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エースコンバット3を逐一語る#8

昨年の年末ごろからゲームにハマっていまして、書くのが億劫になっていましたが、いい加減飽きてきたのでそろそろ再開いたします。どうぞお付き合いください。

だいぶ長くなってしまったこのミッションですが、これで終わりにしたいと思います。

「SARFのエース・・・・・・。また、会ったな。」

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作中通しても屈指の印象的なセリフですね。この面が難しくて何度もやり直したので、何度となく聞いた気がします。この時点ではまだ危なっかしい飛び方をする新人パイロットなプレイヤーをエース、と呼ぶ、しかし、UPEOでエース、と言えばふつうレナのことであって、ミッション後のやり取りでフィーが困惑するのも当然です。

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ディジョンがプレイヤーのことをエースと呼んだのはなぜなのか、気になるわけですが、私は初プレイでは先の訓練飛行で飛行センスを見出されたのかな?くらいに思っていました。ですが、各ルートクリアした後だと、恐らくはプレイヤーの正体に気づいてのことで、何らかの含みがあっての発言だとわかります。

この面はストーリー的にも事態が混迷してゆく、その始まりとなるところですし、登場人物同士のドラマという点でも、それぞれの思いが交錯するところです。ミッション後のセリフを考察してみます。

ディジョン:どうにも……間の悪い話じゃないか。ここでの停戦など、老人どもが決めたまやかし。時代は既に変化を望んだ。そう思わないか?
 これは前回話した通りで、ゼネラルとニューコムが覇権を競って全面的に争う、ということですね。
キース:ディジョン....…?!
ディジョン:一度しか言わない。お前がこの世界で何かをしたいのなら、UPEOはただの階段に過ぎない。もしその気があるのなら、このままゼネラルに来い。その勇気がお前にあるのなら、私が新しい道をつくる。
 このセリフはかなり意味深です。まず、素直にまっすぐ捉えるなら有望なパイロットに対して、UPEOにいても何もできないから、ゼネラルに来れば活躍の場を与えられるぞ、ということになります。まあ普通の見方です。
しかし、ディジョンがプレイヤーの正体を知っているという前提で考えると、「何かをしたいのなら」「階段に過ぎない」というのは、このままUPEOにいても俺を殺すことはできないぞ、という意味と取れます。「その気があるのなら」「勇気があるのなら」、というのも俺を殺す気があるのなら、その覚悟があるのなら、ということになります。
フィオナ:ゼネラルのエース……気でも違ったの?!ね、これは罠よっ!
 「罠」というのはゼネラル側にパイロットを引き込みたい、ということでしょう。
キース:コイツを移籍させる気か!危険だっ!
 この時点でのキースにとしては、得体のしれない人間を移籍させるのは危険だと直感的に感じたのでしょう。
ディジョン:危険のない賭けなど…….
 このセリフを改めて聞いて、なるほど…と思いましたね。
 何が危険な賭けなのか?
 何者かが自分の存在を消滅させようとプレイヤーを差し向けてきた。そんな相手を敢えて味方に引き込む理由は何か?それを退けるには敢えて、その手先であるプレイヤーに接近し、真正面から向き合わなくてはいけない、そういう危険を冒さなければ勝てない、そういうディジョンなりの覚悟の念をつぶやいているように思いました。

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ここの会話中の戦闘機の動きも緊迫感を演出していて、良いですね。

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メガフロートの灯りをバックに飛ぶディジョン機。

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速度を上げてプレイヤー機の前に出るディジョン機と、それに合わせて回り込むカメラ。ディジョンが真っ先にこの状況を動かそうと動いていることを表す演出ですね。

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カメラが切り替わって、阻止しようと機体を傾けてプレイヤーのそばに旋回してくるフィオナ機。ですが、カメラはフィオナ機に固定で、ディジョン機とプレイヤー機が前から入ってくる。ここのカメラワークがかっこいいんですが、演出的には、割って入ろうとしているものの、困惑して身動き取れずにいるフィオナの心情を表しているようにも見えます。

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ディジョン機に近づいてくるキース機。しかし、こちらも突然のディジョンの行動に困惑を隠せず、一歩引いて寄ってくるのがやっと、といったところに見えます。その後、引きの絵で全体を映してプレイヤーの選択を固唾を飲んで見守っている、といった緊迫感を演出していますね。

と、まあ4回に渡ってミッション4について語ってきたんですけど、振り返ると、世界情勢的にもドラマ的にも最初の山場であり、ゲーム的にも本格的な戦闘のある難しいステージであり、と、まあ盛りだくさんの面だということが改めて考えてみてわかったので、長々と語ってみました。楽しんでいただけたら嬉しいです。次回はUPEOルートに進んでミッション5を語りたいと思います。

では、さようなら。

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