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マヌエル・ロザンタール(1904/6/18 - 2003/6/5)のMusique de Table (1941)

 作曲者自身の説明によれば、フランソワ・ラブレー作のパンタグリュエル的大喰いの情景をいわば口実にした、とても難しく名人芸的な管弦楽のための協奏曲であると。難しすぎるとBBC交響楽団やニューヨークフィルで一度は演奏を断られた事があったと語ってます。全八曲からなり、題名には料理名が連なります。
I. Entrée des convives, Salade russe
 招待客の入場、ロシア風サラダ (オリヴィエ・サラダ)
 ファンファーレから行進曲、軽快な曲調と裏腹、演奏は確かにむづかしそう。

Salade russe


II. Matelote d'anguille
  ウナギの赤ワイン煮(ロワール地方の名物)
 水の音楽、主部は緩やかな三拍子。ドビュッシーの「水の反映」などを想起する。

III. Quenelle lyonnaises
 リヨン風クネル(魚のクネルにナンチュア・ソース)
 さらっとしたジャズっぽいストリングスやブギウギ。

IV. Filet de boeuf
  牛ヒレ(ヘレ)ステーキ
 金管と打楽器が活躍する行進曲調。
V. Jardinière de légumes
 野菜のジャルディニエール(バターでさっと火を通した野菜達、肉への付け合わせ)
 穏やかな流れ、チェレスタや木管のソロ。
VI. Cuissot de chevreuil
  鹿の腿肉
 ホルンが活躍して狩猟を連想する曲調。
VII. Salade de saison, Fromage de montagne
  季節のサラダ、山のチーズ
 スル・ポンティチェロの弦楽や消音器付き金管楽器の音色。上下する音階はカントルーブの「オーベルニュの歌」やヴァンサン・ダンディの山に関わる一連の交響作品を想起する。後半は田舎ワルツ調。
VIII. Bombe glacée, Corbeille de fruits, Café,  
         Liqueurs, Cigares, Conversation
         d’après dîner

 ボンブ・グラッセ、フルーツバスケット、コーヒー、
 リキュール、葉巻きたばこ、ディナーの後の語らい
 フィナーレはトッカータ、プロコフィエフの交響曲第四番のフィナーレ(どっちかと言えば初稿)を想起。

Bombe glacée

山田和樹さんか下野竜也さんあたりが取り上げてくれないでしょうか。

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