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ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ(1909/2/11 - 1993/2/5)

 ポーランド系ユダヤ人の移民の子として生まれた彼ですが、脚本家から始まり後年名映画監督として、フラッシュバックがそのトレードマークの様に言われています(例えばジル・ドゥルーズね)。
 ただそれは一面で、何よりマンキーウィッツは「声」の映画監督だと思います。登場人物の声、演劇(シェークスピアなど舞台の映画化)、そして画面の外からだったり、主人公の“内的独白”なのか、幽霊なのか、所謂オフの声の巧妙な使用、結果フラッシュバックももちろんその一つの語り口として利用されます。そうして複数の視点からの語りによって構成されることが多い。マンキーウィッツの評価で文学的香りがといった記載は的外れです。それなら詩や小説を自分で読めばいい。明らかに映画でしか味わえない瞬間があり、何故なら声の魅力が大きいから。
 どの作品も大好き、壮大な失敗作扱いされることもあるクレオパトラだって痛快、ジュリアス・シーザーはシェークスピアの戯曲映画化のone of 最高峰だと思う(ジェイムズ・メイソン、声の映画!)。
 呪われた城 Dragonwyck (1946)
 記憶の代償 Somewhere in the Night (1946)
 幽霊と未亡人 The Ghost and Mrs. Muir (1947)
 ボストン物語 The Late George Apley (1947)
 他人の家 House of Strangers (1949)
 三人の妻への手紙 A Letter to Three Wives (1949)
 復讐鬼 No Way Out (1950)
 イヴの総て All About Eve(1950)
 うわさの名医 People Will Talk (1951)
 五本の指 5 Fingers (1952)
 ジュリアス・シーザー Julius Caesar (1953)
 裸足の伯爵夫人 The Barefoot Contessa(1954)
 野郎どもと女たち Guys and Dolls (1955)
 静かなアメリカ人 The Quiet American (1958)
 去年の夏 突然に Suddenly, Last Summer (1959)
 クレオパトラ Cleopatra(1963)
 三人の女性への招待状 The Honey Pot (1966)
 大脱獄 There Was a Crooked Man... (1970)
 探偵スルース Sleuth(1972)

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