NHKニュースクリップ(2024年1月7日号)
2024年は、能登半島の震災・羽田空港での飛行機事故と、非常事態が続く年明けとなりました。まさにこんな時のためにNHKは存在しているわけですが、残念ながらNHKの緊急報道力は確実に低下していることが露見しました。
第一報を書いたあとにも、NHK内の危険な動きが色々と私のもとに伝わってきています。この辺りセンシティブな情報も含まれるので、メンバーシップでお伝えします。
NHKが青森市長の発言を捏造か?ニュースをこっそり変更
NHK青森放送局が「西 市長が考えにじませる」と奇妙な見出しをつけて報じたこちらの件、事実と異なるとして市長が抗議する事態となりました。
実際、青森放送局のXのPostでは次のようになっています。
ですが、当のニュース記事を見ると、しれっと中身が変更されていることがわかります。
「12月28日に更新しました」と記述がありますが、一体、何をどう更新したのかが全く不明瞭です。
一連の動きを見れば、飛ばし記事に対して抗議を受けて、「訂正放送」はやりたくないから単に記述を変更しただけなのは明らかです。訂正放送となれば、放送法9条の委員会の問題となり、ただ事では済みませんからね。
しかし、私は単に「候補地はセントラルパークが有力だ」と報じればリスクは低かったと思います。なぜ、記者会見をベースにして発言を捏造するような形で報じるような危ないことをしたのかが理解できません。
秘密裏に問題は解決したのか、市長は次のようにPostしています。
今度、これはこれで危ないと思うんですよね。確かに、事実をストレートに伝えることは報道機関の使命ですが、こうなってしまうと市長に対して批判的な報道をNHKがしづらくなるのではないでしょうか?
行政との距離感を適切に保つという「当たり前」が失われたという点で、報道のレベル低下を象徴するような事例だと思います。
NHK紅白歌合戦での”事故”
現代ビジネスさんへの寄稿のタイトルみたいなことが、放送本編でも起きてしまいました。
破廉恥なQRコード
純烈の衣装や演出がNHKプラスに誘導するQRコードまみれの非常に下品なもので、私の目にはまず“事故”と映りました。
しかし、事態はそれだけでは収まりません。
NHKプラスが恐らくアクセス集中でログイン不可能な状態になったのです。NHKプラスは、放送を見られない人にも届けるためのものでもありますから、NHK内での宣伝程度で落ちるとしたら、これは正真正銘の事故だと思います。
その後、年明け1/7にもまたNHKプラスは落ちるわけですが、改めてWebは緊急事態に懸念があることが示された形です。
けん玉失敗を一時スルー
放送中は成功したものと一時扱われていましたが、映像を見る限り明らかに失敗していました。
で、この件なんですが、放送中にも副調では「落ちたね」と確実に認識されていたという情報が私の元に届きました。
「落ちた」にも関わらず、そのことが天声(MCに直接伝えられる、いわゆる天の声)などで現場に伝えられず、あたかも成功したかのように放送が継続したのは、非常に危険なことだと思いました。
間違っていることを間違っていると誰も言えない空気のまま放送が出ているということですからね。
「100分de宗教論」がジャニーズファンをカルト扱い
こちらはPostのみの紹介ですが、以下のような懸念が示されています。
確かにジャニーズにはカルト的な側面はあると私個人は思いますが、取材に基づかない私見でもって放送中に語って良い内容ではありません。
この手の番組も基本的には台本は一言一句に近い形で存在しています。最低でも「何とかについてお話しください」くらいは記述があるはずです。その意味では、制作者の歪んだ意図が放送に現れたと言えるでしょう。
能登半島地震の緊急報道に大きな懸念
地震関連の報道では、信じられないようなことが多発しています。まず、50時間ほど経過した時点でのニュース7では、以下のPostのような発言を記者が放送中に行いました。
もちろんスタジオのキャスターによって訂正されましたが、映像を見る限り原稿がそのようになっているように見受けられました。となると、現場の記者だけでなくデスクにも責任があります。
また、その場でおかしいと気づいた人が大声で「まだ50時間!」とカットインすれば、誤情報を拡散して「72時間の壁」を意識する被災者や関係者の方々を不安にさせることもなかったはずです。
紅白のけん玉同様、放送が誤っているのに即座に訂正されずに流れるというケースがNHKでは増えています。災害報道ではあってはならないことですので、このようなことは起こさないで頂きたい限りです。
新聞のイミテーション作りに受信料を浪費
災害報道の重要な部分では粗が目立つにも関わらず、割とどうでも良いところには異様なこだわりを見せていました。
確かに特定の新聞だと問題があるかもしれませんが、それこそNHKが過去に出稿した紅白の全面広告を使うとか、何も印刷されていない新聞紙を使うとかやりようはあったはずなんですよね。
この新聞イミテーションだってNHKアートに発注すれば、下手したら10万単位でのコストが掛かります。ドラマ用のものを再利用していたら特別なコストは掛からないと思いますが…
それにしても、そんなに巻けるほど新聞紙が現地にあったんでしょうかね?
NHKの通常放送への切り替えに海外からも懸念の声
東日本大震災と比較して、今回、通常放送への切り替わりが異常に早かったことが意外でした。なんせ、台湾などでも地震を報道しているのに、NHKは逆L無しのお笑いを全中で放送していたくらいですからね。海外の方が懸念を示す投稿がFacebook等で見られました。
それで結局、放送中に緊急地震速報が入るようなパターンが多くあったと思います。
東日本大震災のときは、L字要員も召集されていました。また、その後も誰でもL字を作ったり放送画面を作れるように研修が行われたと記憶しています。にも関わらず、あれほど早く通常放送に切り替えたのは理解できません。多くの職員を参加させて、OJTの機会にもすべきでした。
NHKの放送が「あまねく」届かない事態
個人的にショッキングだったのは、輪島市の一部にNHKの放送が届かない事態が生じたことです。
しかも、1/7時点でも解消されていないようでした。
NHKは日本全国津々浦々に放送を届ける使命があり、そのために受信料を使って放送インフラを維持管理してきました。今回のような事態は、一体、日頃の訓練は何だったのかと思わされます。
NHKが行政に泣きつく?放送の自主自律に懸念
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