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レトロ印刷さんで二次創作イラスト本を作った記録

自分自身、Twitterやnote等で同人誌の制作過程やコンセプトを拝見するのが好きなので、今回のイラスト本について装丁や制作過程を纏めてみました。二色刷りのデータ作成の参考にもなれば嬉しいです。(あくまで自己流なので自己責任でお願いします)

0.今回の装丁

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印刷所:レトロ印刷
製本:平綴じミシン製本
サイズ:不定形(128mm×128mm)
糸種類:ピーコック
表紙:厚・富士わら紙(ツヤプリ2色印刷)
本文用紙:カーネル(1色・2色刷り)

1.印刷所を決める

イベントまでの期間があまりなかったこと、イラスト本にするならカラーにしたかったこと、2点の理由で以前から何度か利用しているレトロ印刷さんで印刷することに決めました。

私が同人誌を作る際は、やりたい装丁や本の種類で印刷所を決めるところからスタートしています。今回は、原作の可愛さを残しつつおしゃれな雰囲気のイラスト本にしたいと考えて「サイズは正方形で、表紙はデザイン寄りのイラストでシンプルに」というイメージを固めて制作に移りました。

2.表紙作成

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「表紙はデザイン寄りのイラストでシンプルに」というイメージから、Illustratorを使用してモチーフとなる二人のイラストを作成しました。

この時点でタイトルも決めて、モチーフに馴染むようなタイトルロゴを考えます。今回はイラストもですが、ロゴに関しては、基本的にベクターデータで作成してサイズ変更にも耐えうるようなデータにしています。

大まかなデザインができたら、この状態で一旦寝かせます。(表紙は後から見返した際に後悔することが多いので、一定期間寝かせて修正するようにしています。)

3.本文作成

この時点で計画性がなさすぎて、イベント当日に間に合わせるには2日で描き上げなければいけないチキチキ原稿レースになっていました。

本文が8pあれば本になる!という漠然とした考えから、8p+奥付や表紙を含めた4pで12pの本にすることに決めます。

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(画像は原稿が完成した時点でのデータです)

本文はクリスタを使って描こうと思っていたので、完成サイズの縦横128mmに、レトロ印刷の原稿設定である塗り足し3mmを含めたキャンバスを作成して作業しました。不定形サイズでテンプレートがなかったため、自作データで入稿しています。(塗り足しに関しては製本によって違うかもしれないので要確認)

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イラストを描く際はグレースケールで作成したイラストに、レイヤープロパティでレイヤーカラーをインクの色に変更して調整していました。

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この方法だと、混色などを再現する際はうまくいかないかもしれません。私は主線の色と塗りの色をはっきり分ける予定だったので、この方法で作成しました。(混色にもチャレンジしてみたいけれど、色見本を見ながら細かく設定するしかないのか…?と躊躇しています)

上記の手順で一旦、クリスタ上でイラストデータを作成しました。先ほど作った表紙のイラストデータも流し込み、ワンポイントを入れたりと調整をしています。

結局、2日目で筆が乗ってきて、8pを2日間で描き切りました。間に合ってよかった…。

4.入稿データ作成

3で作成したクリスタのデータを複製し、下書きレイヤーを削除+レイヤープロパティのレイヤーカラーを削除します。(画像の状態)

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この状態で全ページpsdで書き出して、PCでの作業に移ります。

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PCのPhotoshopで、先ほどのpsdデータを色ごとに分けていきます。クリスタ上で色ごとにレイヤーを分けていたので、いらないレイヤーを削除して別名保存→ファイル名で色を指定するだけです。地道な作業すぎて眠くなります。

この作業は別にクリスタでもできるとは思うんですが、入稿自体はPCでするのとPCのPhotoshopの方が慣れているのでPCで作業しています。

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出来上がったデータはこんな感じです。1色ごとにデータが必要なので、二色刷りの場合はページ数の倍データができるかと思います。(今回は1色のページがあったので、倍の数にはなっていません。)

データを作りながら、目次と奥付のデータも作成しました。

表紙はツヤプリにしたのですが、2色だったので本文ページと同じようにデータを作成すれば大丈夫でした。

5.入稿

フォームから仕様を入力して入稿します。今回は入稿してすぐにレトロ印刷さんから電話があり、何かと思えば本を綴じる辺と綴じ位置の確認の電話でした。(不備じゃなくてよかった…)

左辺綴じ+端から7mmの位置でお願いしたんですが、これ入力する場所がなかったような記憶が…備考欄に入力するのだろうか…。

電話の後データチェック完了の連絡があり、入金しました。

6.納品

冊数やページ数にもよりますが、今回は6日発送だったので、入稿した1週間後のイベント当日に現物が届きました。

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普通の印刷では出ないような質感・色味が出るので、毎回現物が届くのが楽しみです。

7.総括

今回はかなりパツパツのスケジュールだったので、今度はもう少し余裕を持ちたいなと思いました…反省…。

レトロ印刷さんでやりたいこともまだまだあるので、どんどんチャレンジしていきたいです。この正方形の本も、シリーズにできたら並べた時に可愛いだろうなあと考えたり。

こうやって言葉にして纏めるのも振り返りとして楽しかったので、また本を出したら投稿できたらなと思います。

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