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【推理】※5/24会長会見後追記・時系列で追う「NW9捏造報道は、なぜ起きた?」

今回のNHKニュースウオッチ9の捏造報道の背景には組織としてのNHKの病理があります。NHK健全化のためにも、改めて経緯を追ってみましょう。

一部私の推測も含みます。新人時代を思い出して行間を補いました。

2014年 クロ現「出家詐欺」の捏造

本件は現場の暴走とされる。組織の強い関与は否定され、管理職は軽微な懲戒処分のみ。担当記者のNは、その後退職。NW9の責任者であるI倉は逃れる。

※この時、主犯のひとりだったEは処分後も出世。都政キャップの過労死でも処分。現在は報道のリスク担当。

2015〜2016年 再発防止策として、匿名チェックシート等の運用開始

出家詐欺を受けて、匿名チェックシート等の、匿名取材の際の真実性を確認するための書類作成が義務付けられる。

試写時にも確認が求められるが、すぐに全局的に形骸化。

2021年末「字幕問題」が発生

NHKの杜撰な取材・制作体制は改善されず、字幕問題が発生する。

先の匿名チェックシートの運用はなされず、当該男性の記録も残っていなかった。

字幕問題・筆者再現

担当PDが「なんかもの寂しいしテロップでも入れるか」のノリで当該カットを作成。試写で疑義が呈されるも、重視はされずに放送へ。五輪を巡る権利取得等の業務が膨大で手が回らなかった事も遠因とされる。

2022年 再発防止策として複眼的試写の義務付け

BPO案件化。再発防止として、全国放送番組は複数人の管理職が試写を行う複眼的試写(複眼試写)の義務付け。

船頭多くなりすぎないよう、リスクチェックだけを行う管理職の参加が原則必須となる。

2023年 NW9組織的捏造報道

上記の経緯を踏まえてNW9の流れを追いましょう。

2023年5月上旬(推定)NW9への企画提案

前田が言い出したゼネラリスト育成の文脈で、若手編集マンのMが「5類になっても、コロナ禍を忘れない。犠牲になった方のインタビューで紡ぐ短尺のエンド映像を自らディレクターとなって作りたい」という趣旨の提案を作成。正式な提案票は無いと思われる。

Mのキャリア形成、局内ヒエラルキーが一段下の編集セクションのアピールの為、上司(管理職)も提案をプッシュし、採択される(恐らく)。

素人ゆえに取材は難航

普段、映像を編集する事がメイン業務のM。取材は難航し、思うようにロケ先を見つけられない。Mは変わり者とも評判。局内の支援は受けられなかった。

新型コロナ関連のハードな取材経験も無く、企画はすぐに頓挫。

その「過程」でワクチン接種後死亡された方の遺族会をMは知る

提案時点では恐らくワクチンのワの字も無かった。

Mは「新型コロナワクチン接種後死亡された方も広くコロナ禍の犠牲と言えるのでは」と思いつき、遺族会への取材を検討。

Mは上司に軽く相談するも「副反応死とまでは言えない。あくまで当初提案の趣旨は守れ」と指示。

その後Mは独断で関連団体の公式HPから取材依頼を送信。文面から察するに管理職のレビューは無かった。

取材は後戻り出来なくなる

Mは取材を開始。取材先の温度感の高まりも感じる。

その他の取材先も見つからないまま、締め切りが迫り、時間切れに。

取材をキャンセルすれば編集セクションの不名誉となる。しかも先方の期待を裏切った事によるハレーションも懸念。

「副反応とは言わない」、「5類になっても忘れない」を死守した上での取材がNW9統括レベルで採択され、文書でMにも指示がなされる。

一方Mは映像のバリエーションを増やすため、写真等の提供もデリカシー無く実施。

恐らく写真の依頼は「あのさぁ、Mちゃんさぁ、インタの顔とONだけじゃVにならないから色んなカット撮りなよ。普段、編集室で欲しくなるようなのをさ!」と上司が指示したからだと見られる。普通は、最初に打診するものだから。

取材風景が撮影されても撤退せず

不信感を抱かれたMは取材風景を撮影される。

しかし、そうした事態でも撤退せず。上司に相談しなかったか、上司も撮影される事を許可。

以降は、こちらのnoteの通り、統括管理職込みの試写2回(インタ起こしあり)を実施。通常、インタビュー編集は取材先の意図を捻じ曲げないよう慎重に編集するが、複眼的試写は機能しなかった。

放送直後から翌日は編集セクションが自画自賛

局内Teamsでは、Mの上司が当該企画を自慢。番宣を投稿。この時点で悪びれた様子は無し。

処分の行方は?

今のところ、Mと直属の上司に厳罰。提案採択から試写を主導した、I・K・Y・S等は譴責程度の可能性。

ただし、通常は統括が全責任を負うもののため、本来ならIが厳罰に処せられるべき。

報道局長の原は現場を切り捨てる方針とのこと。「編集ごときに番組が作れる訳が無い!」という趣旨の発言もあったという局内情報もあり(真偽は不明だが、可能性は高い)。

なぜ過去のBPO案件の再発防止策は機能しなかった?

ここが最大の病理です。

止められる立場の人が、なぜ全員暴走したのか?

それはまず局内で情報共有が一切無いことが最大の原因です。何が、なぜ起きたのか分からないから、対策に実効性が無いんです。

また、止めたら面倒になる。「ハレーションさせてから火消しした方が手柄になる」というNHKの根源的な組織風土も背景にあります。

今回の件は、BPO案件化して訂正放送も実施。今度こそ実効性のある再発防止策をしかないと、また繰り返してNHKが本当に崩壊しますよ。

※5/24 会長会見後追

もともと「調査中」で逃げる方針で固めていた、という事で、その通りの内容でした。

今回の件はもはやNHKでは組織間闘争と化しています。

政治部(井上副会長・原報道局長以下報道局幹部・旧計画管理部)は傷を最小限に抑えて、編責への軽い処分だけで逃れようとしています。

一方の社会部は、あのVにokを出したIが生き残りを掛けて、「無縁社会」でも縁あった理事の中嶋に泣きついているようです。

社会部と言えば、寒川の件に加えて、記者の不正経理・不正なマルチ勧誘もハレーション寸前なので、苦しい状況でしょうね。政治部なら表に出る前に辞めさせちゃいますから、身内に優しいのでしょうか?

切り捨てられるのは、編集(映像センター)と担当CPのY(報道番組)のようです。この辺は、やや重い処分が下る可能性があります。

新聞報道を総合すると、担当のMが「繋ぐ会(ワクチン被害者遺族の会)」と記載された公式サイトから取材申請した時点で「ワクチン接種後に亡くなられた方の遺族ではなく、感染死の遺族を紹介して貰える可能性を期待した」というストーリーでNHKは行くと決めたようです。

それは無理でしょ… Mの人権は大丈夫か?Mもそこまでは異常じゃないでしょ。担当がとんでもない馬鹿だって方向で見せるって、字幕問題のYの時と一緒じゃん。

しかし、相変わらず局内ではほとんど情報が無いようで、職員の不安・不満も高まっています。一連の経緯を、「フェイクの海」と吐き捨てたSNSと週刊誌報道から知る職員が気の毒でなりません。

でもね、職員の皆さん、特に組合(日放労)は自分達の組織の未来のために戦わなきゃダメですよ。真相を取材して、NHK健全化のために本当の意味で動けるのは在職中の皆さんだけです。

もし宜しければサポート頂けると幸いです。取材費の他、Twitterのプロモーション費などNHK健全化の為の取り組みに活用させて頂きます。