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NHKニュースクリップ(2024年3/3号)

今週も私が注目していた番組が放送されました。

戦火の放送局II〜ウクライナ うつりゆく“正義”

前回、戦争初期のドキュメントでは、いかに公共放送として実態を伝えるかの決意表明的な作りだったと思います。途中、ジャーナリズムを追求する事の難しさや取材者の苦悩が描かれはしても、戦地に赴いて実態を伝えようとする姿勢が強調されていました。

一方今回は、疲れと諦めが際立っていました。同じ組織・人物を取材したとは全く思えません。それほど戦争で変わってしまうのかと、率直に驚きました。

もうひとつ驚いたのは、今回のウクライナ公共放送の様子が今のNHKと相似形だった事です。

もちろんウクライナ公共放送に関しては、放送がウクライナにもロシアにも見られてしまう以上、カメラの前での振る舞いも編集も慎重になる必要があります。しかし、敢えてデモの様子をロケしながら報じないプロデューサーや、ジャーナリズムより家族の平穏を求めた記者、組織のありように絶望して去ったカメラマンなど、「こういう人いるわ」と、今のNHKの実在人物の顔と名前が浮かんできました。

平時においてコレでは、有事の際にはNHKが正しく機能する可能性は低いでしょう。建前ではなく、本当の意味での自主自律(自立)を貫けるようになって欲しいと思った次第です。

NHKで相次いだ不正確な情報発信

一番酷かったのは、CDCの新型コロナウイルス感染症ガイドラインに関するニュースを巡る対応です。

このガイドラインでは、症状がおさまってから24時間自宅待機の上、活動する上ではマスク着用等の感染を広げない対策も求められています。

しかし、NHKの記事タイトルは「5日間隔離推奨を24時間待機に」となっていました。

そこにコミュニティーノートがつけられてタイトル修正、「※記事を2日に公開した際、タイトルが誤解を招く表現だったため、修正しました」とお断りがNHKの当該ニュースには添えられています。

あれほどニュースウオッチ9で軽率な事をやって痛い目を見たのに「またか」という印象です。これは明らかに不正確で、「隔離は感染や発症から24時間で良い」と誤った認識に基づく行動を誘発する恐れさえあります。

なぜ、あのようなタイトルでWebに情報が発信されたのかNHKには経緯と再発防止策を説明して貰いたいですね。インターネット配信が必須業務になるなら、情報の正確性をどう担保するかが何より重要ですから。

映像の世紀の予告もサイレント修正

イスラエルの放送回について、元々は「イスラエル 孤高と執念の国家」というタイトルだったのが「イスラエル」へとサイレント修正されました。

イスラエルに対して寄りかかり過ぎとSNSや反イスラエル的スタンスの諸国から批判が相次いだ為だと思われます。

個人的にはそれより、NHK公式Xの次の投稿の方が問題だと思いました。

「来週もご期待ください」は番組に掛かるとはいえ、ガザ侵攻への国際的批判が高まり、ようやく一時停戦かという機運の中、不適切です。普通に声に出して読んでみたら、その異常性がわかるでしょう。

NHKでは、番組のテロップ試写は2回以上音読してチェックするのが基本です。しかし、Xは完全に無法地帯です。いつかからニュースデスクが見るルールに変わったとも聞きますが、明らかに軽率な投稿が目立ちます。

この有様ではデジタル職員の廃止も当然と思われてやむなしです。Web発信の統制が全く取れていませんから。

国際放送でも前代未聞の誤り

ディテールこそ大事とよく言いますが、NHKの情報発信はディテールに気が回っていないケースが目立ちます。

こちらは北海道が2枚コピペされています。作業中に消し忘れたのでしょうね。こんな所が間違える訳が無いから、チェック時にも見落とすのです。しかし、最近はありえないミスが続いています。もはやマルチモーダルのAIに点検させる仕組みを作らないと、誤情報の発信は防げないところまで来ています。

「ニュースーン」パイロット版放送が迫る

3/7にパイロット版が放送されるようです。EPG情報が掲載されていました。

NHKサイト上の番組情報

このEPGの書きぶりから、誰が書いたのか直ぐにわかりました。編責は、不正経理等で処分された前社会部長ですが、制作系は50代以上のかなりベテランの人が担当しているようですね。

パイロット番組は、色々試して課題を明らかにするのが主目的です。確かに、色々試行錯誤していそうなEPGです。

しかし、内部の情報を探ってみると、4月からの本放送のリハーサルみたいな感じになりそうだという声も聞くことができました。

既にWeb媒体でも報じられた通り、アーカイブス頼りのフィラーみたいなミニ番組から始まり、ニュースのまとめや中継、その他フリーゾーンとされる自由企画枠が続き、大谷頼みのコーナーが後半に設置される構成を上層部は検討していたようです。

明らかに民放各局とは戦えない構成でも、24hニュースCh化の布石としてやるという決意なのかもしれませんが、そんな事は普通の制作者なら承服できないことです。

手厚いニュースに加えて、かつての「おげれつ」のようにローカルの若手が全国に顔と名前を売るチャンスとなる番組になってくれれば…と思いつつパイロット版を見守ってみます。

NHKの「放送コード」を巡る批判

出演者からこんな告発がありました。

実際は、明文化された放送コードはありません。あくまで使用にあたって配慮が必要という設定です。

昔は視覚障害のある方がインタビューで「めくら」とご自身の事を言うのも基本的にはokだったのですが、近年はそれも傷付ける恐れがあるという事で運用が厳しくなっています。

「盲人」、「盲目」、「盲目的」も差別的ニュアンスで用いられるケースが多かったという事でNHKでは今は使用を控えているものと思います。

では、「盲導犬」はどうなのか?とかキリが無いですよね。

その時々、誰がどんな文脈で言うかで意味合いは大きく変わりますから、もう少し柔軟に判断した方が良いでしょうね。

冒頭で触れたCDCの件や、映像の世紀の件と照らしても、NHKは配慮すべき事を見誤っていると思います。

ReHacQ 文春回を見て思うこと

昨今のメディア、そして私みたいなアンダーグラウンドな人間の立ち位置に関連して考えさせられるYouTube番組がありました。

私にもたまに寄せられるんですよね、「やり方が卑怯」みたいな批判。私に言わせれば、組織の論理に基づく無形のハラスメントを行うNHKの方が遥かに問題なんだけど…

最近寄せられる情報の傾向や、今の活動方針についてちょろっと書きます。

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