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サンバ・カーニバル in エレクトラ

https://youtu.be/9D-qaeYTqnc?si=GTcuXn8QY36CMLpN

 演出家Martin Kušej、日本語表記がバラバラなので今回このままいきますが、最初に触れたのはクラシカジャパンで放送された1998年シュトゥットガルトでのフィデリオでした。指揮がギーレン、序曲にレオノーレ2番使用だったか。軍事教練みたいな場面に続き…独房のフィデリオは完全に狂ってるし、大臣到着の後フィデリオは首を切られて死んじゃうし、でも血がついたまま起き上がって最後まで歌うし!何ですかこれはだったんですが、こんな物語を今マジメにそのまま上演なんて無理っていうことなんだろうなと朧げに感じました。新国立でのカタリナ・ワーグナー演出の先駆なのでは。カーテンコールはお上品なおざなりだったのがほんとの最後のKušejだけに盛大なブーで本人笑ってたんで笑っちゃいました。今をときめくカウフマンも出演。
 その後なぜかアーノンクールとのコラボが続く。モーツァルトのティート、ドン・ジョヴァンニ、魔笛、シューマンのゲノヴェーヴァ、ストラヴィンスキーの道楽者のなりゆき。他にマリス・ヤンソンスとのショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、ビゼー「カルメン」、ワーグナー「さまよえるオランダ人」、ドヴォルザーク「ルサルカ」なども映像収録されてます。「現代の日常的事象」を利用してそのネガティブな面を露出しながらオペラの世界にやや無理矢理置き換えあるいは換喩というか寓意というか。すぐ舞台上で着替え始めたり下着になりたがる。
 このところR.シュトラウスのエレクトラを意識して聴くようにしてて、まだまだ馴染めてはいないのですが、映像作品ではきっとパトリス・シェロー演出が極北なのでしょうが、とりあえず今の私には2005年Kušejとドホナーニのチューリッヒ収録が観やすい。ロメオ・カステルッチほどの訳の分からなさはなく、そうか程よく下世話というか俗っぽいんだなと感じてきました。つまり上記の「現代の日常的事象」というものの中からわざと陳腐なものを選択、で、クリシェと化してるんだと思います。前々回のシェローでいえばマッターホルンはクリシェですが、ベックリン「死の島」だと何となく格調高い感じって事なんだと。
 ちょうど人が腹をたてそな設定で、してやったりとほくそ笑んでるぢゃKušejさんは。それでサンバかい。
 残念ながら動画見つからず。

DVD解説書より

 どうせならもっとキレッキレで踊ったら絶対にいいのに(劇場付きのバレエ団員?)、よっこらしょどっこいしょ(てこれはelektra のtanzなんだから)で、結局ね、色々言われるけど、Martinって実は真面目なのよ、生真面目すぎんの、バリー・コスキーとかとは大違い。だから喜劇は無理みたい(個人の感想です)。

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