#ダースレイダー の音楽話 #14 無風の病室で風をあつめる
はっぴいえんど 『風街ろまん』(1971)
僕が倒れたのは夏なんです。
淡い光が吹きこむ窓をずっと眺めて。
弟がiPodに入れてくれてたので、入院初期からはっぴぃえんどは聴いていた。
ゆでめんも入ってたので交互に行ったり来たり。でも、風をあつめてる方がこの時期は心地よかった。なにせ寝たきり状態は「無風」なのだ。
だからカーテンがちょっと風で揺れる感覚でさえ愛おしい。
青空を翔けたいんです、青空を。切実に。
細野晴臣『録音術』という名著にこの辺りの制作風景が出てくる。
彼らは本当に時代の風をあつめていたのだ。ベーソンズのオータさんが、ドラム担当してた鈴木茂さんのライブで“花いちもんめ”を聴いて、入院中の事を思い出したという。
音楽は記憶の記録なんだな。
ひゅー。
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