銅橋勝利、山岳も箱学、優勝も箱学だった筈。

続く2日目、スタートから鏑木が不調で置いていかれる。この時点で、「あれ…?」と引っ掛かり始めた。
青八木が鏑木を連れ、後続からヒメヒメで先頭まで追い上げ。広島による後続集団への裏切り、それに騙される熊本
…既視感ってレベルじゃねーぞ!学校まで同じってある意味凄い。その後も記憶喪失してる。御堂筋くんが優勝したのは覚えている。

3日目、今泉がポキられ仕事しなくなり、鳴子が頑張り過ぎて失明リタイヤ、今泉が覚醒。覚醒今泉VS御堂筋くんで御堂筋くんリタイヤ。小野田VS真波で山岳ゴール争い。小野田の優勝。
なんと、全部同じ展開でした…。

5.弱泉くん、ポキ泉くん

個人的に、今泉のメンタルの弱さが非常にムカつく。弱いだけなら良いのだが、レース中にも拘らず周りに当たり散らして何もしなくなり、他のチームメイトにひたすら引いて貰うだけになるのが嫌。格ゲーで5回連続負けた小学生みたいなキレ方。1年目はまあ良いとして(エースに引かせ続けるのヤバいけど)、2年目はその反省を活かせよと思う。
2年連続その犠牲になる鳴子にはめちゃくちゃ同情する。2年目最終日、一人で箱学と御堂筋くん達を抑えてたのは凄い。とは言え、御堂筋くんがトリッキーな動きをするのくらい、いい加減読め。他の奴ら。

6.雑魚キャラになってしまった御堂筋くん

そんな、試合の流れを撹乱する不気味なヒールキャラであった筈の御堂筋くんが、2年連続リタイヤというのも納得がいかない。お陰ですっかり雑魚キャラに成り下がってしまった。御堂筋くんの凄さを語りたくても、「でも2年連続リタイヤでしょ?」と言われたらぐうの音も出ない。
石垣の助言で、3年目は他の部員に頼る事を覚えそうな気はするが(ただし友情パワーでは無い)、3年目も総北優勝は間違いないだろうから、あまり期待はしないでおく。せめてリタイヤは免れて、最終日のゴール争いに絡むくらいはあって欲しいが…。

好きなキャラなので、彼が堕ちていく様を見るのが悲しい。1年目の不気味な強キャラ感はなんだったんだ…。
新開兄をぶっ倒したシーンは最高だった。能力も技術もありつつ、「新開兄を潰す意味」まで考えているところが格好良かった。2年連続リタイヤしてしまった事で、「体力が無い」「ペース配分が出来ていない」という印象になってしまった上、智将っぽさも薄れてしまった。

ファンとしては「御堂筋くんは他のチームと違って、ザクだらけの中、一人で頑張ってるから!」とフォローしたいところだが、小野田と言うバケモノが居るのでフォローにならない。
小野田は一人で走ったり、怪我している人を引いたりして、その上で完走どころか個人総合優勝までしている。一方、途中までザクに引いて貰っているにも拘らず、力尽きてリタイヤしてしまう御堂筋くん…。相対的に、アシストを務めた石垣、水田の株が上がるのだが。水田に関しては、確か2年連続完走しているし。

今のところ、京伏の見込みあるルーキーは八丁堀のようだが、個人的には石垣みたいな、実力もあって御堂筋くんを一人の人間として見てくれる人格者キャラが現れて欲しかった。八丁堀は実力はありそうだが、御堂筋くんの純粋さに気付けるようなタイプには思えない。
こやつも良心枠では無いが、また小鞠が浮気しない事を祈りたい。あれだけ御堂筋くんに心酔してロードの世界にまで飛び込んできたというのに、その御堂筋くんを見捨てたのは許し難い。石垣も言及していたが、小鞠がゴール前まで引いていたら、御堂筋くんが優勝する可能性もあっただろうに。

7.手嶋のキャラ変更

1年目のチーム2人は「頭脳の手嶋・体力の青八木」という感じでお互いの欠点を補い合いながら、自分の強みを最大限引き出す戦い方に好感を持っていた。
合宿のチーム2人VS信号機はドキドキした。信号機達に勝って欲しいと思っていたが、チーム2人の結束力や知略を見せられ、気付いたらどちらも応援していた。勝敗が決まった時は、信号機が勝って嬉しいという気持ちもありつつ、チーム2人と田所に感情移入して悔しさも感じ、何とも表現し難い複雑な気分になった。

しかし、2年目になり、頭脳担当だった手嶋も結局体力・努力キャラになってしまった。なのに彼が努力しているシーンが無いので、違和感がある。
青八木が箱学のスプリンターと互角に戦うのはまだしも、巻島にはっきり「センス無いっショ」と断言された手嶋が、山岳賞の真っ向勝負で真波とほぼ互角で戦えてしまうのはちょっと…。手嶋が強くなり過ぎていると言うより、真波が弱過ぎる、という印象になってしまった。

渡辺先生曰く、2年目IHは手嶋の為のレースだったそうなのでこんな事を言うのは野暮なんだろうが、手嶋より古賀をレギュラーにするのがチームとしては妥当だろう。IH前ミーティング用に、レースでは無いとは言え一人でコース走破してるし、1年目からIHメンバーに入っていたし、明らかに実力は手嶋より上だ。
手嶋がサポートに回る事で、青八木が「純太の想い…!」って覚醒するパターンでも何も問題は無かった。他にも、京伏の様に、手嶋が前夜のミーティングで作戦提案し、レース中に想定通りの展開になって「手嶋さんはここまで読んでいたのか…!」といった塩梅に活躍させる事も出来た。

8."王者"では無くなった箱学

2年連続総北が優勝してしまった事で、優勝経験のあるメンバーも居なくなり、"王者"を名乗れなくなってしまった箱学。一番の被害者は真波で、小野田に負けただけならまだしも(2位も立派なので)、手嶋と互角に戦ってしまったが故に、格落ち感が半端無い。

最初に何人かラフプレイヤーを列記したが、箱学にも新開悠人という問題児が居る。こいつも本当にヤバい。
葦木場が一度悠人をシメた事があったが、ゴミのポイ捨てだけでは無く、あのラフプレイも注意するべきだった。ガードレールの低い道で小野田にタックルしたのアカン過ぎる。

私くらいしかこういう視点で同情していないと思うが、家庭環境が悪いのは可哀想だと思う。赤の他人から兄と比較されるのはどうしようも無いけれど、実の親まで「そのレース、隼人は優勝したわよ」と言うとか、レースだけで無く悠人が箱学受かった時も、大学に受かった隼人ばかり褒めてる様だったし、それは卑屈になるよな、と思う。
そういった点を抜きにすれば、悠人はそれなりに実力はあると思う。しかし、総北にも京伏にも"勝てるレベル"では無い。

格落ちした真波、互角以上の強さは無い悠人に加え、突然現れた元モブの高田城。
箱学側の練習シーンを描く時間が無いのかも知れないが、長々やっている慣例の追い出しライドで描けるのでは?
初期は確か「箱学は選手層が厚い」と言っていた気がするが、毎回IHメンバー以外は序盤から千切れるモブばかりで、そのレベルの中からレギュラー入りを果たしたとて、「こいつ凄そう!」とはならない。

高田城は頭脳派キャラらしいが、峰ヶ山ヒルクライムの惨状は耐え難いレベルだった。全然、頭良くないじゃん…。ステルスだのアイススケートだの、色々謎の走法を編み出しているがことごとくダサく、馬鹿っぽい。
御堂筋くん、手嶋と頭脳派キャラに失敗し続けているんだからやめれば良いのに、と思わずにはいられない。

箱学は、あと二人レギュラー入りする新キャラが登場する必要がある。選択肢は二つ、2年連続で負けたチームでレギュラー落ちした人物か、1年生ルーキーという事になる。
前者だと上記の理由で期待薄、希望を込めるなら後者だが、史上初の1年レギュラーを果たした真波すげえ!だったのが、悠人に続き3年連続となると、「箱学の選手層とは…???」という疑問が湧く。かと言って、葦木場や銅橋の様に「実力はあるが何らかの問題があって出られなかった」パターンを再々々利用するのも「【悲報】箱学、問題児が多過ぎる」というスレが立ってしまう。八方塞がりだ!!

ラフプレイもせず、実力もあるという点で唯一の希望の星は銅橋なのだが、残念ながら彼はスプリンターなのだ。現実では脚質に優劣は無い。しかし、『弱虫ペダル』の世界では、クライマーが一番活躍し、スプリンターは不遇な扱いを受けるという運命にある。見せ場は初日のスプリント勝負くらいしか無い。3年目も山岳ゴールで無ければ良いのだが…。

9.先輩は最高!という話

ここまでざっくり書いてきたが、大変失礼な事は承知の上ではっきり言ってしまえば、「渡辺先生は頭を使って漫画を描いていないのでは?」と感じてしまう。
週刊連載をこなしながら、月刊で『SPARE BIKE』も連載し、更に並行して『まじもじるるも』を連載していた時期もあり、他の自転車関連の仕事もこなして…と超人的な仕事っぷりだと思う。ちゃんと休んでいるのか心配になる。まあ、他の漫画家に比べたら体を動かしている分、健康そうではあるのだが。

ググったところ、これまで『弱虫ペダル』は3回しか休載した事が無いらしい。凄い事だ。しかし、2年目IHの展開があの様な形になってしまうくらいだったら、思い切って1、2ヶ月休載し、その間にネームを練って欲しかったというのが素直な感想である。

総北は現在、新1年生が続々と(と言う程でも無いが。2年連続IH優勝校なのに)登場しているが、今のところは特に応援したいキャラクターは居ない。2年目もそんな感じだった。現存(?)するキャラクターで好きなのは御堂筋くんだけなので、彼を見守る会の一員として緩く連載を追っている状態だ。あ、あと鳴子が失明せず完走出来ますように、と祈っている。
他のファンの方達もそうだと思うが、1年目は各校に魅力的なキャラクターが揃い過ぎていた。

アニメを全話観終え、漫画も連載に追いついて来たくらいの頃に、熊本のレースに参戦する劇場版アニメを観た。
内容は、酷い。大きい女の子のお友達向けアニメだった。多分、純粋にロードレースが好きな人が観たらちゃぶ台ひっくり返すと思う。それなのに、実家の様な安心感。初期メンバーでヒメヒメトレインやるところなんて、本来「ふざけんな」と思うべきだろうに、嬉しくて泣きそうになった。やっぱり、先輩っていいね…。

そして、そんな先輩達が登場する『SPARE BIKE』の方が、本編より面白いと感じてしまうのは自然な流れだろう。
高校時代は敵チームとして鎬を削ったあのキャラとこのキャラが、同じチームに?!というワクワク感がハンパ無い。本編で、金城と荒北が同じ大学に進学した事がチラッと明かされただけでテンション爆上げ大臣に就任した。

…辛口感想のつもりが『SPARE BIKE』を褒め称える文章を書き始めてしまった。カットして、これはまた別途感想を書こう。

10.最後に

5ch本スレでは、主人公が強い漫画としてよく『ドカベン』『はじめの一歩』、たまに『キャプテン翼』が引き合いに出されるが、恥ずかしながら筆者はいずれも未読である。先述の通り、元々スポーツに興味が無いので、スポーツ漫画もほとんど読まない。ルールを覚えるのが苦手なのだ(同様の理由で麻雀や囲碁、将棋などを題材にした漫画も読まない)。あと、上に挙げた3作品の特徴として「巻数が多い」。今ググったが、『ドカベン』は48巻か…ギリ読めるかな…。
スポーツ漫画で読んだ事あるのは『SLAM DUNK』『ピンポン』『おれは鉄兵』しか無い。分かりやすく巻数が少ない。『おれは鉄兵』は31巻あるが、有効打が決まれば、ちばてつや先生がそれっぽい演出をして下さるので、面や胴くらいの知識しか無くても、テンポの良さも相俟って勢いで読める。

その為、辛口感想!と息巻いたものの、『鬼滅の刃』の様に比較する引き出しが皆無で、分かりにくい内容になってしまった。バトル漫画は「倒せば勝ち」だから分かりやすくて良いよね…。

そう考えると、スポーツ漫画でこれだけの巻数を読めたのは初の快挙だ。今後も御堂筋くんを見守る会の会員として楽しみにしたいところだが、はてどうなる事やら。
3年目IHでは、新しい展開が見られる事を期待しています。

この記事が参加している募集

推しのスポーツマンガ

無職を救って下さい。