対等な二人の話
7歳年上の誠は7歳年下のわたしに言う。とても優しい目で気を抜いたら脳天が蕩けてしまうような口ぶりで非常に紳士的に。
「付き合ったのだから俺たちは対等でなきゃいけないんだ。年上も年下もないんだよ。」
7歳年下のわたしは7歳年上の誠に言う。建設的な話し合いをした時に、さも当然のことのように。だって疑いようのない事実だから。
「ねえ、私たちって対等でしょ」
「もちろんさ」
そう答える7歳年上の誠の目をわたしは瞬きを惜しんで観察する。氷よりも冷たく、闇よりも漆黒になる一瞬を見逃さないために。
ああ、捉えた。
その目を見逃さないうちは
瞬きを惜しまないと見つけられないうちは、、
きっとわたしたちは対等なの。
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