長めのつぶやき:台風15号の(かなり軽めの)被災者の家族より

 いつもお世話になっております。

 家内の実家(要介護4の義父と要支援2の義母が二人で居住しています家)が千葉県印旛郡酒々井町にありまして、このほど台風15号でほぼ48時間停電していました。幸いにも、義父母共に命に別状はなく、窓ガラスが一枚割れたことと、風呂に入れず、ガラケーの充電が切れ、さらに、かなりひもじい思いをさせてしまっただけで済みました。
 窓ガラスは台風の翌日には修理してもらい、(なぜか停電中でも)冷たい地下水が水道蛇口から出ていましたので、熱中症にも脱水症にもなりませんでした。これは場所や義父母の健康状態を考えるとかなり幸運であったと考えます。

 まだ千葉県のかなりの世帯で停電が続いており、まとめて良いものかわかりませんが、私個人の感じたことをここに書き留めます。

 今回の件で、個人的にはいくつか教訓があります。
 ・非常食は大切。なるべく、ガス・電気を必要とせず、備蓄のミネラルウォーターだけで調理できる、もしくは調理不要の非常食をそろえておく必要があると思われます。量は、少なくとも一週間は籠城できるくらい。なお、南房総市ほか千葉県南部では、非常食などは一週間分でも足りない事態になっています。
 ・夏、または冬の被災に備えて、暑さ対策・寒さ対策を目的とした非常用備品をそろえておく必要があります。寒さ対策は毛布類と簡易カイロだけでも十分な対策になり得ると考えますが、暑さ対策に関しては冷えピタなどの(事前冷却不要な)冷却材、水、OS-1などの経口保水剤、蚊の対策を主眼とした防虫・殺虫剤、腐敗防止・防臭を目的とした殺菌剤の準備など、多岐にわたると考えられます。
 ・モバイルや携帯用の充電器も必要です。Cd-Ni系、Ni-H系だけでなく、Li系も自然放電しますので、備蓄を始めたら定期的に蓄電量をチェックする必要があります。乾電池式やハンドル発電式、太陽電池式もありますが、出力が小さく、いざ、と言う時にすぐに充電できない可能性があります。
 ・停電すれば、テレビはまず見ることが出来なくなると考えます。また、携帯も、電池を節約する必要があるならほとんどの時間電源を落としておかなければなりません。こういった、100V電源から独立した形で存在する情報機器としては、ラジオが主力となると考えます。従いまして、ラジオと乾電池を何本か準備しておく必要があると考えます。
 ・警官、消防士、役場職員、医療関係者、介護関係職員にも、それぞれの事情があると考えられます。基本、災害時には、少なくとも県外からやってくる救援・ボランティアが到着するまでは、独力でなんとかする覚悟が必要と思われます。
 ・「全ての卵を一つのかごに入れるな。」ということわざがありますが、そういう意味では、オール電化は危険かもしれません。今回は停電しても水道とガスは使用できていましたが、オール電化にすると、停電と同時に水も熱源も失われる可能性が出てきます。また、我が家ではごくたまに鍋をつつくこともしますので、カセットコンロとボンベを備蓄していますが、この備えも充実しておく必要があるかもしれません。
 ・もうひとつ、これは仙台でも見聞したことですが、停電に備えて、タワーマンションの上の方などエレベーターがないとアクセスできないようなところに住まない方が良いと思われます。仙台居住時に、(東北大震災の二年前に)エレベーターが止まるような大きさの地震があって、タワーマンションの最上階に住むオーナー老夫婦が餓死する前に乾死しそうになったそうです。

また、各方面に僭越ながら提案があります。
 ・AU様へ:古いガラケー向けのUSB端子からの充電ケーブルを復活させてください。後期高齢者に使い慣れた機械を取り上げて、新しい機械になれろ、というのは無理があります。
 ・NHK、他マスコミの皆様へ:停電すれば、テレビもPCも使えなくなります。スマホ・ガラケーもしかりです。必要な情報をテレビやネットに流しても、情報を必要とする人には一切伝わらないので、是非一考をお願いします。
 ・東京電力様へ:丁度一年前に函館でブラックアウト案件がありましたが、これですら2~3日で概ね復旧してしまったことから、今回も2~3日で復旧できるだろうと考えたのかもしれませんが、情報収集も工事の見積もりも甘いです。土地の確保、発電所の位置と供給先の関係、無関係の人たちを近づけない、の観点から送電線を山の中に通したのでしょうが、発電所から近い高圧送電線鉄塔が台風で倒れているのに、山の中の送電設備に台風の影響は少ないと考えたのだとしたら、想像力がなさ過ぎると言わざるを得ません。ましてや、工事担当者の人数や電柱の備蓄が足りないなどとは、言語道断です。国・自治体や近隣電力会社との連絡も足りていないのではないでしょうか。猛省を。
 ・千葉県様へ:千葉県内の職員(地方公務員)の数が圧倒的に不足しています。リベラルを名乗る政治家・議員たちが経費削減・予算削減を叫んだとしても、コトは公共の福祉と県民の命の問題ですから、一切無視して地方公務員の給料を上げるなどして職員の拡充を図るべきです。働きアリの二割は予備役として何もせずに待機していると聞きます。非常時の予備役として非常勤職員を集めておくのも一手かと思います。さらに、ラジオもない、あっても電波が届かない様なところに居住している県民向けに、電気がなくても何らかの形で情報を伝える工夫が必要です。昭和の時代には、セスナやヘリコプター、飛行船などに拡声器を取り付けて、選挙日の広報などを行っていたことがあったはずです。確か、うるさいとの住民の苦情があって取りやめになったと記憶していますが、あれを自動制御のドローンを使用して復活させることは出来ないでしょうか。一応、提案させていただきます。
 ・政府・経産省様へ:このような東京電力のポテンシャルの低下は、東北大震災後の巨額の賠償金を背負わされた、一民間企業に過ぎない東京電力の経営不振に原因があると考えます。東電にも株主が存在している限り、赤字を増やさないように人件費を中心とした経費削減を進めねばなりません。恐らく、このままでは、経費削減を原因として同じ失敗が続くと思われます。いっそのこと、電力会社を国有化してはいかがでしょうか。また、太陽光発電推進キャンペーンも縮小してはいかがでしょうか。少なくとも、今回の台風では太陽光発電は全く機能していません。強風でパネルが吹き飛ばされる、火災を発生させるなど、かえって被害を増幅しています。

 こんなところです。読んで下さる方のご参考になれば幸いです。

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