変な家

変な家


オモコロで記事を書き、YouTubeに異世界の話かと思うような動画を投稿している雨穴さんの小説。変な家、を映画化した作品を見ました。順当にホラー映画になったなぁ。って感じでした。


前半は東京と埼玉に作られた奇妙な間取りの家、そこで何が起きていたのか…。と言う栗原さんと雨男(劇中の雨穴さん)の推理が話される建築ミステリ。
後半は長野県にある曰くのある一族の本家の集落を訪れる因習ホラー。となっている。

雨穴さんは梨。さんに影響を受けて因習系ホラー小説を書き始めたと語っており、梨。さんの瘤談三部作やSCPの、けりよ、しんに、うかれめ、がきじろ。などの作品を読んでいるのだろう。梨。さんの作品は九州や中国地方に由来する話が多いが、雨穴さんの話は都心を中心に起きていた。

雨穴さんは、怖い物が苦手な人でも楽しめるホラーを書きたいとしており、原作では怪異的な恐怖というより、平山夢明氏の作品に見られるような人に由来するホラーが見受けられる。
変な家以降の変なシリーズや動画でも随所にそういう部分が見られて非常に好きである。

映画化にあたり、原作読んで無くても楽しめるが、原作読んでる方がよりいい。と言う感じだろうか。
ただ、原作の雨穴さん、と言うか、動画出してるクリエイターの雨穴さんは露出が無いため背景が全く読めず、顔も愛嬌と恐怖半々くらいになる仮面を付けて出演しているため、めちゃくちゃ親切にしてくれるけど心情とか全く読み解けない怪異みたいなふうに見える。コレは動画で生み出してる作品が、お節シリーズとか寄生虫マトリョシカ、作って遊ぼう人体編みたいな凡そ一般的な感性から生み出されるとは思えない、異世界に踏み込んでしまったのかと思う作品群。
果てはお出しされたモーニングルーティンも世界が違うとしか思えない感じで謎に包まれている。
映画化にあたり、当たり前だが一般的な配信者、売り家に勝手に乗り込む ホラー映画でよくあるバレなきゃ大丈夫みたいなところを踏み込んでいく、ともすればウケれば良いみたいな感じの演出が多くて、その点が原作と言うか、背景が謎に包まれてる雨穴さん像と違って結構人間味を感じる雨男になってて、ちょっとした違和感はあったかな。と思う。


あと、間取りがおかしいとか以前に20年くらい空き家になってたレベルの廃墟感とか、子供部屋の血痕とか掻きむしり跡が何だったのかとか説明無いのはちょっと気になったけど。

後半の因習村ホラーは呪詛とバイオハザード4を足して日本舞台にしたのかな?みたいな欲張りセットで僕は好きだけど、人によってはもうちょい丁寧にってなるかもな。って感じだった。

さっくり見れて、要所要所でホラー展開入れてきて、ホラー映画にたまにある停滞してる感じは少なく、結構好きな作品だった。
あと、全然解決してないとこも好き。

結局、左手供養の儀式は血縁者で行われてるし、なんならあの一族にかかわるなって言ってた人が一番貢献してるところとかは怖かった。子供に強要とかはしないけど私は代わりにやりますよ。そのために炊き出しボランティアしてるんです。みたいな淡々としたところが怖かった。

そんで、変な間取りの家は別に遠くにある存在じゃなくて身近なモノでした。ってのも好きなオチだった。


あと仮面めちゃくちゃ出てきて、仮面怖い人は怖く感じれる気はする。僕はその部分で結構怖かった。

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