見出し画像

検討の反省(2022年2月6日)

昨日の「かけつぎ」でのひとこま。

【実戦図】1~30

 定先の碁。黒番(三段)の参加者からここでどこが大きいかと問われた。

図1 キリが大きい

 やはり気になるのはこのキリだ。滅茶苦茶でかそうである。正直この場面より早く打ちたい。少なくとも・・・

図2 ノゾキからキリ

 実戦黒29のマゲを打たずにノゾキを利かして切る。これが第一感である。

 「滅茶苦茶でかそう」では理由にならないので、でかい理由を言語化すれば次の通り。

図3 白からの下がり

 キリの価値は白の下がり(本図白2)との出入りを考えてみればよい。

 2図は黒が隅で実利を得、さらに白全体を不安定にしている。それに対して3図の白は大きな実利を確保して、活きは盤石である。さらに左辺の黒模様が裾空きになっており、模様削減や荒しが容易になっているのも見逃せない。黒Aと受ければ裾空きは解消するが、白2のような効果的な手を先手で打たれるのも激痛である。

図4 すぐさま打つ

 従って左上の形ができた瞬間に覗いて切りたい感じがする。実戦黒19で図のように打つのは有力だと思う。

図5 白も早めに打ちたい

 白の方も早期に下がりを打つのは有力で、この図は実戦白26(本図A)で下がったもの。カカリ(白A)もでかいので悩ましいが、根拠にかかわる(石の強弱にかかわる)ので優先して打ってよさそうである。

 ただ白の立場だと下がりが打ちにくい理由もある。白は実戦白14~18の形を選んだ時点で、黒に図4で打つ権利を与えていることになる。つまりこの形を選んでいる以上、図4に進んでも自信があるという前提になる。(もし図4を見て悪いと思うなら選択ミスをしたことになる)その意味でこの下がりを急ぐのはなんだか変な気もするが、大きいものは大きいはずだ。

 

 「かけつぎ」のあと、気になったのでkatagoにかけてみる。

図6 やはりキリが最大

 katagoでもキリが最大とでてきてほっとする。探索数が問題だが、これで勝率88%、6.8目差程度らしい。
 やはりマゲを打たず、ノゾキから切った方が高いよな?ということでそれも調べる・・・

図7 ノゾキには変化

 ノゾキは評価を落としてしまう。というよりも下がりで変化するのが良いらしい。このあと白AかBかはすこし探索させないとはっきりしないが、ともかく白の評価が回復する。
 単に切れば勝率92%で8目弱の差があるのに対し、ノゾキからの変化は2目近く損とのことで、案外馬鹿にならない。
 
 マゲを打たないは正しかったが、ノゾキを利かそうというのは間違いで、素直に即切りが正しいようだ。

 囲碁は難しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?