タカハシマコ『乙女ケーキ』収録、『タイガーリリー』について

 ※ネタバレ注意

 私は百合作品が好きです。昔の作品だとタカハシマコさんという漫画家さんの『乙女ケーキ』という短編集に収録されている、『タイガーリリー』という作品が好きだったりします。今回はその話をします。

 私ははっきりとした恋愛感情があったり、セクシャルマイノリティを描いている百合も好きですが、友情と恋愛の間にある曖昧な百合も好きです。タイガーリリーは後者にあたると考えています。

 この話は、少女時代に恋愛のような関係性にあった二人の女性が、お互い別の相手と結婚し、関係性が恋愛から友情よりになっていった後の話です。二人は高齢になり、やがてはお互いのことも忘れてしまいます。

 いわゆる少女時代の一過性の感情としての百合であり、性的指向としてのレズビアンやバイセクシャルの話とは少し違います。

 でも、そこにその感情があった事実は消えません。例え忘れてしまったとしても……というお話です。

 その描き方に私は救いを感じました。こういうことって多分多くの人にあると思うのですが、なかなか物語でこういう感情を扱ってくれないので。

 私の説明でうまく伝わったか分かりませんが、とてもおすすめしたかった話なのでここに書けて嬉しいです。

 ありがとうございました。

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