見出し画像

『助けたかっただけなのに。。。』

Guilty Girl Collection #001 フランケンシュタイン

https://opensea.io/assets/0x495f947276749ce646f68ac8c248420045cb7b5e/1126056787216481919310923295974500094188163804585051618875803433982173904897

目が覚めると私は平たく硬いベッドの上にいた。部屋は薄暗く、電気がついているがその光は私だけを照らしていた。ベッドもなんだか硬い。身体中に無数の縫い跡がある。周りにはだれもいない。「おーい」と叫んでみたが誰の反応もない。

しばらくすると部屋の向こうからコツコツと歩く音が聞こえる。なんだか私は不安に感じていたが、寂しさがあり、待つことにした。
ゆっくりとドアが開く。太陽の光だろうか、とても眩しく、誰かが立っているのはわかるがはっきりと姿までは見えない。うっすらと白衣を着ているのが見えた。白衣をまとった人が部屋に入り、なぜかはっきりと顔は見えないが驚いた表情をしていることはわかる。部屋に入りドアを閉めた時に顔が見えた。白髪の男性で眼鏡をしている。身長は170センチほどで顔に皺があり、髪の毛は前髪は少し目にかかる程度。目はタレ目で柔らかい印象。表情はやはり驚いていた。
するとその男性が急に私に抱きついてきた。カタカタと震える振動が伝わってくる。どうやら泣いているようだった。なんで泣いているのか分からなかったがとりあえずそのままにしておいた。男性は何か行っているように聞こえたがはっきりと聞き取れない。かろうじて最後の言葉が聞き取れて「おかえり」と言っているこは聞こえた。私にはなんのことかさっぱり分からなかった。理解しようと考えたが、そのとき、私は私が誰か分からなかった。

記憶がない。私の名前やここがどこなのか、この男性は誰なのか何一つ記憶がない。急に大波のような不安に呑み込まれて呼吸がくるしくなって、私は寝てしまった。目が覚めると今度は心地の良いベッドに寝ていた。ふかふかで体全体を包み込まれる感覚で心地がいい。太陽の光もさしていた。ベッドから起きて、部屋の外にでた。右手に階段があり、そこでコポコポと何かを沸かしている音が聞こえた。どうやらここは2階らしい。階段を降りると昨日の男性が椅子に腰掛けながらコーヒーを飲んでいた。私に気づき、何か話しかけているがはっきりと聞き取れない。どうやら私は耳が悪いらしい。
顔を洗おうと思い、洗面所を探した。知らない家なのになんだかわかるような気がして体が勝手に動いていた。不思議と迷わずに洗面所にたどり着いた。そこには大きな鏡があり、そこに映る私の顔をみてしまった。
自分の顔に無数の縫い跡があり、あ頭にはネジが入っていた。
何がなんだか理解できず、得体のしれない恐怖と自分の姿への驚きのあまりわたしは家を飛び出した。家は森の中にあり、街は見えないが得体の知れない恐怖をなんとかしたくてやく2時間ほど走り続けた。まだ森の中だったが誰もいないこの場所が妙に落ち着くことができた。

ここでは誰もいないのでとても平和だった。森の動物達とも仲良くやっていた。日がな一日、倒木に腰掛けて空をぼーっと見上げることが好きだった。
動物達が困っている時は助けてあげたりもしていた。不思議とお腹はすかなかった。そういう体質なのだろうか。そこでの生活が1年ほど続いた。
わたしがぼーっとしていると自然と動物達が集まり、わたしを囲むようにみんなんでぼーっとしていた。平和な毎日だった。

しかし最近、森のおくの方で何かが破裂するような鋭い音が聞こえてくるようになった。わた氏は耳が悪いので気にならないが、動物達にはとても不快に感じるようだ。その音が聞こえると飛び起きて一目さんにどこかに行ってしまう。わたしも不快には感じるが逃げ出すほどの恐怖ではない。あの時の恐怖を考えればこれくらい大したことはない。しかしだんだんと破裂音が近づいてくる。その音がする方をみていると草がワサワサと動いている。はいってきた動物たちと思ったが、違った。そこには銃を持った人間が10人ほどいた。その人間たちはわたしを見ると急に銃をこちらに向けてきた。何か話しかけているようだ。わたしはまた、得体の知れない恐怖が出てきて、逃げようとした瞬間、破裂音がなった。すると足がふらついてうまく走ることができず、倒れてしまった。足を見ると穴が空いていた。だがなぜか血も出ておらず、痛みもない。だが、恐怖から立つことができなかった。さっきの人たちがだんだんと近づいてくる。何やらわたしをとても警戒している様子だった。動けないわたしをみて、銃を構えながらわたしは人間に取り囲まれていた。恐怖がで震えが止まらない。

すると1匹の鹿がわたし目掛けて走ってきた。その鹿はかつて私が人間の作った罠にツノが引っかかっているところを助けた鹿だった。
その鹿が1人の人間をはじき飛ばした、私を助けてくれようとしていた。
その鹿だけじゃなく、多くの動物たちが私を助けようとしてくれていた。
しかし突然、破裂音が何度も鳴り響いた。気づくと多くの動物たちが血を流して倒れていた。その瞬間私は心の中が煮えたぎるような感情が沸いてきた。そして人間が子供の鹿を撃ちそうになった時、私は怒りのあまり、その人間から銃を奪い、木の枝のようにバキッと折ってやった。人間たちは恐怖のあまり一目さんに逃げ出した。ほっとしたが1人の人間が自分たちが仕掛けた罠に引っかかっていた。私は動物たちを殺したことは許せないが、人間を殺すことはできないと思っていたので、罠を解いて人間を助けようとした。

その時背後から何かを撃たれ、急に眠ってしまった。
気づくと私は収監されていた。私が犯した罪は「殺人未遂」。
私はただ、助けたかっただけなのに・・・




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?